- 本 ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022516121
感想・レビュー・書評
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皆様のレビューを見てずっと気になっていた作品。フォローさせていただいてる方々のむっつりストーカーな私こと「黒いシャツの女」はこれを追いすぎて読んだ気になっていたのだが、やっと手に取ることが出来た。
はて、タイトルは「むらさきのスカートの女」である。皆様のレビューに必ず存在する「黄色いカーディガンの女」とは何者なのか常に不可解に思っていた。畏怖せざるを得ない存在であることは間違いなさそうなのだが...
そんな未知に踏み込んだ私を、読み終えた皆様が優しい笑みを浮かべながら見守ってくれている妄想に浸りながら(※むっつりストーカー)世にも奇妙な物語の世界へトリップしていった。
語り手は「黄色いカーディガンの女」。そして、どの町にも必ず存在するちょっと様子のおかしな名物おばさん枠が「むらさきスカートの女」となる。
人々に嫌厭されるむらさきの女と、彼女とお友達になりたい黄色の女。その健気な気持ちが徐々に狂い暴走していく...と、いう訳ではなく、
最初から最後まで違和感が付き纏っている。
まず、むらさきの女の行動は作者が読者に伝える「語り」ではなく、終始黄色い女の目線なのが恐ろしい。「見守り」の域を余裕で超えている。
そして、「執着」だ。危害を加える等の悪意は全く持っていないはずなのに常に景色が歪んで見える。悪意の無い呪い、怨念に近い感情がこの作品の色彩を奪っているかの様だった。(褒めています)
同じような言葉を繰り返すが、兎に角
読者の相棒となるはずの語り手が、あくまでこれか正常だと言わんばかりの異常者なのだ。
いやしかし、そうなるとむらさきの女に危険が迫るのではとサスペンスの予感が膨らむが....
ご安心を、むらさきの女も大概ヤバめだ。
でもなんて言えば良いのだろう...うーん...彼女はまともなヤバさと言った所だろうか...(笑)つまり黄色の女とは毛色が違う。いや...これもなんか違うな...。そうだ!種族の位が違う。
「原種」と「亜種」だ。
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起伏はないが、ゆっくり確実に(一方的に)縮まってゆく二人の距離感にドキドキした。JAWSが人間たちの乗る船に徐々に近づく時に流れるあのメロディが流れてくるようだ。でーでん。でーでん。ででででででででで(以下略)
著者の作品は初でしたが、とても面白かったです。他の作品も読んでみたいなぁ。
紹介してくれた皆様に感謝です(*^^*) -
三、四年ぶりに読んで
みたけど、
彼女はやっぱり彼女の
ままでした。
むらさきのスカートね
♪
ラベンダーカラーなら
甘めの白いブラウスを
合わせるとか、
黒系のトップスで大人
っぽくまとめてみたり
とかね♡
ぼんやり柴咲コウさん
を想像して読み始めた
けど、
いえいえ全然違います
(汗
今村夏子さんの作風を
知らなかったにしても、
もう少し想像力を鍛え
ないとだなあ(笑
むらさきのスカートの
女は私のなかで、
ファッションアイコン
ならぬ、
ムーミンのスナフキン
のようなソリタリーな
アイコンになりました。-
コルベットさん、こんばんは〜!
って…アイコンの美しい人はコルベットさんですか??
ですよねぇ〜♡コルベットさん、こんばんは〜!
って…アイコンの美しい人はコルベットさんですか??
