プラスチックの祈り

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 朝日新聞出版 (2019年2月7日発売)
3.22
  • (5)
  • (20)
  • (19)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 222
感想 : 20
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022515902

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】作家・姫野伸昌は妻・小雪の死を境に酒浸りだったが、突如周りで不可思議な現象が起き始め、やがて自身の肉体がプラスチック化し脱落し始める。姫野は天罰と直感するが、しかしなぜ? 微かに残る妻の死の記憶──。読者に挑戦し、挑発する先の読めない展開、圧巻のノンストップ問題作1400枚超!!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この方の作品は結末が曖昧だったり、読み手の解釈に任されていたりモヤモヤすることが多いのだけど今作についてはなんだかその曖昧さも含めて不気味な雰囲気が作品全体の印象とマッチしていて良いと感じた。

  • 体がプラスチック化してしまう奇妙な現象に見舞われる主人公。これは妻を亡くした罰…しかし、なぜ罰なのか。失われた記憶を取り戻す物語。

    なんだけれども。
    長い。章が変わったわけでもなく、すぐ隣に同じことが書いてあるのに、同じ話が改行されてない状態でまるっと入ったりする。いらぬ…(›´ω`‹ )

    実体験とフィクションが混同されてゆく…という話が本筋なのだろうけれども、そしたらプラスチック化のとこいらなくない? プラスチック化することで混同してしまった、妻の記憶を失った、的な?
    オチもええーってなるし、『呪術の密林』は結局自分で書いたみたいな終わり方だが、そしたら主人公は編集者の頃、ゴーストライターだったの? 件の本を取り寄せるきっかけは、テレビで女優が「海老沢のお気に入りの本」について語ってたのではなかったか?(確認するのが億劫なので不確定)

    プラスチック化の話がなかったら、もっとすいすい読めたのかなぁとも思う。

  • 傑作だと思います

  • 今までにない展開に頭が混乱する
    一度頭に入れた物語が次々と上書きされていくから次はどうなるんだ?と最後まで読んだけど、最後までなんだかモヤっとだった
    結局プラスチックする化の意味…よくわからん
    中盤までは主人公の認知症の話かな?とおもったけどそういうわけではないみたい。
    今目の前にある世界は本当はなくて、全部自分があると思い込んでるから存在するんだって、いつだったか忘れたけど、他の誰かも似たようなこと言ってた気がする。

  • これは・・・。
    また一気に読み切ってしまう白石一文作品。
    こんなに長くて重くて登場人物がたくさん出てきて意味がわからないのに、一晩二晩で読み切ってしまうのは何故なんだろう。
    白石一文読んでる〜〜〜〜〜ってワクワクしながらもうページすっ飛ばす勢いで読んだ。ただ今回のラストはなんだか完全に煙に巻かれたよね。
    残りページ数少ないけど終わる気配ないよなと思ってはいたけれど。
    まとめ・・・なかった!って感じ。堂々とまとめなかったな。
    ちょっと笑ってしまうくらい突拍子ないSF描写が多めで、白石一文にしては珍しいかなという印象。


    突然体の一部がプラスチック化する、主人公で作家の姫野信昌。数年前に「死んだ」妻の小雪。
    いくつかの不思議な出来事をきっかけに、彼は自分の記憶の不確かさに気づき、本当の記憶を求めて旅をする。
    やや謎解きミステリの様相。

    記憶を捻じ曲げて自らのアイデンティティを揺るがしてまで、彼が忘れなければならなかったこと。とは。
    彼にとっての「小説家」とは。

    記憶と、事実。

    ”たとえ一つの”不動の真実”が、その場その瞬間に存在したとしても、それを眺めている人々の記憶は、事実が起きた直後から各者各様に観察され理解されて一人ひとりの”憶えたいように”憶えられていく。”

    過去はそれぞれの記憶の中にしか存在しない。それぞれの記憶の中に、普遍的な事実など存在しない。
    語られない歴史が存在しないことと同じかな少しフェーズが違うかな。

    自分が事実だと思っている過去が揺らぐと、こんなにアイデンティティが揺さぶられるのだなと考えさせられた。
    自らのアイデンティティとは。自分とは。世界とは。真実とは。記憶とは。


    それにしても、白石一文の小説によく出てくる、主人公の男性に付き従って色々と面倒を見てくれるのに、けっして男女の関係にはならない女性たち、なんなんだろう。
    現実感なさすぎてそこがいいのだけど。男性の夢かしら。

    私の中のフェミニストの部分はたまに氏の小説に対して強い嫌悪感を抱くことがあるのだけど、それでも私はなぜだか氏の小説がとても好きなんだなあ。


    ・はいはいバブリーバブリー。
    ・ローカルというか地域ネタがくどいくらい細かくて好きです。やたらと日本全国に住むよね。旅するよね。私は白石一文氏と同じく福岡出身なので、福岡ネタ好き。あとは東京の今住んでるとこの近くも出てきてなんか変に親近感。
    ・近親相姦ネタ本当に好きですよね。私も好きです。
    ・作家ネタ編集者ネタも好きですよね。私も好きです。
    ・突然無理やりマジで唐突に反原発論ねじ込みますよね。好きです。

