傲慢と善良

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022515957

作品紹介・あらすじ

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。
その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。
生きていく痛みと苦しさ。その先にあるはずの幸せ──。
2018年本屋大賞『かがみの孤城』の著者が贈る、圧倒的な"恋愛"小説。

感想・レビュー・書評

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  • 婚約者の真実が急に失踪。
    婚約者である架が真実を探していくうちに彼女の過去などが明らかに。
    婚活で出会った2人の婚活の苦悩も書いてありました。

    真実がストーカーに追われ急に失踪するので
    ミステリー要素ありかと思いきやガッツリ結婚の話。

    この結婚系統の本最近読んだぞ。。。?と記憶を辿ると
    山本文緒さんの『自転しながら公転する』でした。
    私が結婚を意識する年齢だからか自然に引きよせてる?(笑)

    この2冊に共通していた考え方が多々出てきます。
    相手が自分に相応しいのか条件にはまるかを考えるけれど
    自分にそんなことを言える価値があるのか?と。
    そしてそれは傲慢なのだと。
    でもその傲慢さを取り除くと誰とでも結婚することになるのでは。。と考える私。
    そしてそれは傲慢ではなく熟考と捉えたい。
    お互いの条件のすり合わせも大事だと思うのです。

    傲慢と善良。
    頭では分かっている風でも文章で読むと、
    かなり痛いとこつくな。。と思ってしまいました。
    善良な人にも傲慢なところはあって、逆も然り。
    でも言い出したらきりがないですからね。
    あまり考えすぎると卑屈になってしまいます。

    善良すぎると無知、世間知らず。
    傲慢すぎると性悪。
    でも悪と傲慢は違うんですよね。
    時には悪よりも傲慢さで人を傷つけることもあるんでしょう、というかそちらの方が圧倒的に多そう。
    善悪は誰が見ても分かりますが、
    傲慢や善良は見る角度の問題でもあるので難しいです。


    単行本400頁以上ありましたし、毒親も登場しました。
    思うところは沢山ありますがレビューすると長くなるので
    ここら辺で。

    こんなに傲慢と善良について書いてある本がヒットして
    言葉の意味も広がりはしたはずなので
    いつか『それは傲慢ですよ』とか言われそうで怖いです(笑)
    ハラスメントの次は傲慢ですか。。涙

  • これは彼氏の架39歳が優柔不断なのが原因ですね。婚活で知りあった彼女の真実35歳を2年も待たせたのは罪深いし(婚活脳内調査によると交際して1年以内で決めなければNGかな)、架の元カノ贔屓の女友達2人は辛辣で鼻につきました。結婚に煮え切らない架に点数つけさせるとかそこんとこ最低でした。
    展望室から、群馬が誇る上毛3山の赤城山、榛名山、妙義山の区別がつかないとか言ってる架にドン引きでした。どれも個性的な山なのに違いがわからないとか、こうゆう輩は女をみても画一化した基準でしか判断できない、関心なさすぎだから、真理も失踪して当然ですね。
    彼氏視点の1部では真理の過去も明らかにされドキドキの展開でしたが真理視点の2部は失速気味かな温度差感じました。ヨシノさんにまた会えたことや「青空と逃げる」の母子にも会えたのが幸いでした。
    最後は、辻村さん優しすぎるなって思いました。
    真理もなんだかねぇ、自分大好きみたいだけど周りに振りまわされずに強く貫けるといいんじゃないかな。

    • Manideさん
      厳しい…(笑)

      男は基本ダメですからね〜
      架だけでなく、大半の男はダメダメです(^^)
      厳しい…(笑)

      男は基本ダメですからね〜
      架だけでなく、大半の男はダメダメです(^^)
      2023/12/16
    • つくねさん
      えっ、そうでしたかw w
      マラソンのほうはいよいよシーズンですけど頑張ってますかぁ!
      えっ、そうでしたかw w
      マラソンのほうはいよいよシーズンですけど頑張ってますかぁ!
      2023/12/16
    • Manideさん
      しじみさん、ありがとうございます。

      マラソンがんばってます。
      明日は市ヶ谷付近で昼から飲みに参加してくるので、午前中は半蔵門なら六本木まで...
      しじみさん、ありがとうございます。