ですよねぇ〜♡2024/10/12 -
かなさん、こんばんは♪アイコンの写真は、先月職場近くの山王さんで撮ってもらいました!(*^^*)かなさん、こんばんは♪アイコンの写真は、先月職場近くの山王さんで撮ってもらいました!(*^^*)2024/10/12
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そうか、芥川賞作品だったか。
ザクザクと読み進める系の読書の後は、こうした曖昧模糊としている(であろう)作品を読みたくなる。
あと、スピッツの新曲「紫の夜を越えて」がすごく良かった、というのもこの作品を選んだ理由の一つかもしれない。
ゾクゾクした。
女性作家さんの中でも、変態性が強い作家さんって好きだ(褒めてる)。
わたしの中にある背徳感を、バッチバチに刺激して、肯定してくれる。
この作品が芥川賞を受賞した、ということを読了後に改めて考えてみた。
人間の心の奥底に秘められている欲望を丁寧に掬いとり、文学として昇華した作品。そんな印象だ。
人が人を監視する、あるいはストーカーする。
これは道徳に反していて、しかも犯罪で、だからこそ終始一貫、主人公である「黄色いカーディガンの女」が「むらさきのスカートの女」を監視している、という設定は人間の欲望を刺激するし、背徳感を煽る。
その結果、わたしは教育機関で働いているにも関わらず、先日インナーカラーを入れた。
どうだ、この背徳感。日が経つにつれ、きっとどんどん明るい色がチラチラと顔を出すのだ。そして上司が来たら、耳にかけた髪をスっと戻すのだ。そうすれば「ただの黒髪の女」だ。わたしは今からその瞬間を、心待ちにしている。
と、同時に、職場にいる嫌いな女を「SNSと全然ちがう女」と名付けて、観察を始めることにしたのだ。
できれば「黄色いカーディガンの女」がしているくらい、監視をしたい。
しかし。職場において、仕事をしながらの監視は無理がある。できるのはせいぜい、観察くらいだ。
「SNSと全然ちがう女」は、毎日出勤しているわけではない。週に3日程度である。
月曜日。「SNSと全然ちがう女」は休憩からなかなか戻ってこない。戻ってきたと思ったら、少し手持無沙汰になったのか、特別仕事がないなら帰りたいと言い出した。だから仕事を与えた。すると「やり方を忘れた」とその仕事を別の同僚に依頼した。そして「SNSと全然ちがう女」は「急に体調が悪くなった」と言って帰ってしまった。帰りたかっただけなんだろうか?
火曜日。出勤時間になっても「SNSと全然ちがう女」は出勤しない。同僚たちがザワザワし始める。カイジ状態である。出勤時間を過ぎてから「歯が痛いので遅刻する」という連絡が入る。この日、歯医者で相当数の麻酔を打たれたという「SNSと全然ちがう女」は、出勤後流暢に電話対応をしていた。麻酔はもうきれたのだろうか?
木曜日。「SNSと全然ちがう女」は体調不良とのことで仕事を休んだ。仕方がない。しかしこの日、「SNSと全然ちがう女」のツイッターの更新は止まらない。そのアイコンは、いつも一緒に働いている人とは思えない程、加工されまくって別人の顔をして微笑んでいる。これは一体、誰なんだろうか?
と、いった感じだろうか。
この作品のすごいところは、最初は「むらさきのスカートの女」がヤバい女だと見せてきておいて、実は「黄色いカーディガンの女」の方がヤバい女なのでは、と読者に迫ってくるところだ。ひたひたと。じりじりと。着実に。この迫ってくるポイントも、絶妙なのである。
“ヤバい女というのは、自分のヤバさに気付かないものなんだろうか”
そう思っていたものが、徐々に変化してくる。
“ヤバい女の心中は、こんな陳腐なものなんだろうか”
“もっと理解不能なものだと思っていたのに”
一気に「むらさきのスカートの女」が「普通の、どこにでもいる女」になってゆく。
そう、この作品の流れで言うと、先程の観察日記は「SNSと全然ちがう女」が「むらさきのスカートの女」であって、わたし、つまり「ただの黒髪の女」は「黄色いカーディガンの女」という構図なのである。
まずいことになった。
このままでは、「ただの黒髪の女」の方がヤバい女であると、誤ってフォロワーさんに伝わってしまう。
確かに「ただの黒髪の女」は仕事のグループラインで柳沢慎吾のスタンプを濫用したり、くだらないダジャレを言っては誰かを困らせたり、音楽を聴きながら料理をして、時に包丁を振り回すほど踊ってしまったり、普通の人と変わっている側面を持っている。
そう、側面なのだ。
正面は、真面目なのである。だって、黒髪なのだから!
