傲慢と善良

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 735
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022515957

作品紹介・あらすじ

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。
その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。
生きていく痛みと苦しさ。その先にあるはずの幸せ──。
2018年本屋大賞『かがみの孤城』の著者が贈る、圧倒的な"恋愛"小説。

感想・レビュー・書評

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  • 抉られる…とにかく心抉られる。
    こんなにも現代の婚活事情や結婚観に対して真っ正面から切り込んだ小説ってあっただろうか?
    自分の心の底にある言葉に出来なかった思いを的確に小説の中で表現してくれる辻村さんは今回も健在。
    最初は男の主人公架サイドから物語が進む。
    読み進むにつれて彼女の真実の傲慢さが見えてくる。
    でも、必ず辻村さんは物語を多方面から見せてくれるので、後半の真実サイドでは架の傲慢さが見えてくる。
    どちらにも共感出来る所が必ずあって、心抉られる。
    分かるけど、このどうにもままならない感じがとても心苦しい。
    きっと傲慢な恋愛をしない人なんて居ないし、誰もが善良さを見せようとする。
    恋愛に正解も不正解もない。
    きっとこの小説の結末に納得いかないと思う人もいるとは思うけど、自分はあのオチが好きだ。
    結局は二人の問題。お互いの本音をしっかりぶつけあって生きていくしかない。最後お互いがお互いに『何考えてる?』と、聞き合う所が凄く印象的だった。結婚しても他人は他人。心の本音もぶつけていかないと、何を考えてるかなんて分からない。そう言う面で、上辺だけで付き合って行くのじゃなく二人で生きて行くんだと言う風に最終的にあの二人は気づけたのかなと思った。
    いやーでも、とにかく抉られた小説だった。

  • 面白かったー。
    でも痛い!自分のことのように感じてしまって、読んでいてとても痛かった。
    さすが辻村さん、言葉が刺さる刺さる。
    蓋をして見ないようにしてきた気持ちを見せられた感じ。しかも綺麗に理路整然と見せられ、ぐうの音もでないとはまさにこのこと!という感じだった。
    真実の親の善良な上での傲慢さが恐ろしかった。
    架の女友達の傲慢さも怖い。正義なのかなんなのか理解が出来なかったなー。
    ミステリー要素もありつつ、タイトルの通り傲慢と善良を考えさせれ面白かった。

  • 途中で読むのをやめれなくて一気読みした。

    「自己評価は低いくせに自己愛が高い」
    この言葉にうわああ!と頭を抱えたくなった。もう自分の事をズバリ的確に当てられた感じ。
    だから真実の気持ちが分かる。そしてそんな価値から脱却していく真実が羨ましくもあった。私はまだそこに囚われているから。

    でもこの本を読んだ後は少しだけ、ほんとうに少しだけだけど自分が囚われているものから自由になれた気がした。しばらくしたらまた元の自分に戻るだろうけど。
    そんな風に時たま本を読んだ後に自分の囚われている価値観から少し解き放たれる瞬間があって、それが本を読む醍醐味だしすごく嬉しいことだと思う。

  • 恋愛、結婚をきっかけに、自分の生き方と向き合うことになる真実と架。リアルにストーリーが展開していき、またまた辻村さんの作品に吸い込まれていきましました。
    途中で止められずに疲弊してしまいましたが、面白かった‼︎

  • 傲慢と善良は一見対極に位置づけられるが、その実は表裏一体なのだ思わされた。娘を大切に思う善良さ故に自分の支配下に置かないと気が済まない傲慢な親。自分は傲慢だと言いながら善良さが垣間見られる架。そして、善良に生きていながら何事にもきちんと向き合えず傲慢になってしまう真実。しかし、その傲慢と善良は言ってしまえば、人間として普遍的に持ち合わせているものなのかもしれない。
    と、こんな風に、婚活を題材にした断片的な物語を読み進めて行くうちに人間の心理を考えさせられる辻村さんらしい作品でした。

  • 辻村深月さんの新刊「傲慢と善良」 架と真実は婚活で知り合い挙式予定、ある日突然真実が消えてしまう。現代の婚活にまつわる話が満載いろいろと考えさせられる、おススメの一冊です。

  • 婚約者の真実が失踪した。
    架は、彼女が以前助けを求めてきたストーカーが関わっているのではないかと、警察に駆け込む。
    事件性がなければ動くことが出来ないと言われ、彼は彼女の故郷に向かい、ストーカーの手掛かりを探しはじめる。

    そこで、真実が結婚相談所で相手を探していたことを知るのだった。

    結婚するって、どういうことなんだろう。
    婚活して、お見合いして、断って、付き合って。
    その中には、この人となら一生やっていけるんだろうか、とか、生理的にどうかとか、資本はとか、仕事忙しすぎないかとか、子供はとか、親はとか。

    色んなことが、駆け巡る。

    そんな自分が、イヤになる感じ。
    そして相手が、イヤになる感じ。
    まさに「傲慢」だ。
    よく分かる。分かりすぎて、辛くなる。

    幸せを願い、願われているだけなのに、いつの間にか、呪われている。
    『逃げ恥』のユリちゃんの言葉は、こんなところにもひょこっと顔を出す。名言だわ。


    「親が、子の結婚を焦るのは、自分の代わりの次の依存先を見つけてやろうとしている行為なんだとしても。
    それの何がいけないのか、と開き直れるくらいには、気持ちが強くなった。」


    「傲慢」の相手が「善良」で良かったと思う。
    真実も、架も、二人が出会う色んな人の傲慢が、すごく刺さるし、すごく分かってしまう。
    それに対して、善良は、疑ってしまうくらいか細くて、嘲笑われてしまうくらいに打ち震えているのに、土壇場で救いを齎す強さがある。

    読みながら、左右にブンブン振り回される感じで疲れたけれど、さすが、読み終わって良かったな、と思わせる終わらせ方でした。
    キレイすぎる感もあるけど、良かった。

  • さすが辻村さんの作品!!人の心の中、他人には見せない姿の取り上げ方がスゴい。あと地方あるあるに共感。私も地方出身で東京に出てきたから思うところがあって。自分の人生、自分で選択して生きないと楽しくないと再認識!!

  • 途中までは「嫌ミス寄りの頃の辻村深月っぽい」と思ったけど、後半で見覚えのある人達が出てきてからは気持ちが明るくなってきた。
    石母田のおばあちゃん、ありがとう。良かった。

  • ※受付は終了いたしました。多数ご応募いただきありがとうございました。
    朝日新聞出版 最新刊行物:お知らせ:辻村深月さん作家生活15周年記念作品『傲慢と善良』刊行記念イベント、全国4か所で開催
    https://publications.asahi.com/news/1011.shtml

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    婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。生きていく痛みと苦しさ。その先にあるはずの幸せ──。2018年本屋大賞『かがみの孤城』の著者が贈る、圧倒的な“恋愛”小説。
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20714

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞を受賞。
他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2019年3月1日公開予定の『映画ドラえもん のび太の月面探査記』で映画初脚本を担当する。

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