      マラソンがんばってます。
      明日は市ヶ谷付近で昼から飲みに参加してくるので、午前中は半蔵門なら六本木まで走ってこようと思ってます。都内走るの結構楽しいです。
      楽しみながら、前に進みたいと思います(^^)
      2023/12/16
  • ふとした時に本書の強いメッセージに触れたいと思ったため、再読しようと思い、手に取りました。実際は文庫本の方を手に取ったのですが、帯にはなんと映画化決定の文字が……正直驚きです。色んな人に刺さったであろう本作が、映像化され届けられることになるとは思いもよらなかったです。完成度がとにかく気になるところですね。

    さて前置きはこれくらいにして、本作のストーリーはマッチングアプリで知り合った架と真実。その2人は晴れて結婚することになるが、結婚直前になり、真実がストーカーの存在を匂わせるとともに失踪してしまう。架は心当たりがないか、両親や友人、結婚相談所といった花嫁の関係者を訪ねる。果たして、誰が何の目的で花嫁をさらったのかというストーリー。

    ミステリー感のある導入であるにも関わらず、ストーリーが進んでいくとズシズシと心に刺さる名言のオンパレードで、正直読み進めるのが億劫になるシーンも多々あります。特に、小野里さんとのやり取りや、金居さんとのやり取りに垣間見える、「傲慢と善良」というキーワード。このキーワードに自分の「善良」な人生の中で育ってしまった「傲慢」さを指摘されたようですごくハッとさせられました。

    すごい余談ではあるのですが、私もマッチングアプリを使用したことがあり、知り合った人に「オススメの本ありますか?」と聞かれて、本作を勧めたところ、見事に相手の人に「なんて本を勧めるんだ!」と怒られました。

  • 久しぶり辻村作品。面白かった。完全なる母娘の共依存。この典型の母娘の気持ち悪い関係性を垣間見た。いや~不幸だ!恋愛期を通り越し婚活する娘というより何故か母親がしゃしゃり出る。それに従う娘。自立したくないのか?できないのか?共依存によって最終的には母娘関係も崩壊し、さらに娘の人生をも蝕む。娘も婚活で感じる男性への違和感(傲慢)が読者のこころを窮屈にする。何故か?面と向かって話す時には善良的態度をとる娘。それが母親に対する態度と同じ。最後は他の女性からの軽蔑に耐えられない娘。辻村作品の「黒描写」を楽しめた。⑤

    • アールグレイさん
      こんにちはポプラさん(^_^)/

      辻村作品を読んでいるとのこと、傲慢と善良、だったんですね!この作品、私は2年位前に読みました。ブクログ入...
      こんにちはポプラさん(^_^)/

      辻村作品を読んでいるとのこと、傲慢と善良、だったんですね!この作品、私は2年位前に読みました。ブクログ入会前でしたので感想を残すということはなく、印象の強い本ならば思い出して書けたのに、と今ブクログの有り難さを感じています。
      ポプラさんのレビューで、思い出すことができました。ありがとう!
      (*^。^*)
      2022/10/10
    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、こんにちは。感想無いんだね。残念。。。
      この話しは結構2極化した評価でした。
      自分は閉塞感ある内容で、共依存、友人から...
      アールグレイさん、こんにちは。感想無いんだね。残念。。。
      この話しは結構2極化した評価でした。
      自分は閉塞感ある内容で、共依存、友人からのキツイ言葉で黒辻村が発揮されていました。
      最後はハッピーエンドだったのですが、まぁ、楽しめました!
      ま他辻村作品読みたいです。
      実は名前探しの放課後を読んでいないので、これを読みたいなぁと思います!
      2022/10/10
  • 自分と他人を比較してしまうことはもはや人間としての性だと思うが、そのときに自己愛が邪魔をしてどうしても他人を見下してしまう。見下せる部分を探してしまう。最終的には自分自身を都合よく解釈して大きく強くしてしまう。

    そんな誰もが一度は経験のあることがとてもリアルに詳細に文章化されていて、読んでいると目を背けたくなるような瞬間がある。

    エンタメとして読むにはヘビーかもしれませんが、他人との付き合い方を省みることができるとても素敵な本だと思います。

    少し残念だったのは最後の終わり方。
    変にあっさりしているというか打ち切りを告げられた漫画のように急転直下で話が完結してしまう。
    実際に波瀾万丈はそんなに起きないという点においてはこれもとてもリアルな終わり方ではあったけれど、もう少しフィクション的盛り上がりがあってもよかったなと個人的には思いました。

    あとこれは必要ないと思いながらも気持ちを残しておきたいという意味で書きますが、私は真実みたいな人は嫌いですね。
    傲慢の権化みたいな存在で小説の中では味を出してますが現実社会にいたら相当鬱陶しい。