  • 白石一文さん大好きで、たくさん読んできたけど、本作は、主人公が小説家で、福岡の名門公立高校出身であり、父親も作家(しかも”いちろう”の部分が自身の父と一致)という部分など、作者の来し方と重なる部分がいつになく多く、ファンとしてはそそられるものだった。
    主人公は妻を亡くしてから記憶が錯綜していて、それを解明していくような物語。”プラスチック化”っていうのがちょっと、SFぽくて文学的じゃないなぁ、なんか、しっくりこないなぁと思いながら読んだけど、なるほど最後まで読むと、なんかつまり、この「世の中」や、「小説というもの」が、無機質な、プラスチックのようなもの…っていう意味が込められているのかな、と思いました。それをただのプラスチックではない、温度のあるものに変えるのは、日々を生きている、私たちの意識…?
    作家が小説の中に取り込まれているような妙な感覚が、とても読み応えがありました!
    でも非科学的な方法で癌細胞を消したり、病気を念力で治す、みたいなのってあんまり好きじゃないなぁ。他の作品にも余命宣告をされた主人公が西洋医学に頼らず自力で癌を消してしまう、っていうのがあったけど、そういうのって文学的要素よりオカルトっぽさが強調されてしまうので好きになれないな。でも、白石一文作品で私が最も好きな作品の一つである、「私という運命について」だって、オカルトっぽさが充分にあるので、白石一文作品には「科学では説明のつかないもの」って必須なのかも。
    いつも、運命というか、人って自分ではどうにもならない何かに生かされているんだなということが感じられて、ドキドキして好きです。
    やっぱり「私という運命について」と「ほかならぬ人へ」と「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」が好きだな。

  •  読後感が不気味、面白い、興味深い、消化不良...なんとも言葉で表現できない、様々な感情が混ざり合って、気持ち悪い作品だと思ってしまいました。
    ストーリーもSFのような、推理小説のような...
    ところどころ、主人公に語らせる認識論的な話や、存在そのものについての見方が、自分のアイデンティティを揺るがされるようで恐ろしい、気味悪いと感じてしまうのかもしれません。
     ラストも、えっこんな終わり方なの!?と驚くようなエンドです。もやもやが残ります。
     また読みたいかと言われると疑問ですが、印象的な作品であることは間違いないです。

  • なんだこれ?

  • 自分の認識が世界を作り上げている。
    プラスチックというある意味軽くて今風なモチーフを使うことによって、吹けば飛ぶような己の存在や世界の軽さを表現したものか。

    存在の残滓は残っているものの死んでいなくなった妻とそこにまつわる記憶をめぐる物語は二転三転して面白かったが、そのまま話を進めないのが評価の別れるところか。

  • 自己の記憶が改竄されたものであることに気づき、真の記憶を取り戻すため悪戦苦闘する流行作家、姫野は、同時に、体の一部がプラスチック化するという奇病(?)にも悩まされる。

    ラストには、記憶を完全に取り戻した主人公が海老沢龍吾郎の小説「呪術の密林」を読み、更に衝撃を受けるシーンが…。

    本作は、小説家ならではの唯識論がモチーフ。作中で姫野が、小説家は作品を執筆中、自分の人生とは別に作中の主人公の人生を生きている(しかも両者には大差ない)と語っているが、小説を書いているとリアルにこのような状況になるのだろうか? 著者のリアルな体験のような気がして、とても興味深い。

    ストーリー的には、プラスチック化と記憶を巡る旅、どっちかだけででよかったんじゃないかと思った。自分は記憶を巡る物語だけで十分に楽しめるけどなあ。欲張ったためにかえって中途半端感が…。

  • 五年前の秋、かかとのプラスチック化を初めて見つけたとき、これは天罰だと直感した。
    ーあんな形で小雪を失った当然の報いに違いない。
    そう確信した。

  • 体がプラスチック化する。それが、ある日ポロリと取れる。
    どんよりした気分や悲しい気分も同じように固まってポロリと取れてスッキリすれば清々しいんだろうにね〜。

  • 人間の記憶。。。わからんでもない部分がたくさんあり
    考えすぎると、混乱するけど面白かった

  • 本当にキツイときの記憶が失われたり、過去の思い出を友人と語ると食い違うということは実感としてわかる。
    そういった齟齬を突き詰めて作品化した大作。
    ラストの収束も含め、観測・認識されないものはプラスチックであるというテーゼは量子力学の観測問題のよう。

  • 600頁超の作品。時間がかかりました。読み応えあり。

  • 『1億円のさようなら』が面白かったので、次にこれを選んだ。
    内容が理解出来ず、訳がわからないままなんとか最後まで読んだ。

  • うーん。
    長文だった。早く終わらないかなぁ?と読み進めると、え?え?え?の展開へ。
    なんだかメビウスの輪みたいな話。
    ちょっと苦手。

  • 元編集者、作家の姫野伸昌に異変が。身体のあちこちがプラスチック化するようになったのだ・・・亡くした妻、美術部にいた高校時代。自分が記憶しているのと事実が違うようである・・・

    うーむ。つらかった。早く終わらないかなー、と思うほど。

    今までに読んだ白石一文作品は、荒唐無稽な超常現象でも、ストーリーが面白くてぐいぐい読ませてくれるので、超常現象もある種のガジェットとして受け入れられた。本作は、プラスチック化も、記憶の捏造も、無理矢理な感じがして、受け入れるのが難しかった。

    先を読むのが楽しみで、ついつい徹夜本になってしまうのが白石一文作品だったのに、後半は退屈で飛ばし読みになってしまった。残念。

全18件中 1 - 18件を表示

著者プロフィール

白石 一文(しらいし・かずふみ):1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で第22回山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で第一四二回直木賞を受賞。著書に『不自由な心』『すぐそばの彼方』『僕のなかの壊れていない部分』『草にすわる』『どれくらいの愛情』『この世の全部を敵に回して』『翼』『火口のふたり』『記憶の渚にて』『光のない海』『一億円のさようなら』『プラスチックの祈り』『ファウンテンブルーの魔人たち』『我が産声を聞きに』『道』『松雪先生は空を飛んだ』『投身』『かさなりあう人へ』『Timer 世界の秘密と光の見つけ方』等多数。

「2024年 『代替伴侶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

白石一文の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×