    だからこそ最後に不満が残るのかもしれません。。。

  • ある日、結婚を数ヶ月先に迎える、西庭真実が失踪した。
    婚約者の西澤架は、彼女の居場所を探すため、彼女の「過去」と向き合うことになる。

    前半は、もっぱら、婚活の話に終始するので、少し食傷気味。

    前編通して、彼女の名前・真実(まみ)と書かれているのに、どうしても、真実(しんじつ)と読んで「ああ、まみか・・」と思った。
    紛らわしい名前だった。

  • 胸を大きく抉られました。
    一言、一文、一ページが、時折胸を突き刺す、そんな体感がありました。
    物語の中に、もしかしたら、自分だったかもしれない主人公がいたからです。

    「傲慢」と「善良」
    誰しもが持っているのではないでしょうか。
    程度、比率は違えど。
    本を読みながら、自分の中にある「傲慢」と「善良」を知ることができました。

    常々、子ども達には色々な価値観を持ってほしいと考えています。(傲慢かもしれませんが•••)
    しかし、子ども達に価値観を持ってもらうには、親の私がそうでなくてはいけないということを改めて教えてもらえました。

    小説を読むことで、本当に色々な事が学べる事を再認識できました。
    たった千円ちょっとで、色々な人生、色々な経験、色々な考えに触れる事ができるなんて、素晴らしい事ですね。

    胸を大きく抉られましたが、きちんとそのフォローも物語がしてくれました。
    「傲慢と善良」
    これから先も大切にしたい一冊となりました。

  • 昔に付き合っていた人が、全く結婚を意識してなかったのに、いつの間にか自分よりも先に結婚していた…何かショック。

    結婚だけが幸せではない!って、わかっていても、同級生の結婚式に出席すると取り残された感に…焦る。

    かと言って、適当に手を打つかと言うことも出来ず、一生に一回と思うと慎重になる…なかなか決めれない。

    主人公は、39歳の西澤架。男性である。婚活アプリで知り合った35歳の坂庭真実と9月に結婚が決まっている。
    本作は、真実が自分の部屋にストーカーの影を見つけ、逃げている場面から始まる。タクシーに乗り込み、架に助けを求める真実は、怯えていて、この話はストーカー被害の話かなぁと想像する。真実は、この日以降、架の家に泊まっていたのだが、それから2ヶ月後の2月3日、忽然と架を残して姿を消してしまう。

    架はストーカーが真実連れ去ったと思い、必死で探す。警察に相談はしたものの、居なくなった現場の状況などから、警察は真実の意思でストーカーと一緒にいなくなったのだと言い取り合ってもらえない。『えー、事があってからでは遅いのに、これだから…』と、昔、ニュースになったストーカー事件を思い出す。本作はストーカー被害のストーリーではないため、結局、警察の判断は間違ってはいないのであるが。
    『ストーカーは、いったい誰なのか 』、『真実は今、本当にストーカーと一緒にいるのか?』、それよりも何よりも『いったいどこにいるのか?、戻って来てくれるのか?』と、架は、不安な気持ちの中、真実の実家がある群馬まで通い、群馬県庁の元同僚、結婚紹介所を通じて見合いをした相手と会う。そしてまた、真実の両親や姉から真実のことを聞いていくうちに、子離れできていない傲慢な両親、親離れできていない真実が見えてくる。真実の姉の言葉を借りて説明するのであれば、親に子離れさせないのは、実は子供が望んでいるせいである。そして、親が子供を思い通りにしたいけど、子供だって親の言う通りにしていたい。つまり、親と子の「共依存」だという。すごく説得力のある言葉だ。親と子の傲慢の共存が浮かんでくる。そして、私自身、親は、どうだろうかと、どこまでが一般的で、あるいは許容範囲で、その境界はどこなんだろうと考えてしまった。

    親の世界、価値観が常識のごとく、子供を自分の価値観の中に縛り付ける。「あなたは世間知らずだから」とか、何歳になっても「頼りない」と「親の言うことを聞いていれば間違いはない」と、思っている。社会人になっても「外泊は駄目だ」と言う親。「親が選ぶ人と結婚することが幸せになる」と信じている親。親の望む「いい子」のまま自立する機会を持つことができなかった子供は、親の世界、価値観の中で自分の世界、価値観を見つけ出すことは難しい。そして、真実のように、一人で東京で生活すると、決心し親から離れようと決めたものの、「親の世界で生きていくことができなかった」という罪悪感に縛られ、結局、親離れができない。親と子の呪縛である。

    また、「いい子」を演じる真実は、親だけでなく、架に対しても「いい婚約者」だと思われようとする。それは人間の心理としては当然のことだと思うのだが、この後、自分が架のことを思う気持ちと同じ気持ちではないことを知ると、見かけの「いい子」は、架を残して親元に帰ろうとするが、今回はたまたま、親元に帰れなかった。

    読み進めていけばいくほど、真実の性格、考えがわかってしまい、同情の余地すら浮かばない。架の女友達の美奈子たちと同じ気持ちになる。(私が、真実側の人間ではないからなのだろうか…それとも同じ側の人間なのでイライラするのであろうか…)

    架が真実の両親の価値観や真実の性格を、理解していくのに、どうして諦めないのか…と、美奈子たちから聞いた真実のストーカーの嘘の話を聞いて真実に対する気持ちが冷めないのかと、架の気持ちも私にはわからなくなる。
    それは、やっと見つけた結婚相手だからか、真実が嘘までついて架の気持ちを繋ぎたいという気持ちがわかるからなのか、それとも架にとって、真実はすでになくてはならない存在になっているからなのか…

    真実のストーカー騒動が、嘘であったと分かり、第二章は真実が架の家を飛び出した理由、そしてその後の行動について、真実の視点で描かれている。

    架に70点と評価されたことを美奈子たちから聞いて落胆する真実。何も告げずに架のいない間に家を飛び出した。
    結婚できなくなるのは嫌なのに、架にストーカーの嘘をついていた事を奈美子たちにバラされる恐怖。母にも姉にも頼ることができないのに、飛び出して来てしまった真実は、昔の見合い相手・金居から聞いたボランティアの話を思い出して、仙台でボランティアに手をあげる。

    結婚しようと思っているのに、衝動的に居なくなり、架に心配をかけてしまうことは、考えないのだろうか?結局は自分の気持ちを優先で、架が自分と同じ気持ちでないことに腹を立ててる。自立できていない上にプライドが高いだけではないか…真実なりの考えがあってのことかもしれないが、私の真実に対しての印象はより悪くなる。

    仙台でのボランティア紹介で、あの「青空と逃げる」で登場した谷川ヨシノが登場する。思わず『おおー、もしかしたら、こんな親子がいたと、力たちのことを回想するシーンがあるかも』なんて、思っていたら、何と『樫崎写真館』の名前が上がった!そして回想ではなく、力と早苗がちょうど写真館を手伝っていたタイミングであった。「青空と逃げる」のスピンオフのような展開になる。

    このボランティア活動を通して、自分の価値を見出し、自立をしようとする意識が芽生えたことで、真実自身が強くなった。個人的には架と離れて、新しい恋をして欲しかった。
    が、本作は架と真実は、結婚する。
    最後まで、ふたりに対する気持ちはスッキリしなかったのが本音。

    石母田の言葉通り、『これって、大恋愛の物語だったんだ』と分かり、恋愛小説だからスッキリしないのも理屈ではないのか…と、無理矢理納得した。

    • しずくさん
      2年前に読み、私の読後感もすっきりしなかったのを思い出しました。若いkurumicookiesさんだってそうなのねぇ。私の感覚も古臭くはない...
      2年前に読み、私の読後感もすっきりしなかったのを思い出しました。若いkurumicookiesさんだってそうなのねぇ。私の感覚も古臭くはないのだと何だかホッとなりました(笑)
      2021/02/14
    • kurumicookiesさん
      しずくさん、こんには(^o^)

      コメントありがとうございます!

      ですよね!!
      ふたりにはここで別れて新たな道に進んで欲しい。と願ってしま...
      しずくさん、こんには(^o^)

      コメントありがとうございます!

      ですよね!!
      ふたりにはここで別れて新たな道に進んで欲しい。と願ってしまい、この結末はおさまるところに強引におさめられた感が残りました。

      私もしずくさんと同じ感覚とお聞きして、ホッとしました 笑
      いつもコメント参考になります!
      今後ともよろしくお願いいたします。

      追伸: 若くないですよー(*⁰▿⁰*)
      2021/02/14
  • 初、辻村深月作品でした。
    今作は、2019年に第7回ブクログ大賞を取り、2024年10月時点で100万部を突破しているようです。スゴっ。あれ?まだ9月だけど…
    未来のウィキペディアか?

    2017年に書かれているので、著者38歳当時。

    善良と傲慢…

    このバランス、偏りを題材にした作品。
    グラデーション具合、偏り具合。
    基本的に人は、どちらもあわせ持っている。
    ん?そうでもないか…傲慢じゃない人は、たくさんいるか。善良じゃない人もたくさんいるか。
    どっちもない人もいるかもしれないか。
    問題は、「程度」と「質」。

    ひとは、複雑。簡単には捉えられない。

    なかなか考えさせられる物語でした。

    善良さと傲慢さ。

    「善良さ」がいきすぎると、人に気を遣い、人の言うことばかり気にして、人が傷つかないように生きがち。→自分は何をしたいのか?自分がしたいことを我慢して、やりたいようにできない。なりたいようになれない…そんな傾向に陥りがち…
    親に気をつかい、いい子になる方が楽であり、傷つかずにすむ。忖度。親の奴隷のような生き方。
    いつの間にか、親の意向に沿う生き方に。
    親の思想、考えの「枠」から出られない。何も決められない。
    親に育てられた以上、似た思想になりがち。ある意味洗脳。影響を受けるってそういう恐ろしさがある。主人公の真実の傾向だ。だが、真実は傲慢さもあった…。

    そういう生き方が本当の親孝行なのだろうか…。否。羽ばたいてナンボだろう。

    親離れ、子離れできない憐れさ。

    そもそも人生なんて、思い通りにならないことばかり。受け入れることでしか前に進めない。
    親子であろうが、別人格。所有物でもないし。

    そこらへんの問題を提起し、
    呪縛からの解放。がテーマかな。


    「傲慢さ」がいきすぎると

    空気が読めず、自分が正しいと思い込む。勘違い。裸の王様。人の気持ちがわからない。理解し合えない。孤独。
    エゴが強すぎるのも問題。考えもの。

    ただ、その人のエゴで、その人が正しいと思って生き、幸せと感じてるのであれば、いいんじゃないかなぁと思う面もある。好きに進んでいけるのは、エゴが強い人。ズンズン行っちゃって。行っちゃって。と。どんどん人に勧めちゃってと。インフルエンス。大切です。おせっかい大切です。ひとに影響を与える影響力。大切です。
    傲慢さとは違うけど…。
    部分的傲慢さ…。

    問題なのは、人をどうにかしようとうする「傲慢さ」。傲慢の先のひとをコントロール。
    思い通りに…
    自分のことならいいのに…人を変えたがる。
    ここに気をつけたい。
    想像力の欠如なんだな。
    ここの問題提起もしている。迫ってくる。

    他人の傲慢さに振り回されて、善良に忖度するのが問題なんだべなぁ。

    他人のための優しい純粋な善良さ
    は、持って良いのかも知れない…
    傲慢さは、どうだろう…
    人を侮って見下す…最低だな

    そんなことを考えさせてもらいました。

    あと思ったのは、前半の行方不明探しが、ちょっと長すぎる気がしました。
    推理小説があんまり得意じゃなくて、考えるのがめんどくさくなりがちな私としては、長いなと。

    それにしても、心理描写お見事。ブク友さんの本棚にもありがちな本作品。さすがでした。
    読めてよかった。

    他の作品も読んでみっぺし。

    他の人がどんな感想なのか、読もうと思うけど、1000人以上いるし…スゴっ。多すぎ〜。
    読みきれないかも…
    さすが100万部…

    多分だけど

    辻村深月あるある早く言うよ

    読者多すぎで、感想多がち〜

  • 婚活で知り合い結婚を控えていた西澤架と坂庭真実…西澤架が結婚に踏み切ったのは、坂庭真実をストーカーから守りたい…そんな想いを強くしたからでもあった…。ある日、坂庭真実が忽然と姿を消し…彼女は無事なのか、手がかりを求めて実家のある前橋を訪ねる…。

    読み始め、思ってもなかった経過に驚きました!婚活ってこんな感じなの??これから婚活しようとしている人、今婚活している人にはちょっときつい展開…。作中に「傲慢と善良」って結構出てくるけれど、そもそも婚活で異性を値踏みすること自体が傲慢??…いやいや、婚活だけとは限らない…友達間でだってそういうことってあるかもしれない…そんなことを考えながら悶々とした気持ちで読みました。西澤架目線の章から坂庭真実目線になって、その頃から、彼女を応援したい気持ちになりました!自分の人生、好きなように、誰にも左右されずに生きていいんだよって…エンディングも希望のあるエンディングになったので満足です。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

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