これだけは信じてほしい。
わたしは断じて、ヤバい女ではない。
と、きっと「黄色いカーディガンの女」も思っている。-
おはようございます!
SNSと全然違う女の観察に笑ってしまい(そりゃこの人と働くのはストレスだわ!と深々と首肯。でもいますよね、仕事を休む...おはようございます!
SNSと全然違う女の観察に笑ってしまい(そりゃこの人と働くのはストレスだわ!と深々と首肯。でもいますよね、仕事を休むことしか考えてない人…)、そのあとのオチ?への展開にも笑ってしまいました(^o^)誰でも「それだけ取り出したらヤバい側面」はありますよね(笑)2021/04/28 -
たけさん
おはようございます!
コメントありがとうございます^^
前回皆さんから様々なアドバイスを頂き、いろいろと試してみることにしたの...たけさん
おはようございます!
コメントありがとうございます^^
前回皆さんから様々なアドバイスを頂き、いろいろと試してみることにしたのです!
「観察日記」はたけさんの助言に基づいたものです^^
やってみると、少し楽しくなってきました(笑)
「SNSと全然ちがう女」、一緒に働くの、本当に大変なんですよ~
まあ、こうして皆さんに楽しんで頂けるなら幸いですね!(笑)
そうです!側面はインナーカラー見えててちょっとヤバいかもしれませんが、正面はただの黒髪ですから!(笑)いたって真面目です!2021/04/28 -
マリモさん
おはようございます!
コメントありがとうございます^^
よかったです、楽しんで頂けて\(^o^)/これまでの闘いが無駄ではな...マリモさん
おはようございます!
コメントありがとうございます^^
よかったです、楽しんで頂けて\(^o^)/これまでの闘いが無駄ではなかった気持ちになります(笑)
たぶん、こういう人って本人はストレスためないけど、周りが大変なんですよね~
最近職場で毎朝ファイブミニ飲んでるんですけど、それを「ZIMA飲んでる気持ちになれる」と言ったら、その発言もまたヤバい女認定されました(笑)
でもあくまでそれも側面ですから!
正面から見たら、ファイブミニを飲んで身体に気をつかってる女ですから!
ただ、横から(側面から)見たらインナーカラー入っててファイブミニがZIMAに見えなくもないヤバい女かもしれない、ってだけですから!(笑)2021/04/28
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“あなたの好きな色は何ですか?”と聞かれた時、あなたは何と答えるでしょうか。
私は”緑”が好きです。読書で目が疲れたら、窓の外の緑をしばらくぼやっと眺めて癒されます…と私なら答えるでしょう。でも、当然のことながら、人の好みは千差万別です。”青”が好きな人がいれば、”黄”がいいと答える人もいるでしょう。でも、そんなその人の答えに、人は自分の持っているそれぞれの色が持つイメージを自然と重ね合わせてしまいがちです。“青”に開放感や広大さを、”黄”に明るさや幸福を、そして”緑”に若さや癒しを感じるように、色が持つイメージというものは、それを好きだという人の、そしてそれを身につける人の印象をも左右してしまうものです。では、『むらさき』はどうでしょうか。高貴さを感じる一方で下品さも感じさせる、神秘さを感じる一方で不安をも感じさせるという二面性を持った色、それが『むらさき』だと思います。そんな『むらさき』色のスカートをいつも穿いている女が登場する物語がここにあります。そして、それはそんな女をずっと観察し続ける『黄色い』カーディガンを着た女の物語でもありました。
『うちの近所に「むらさきのスカートの女」と呼ばれている人がいる』と書名がそのまま登場する冒頭。『いつもむらさき色のスカートを穿いているのでそう呼ばれているのだ』というその女を『若い女の子だと思っていた』が『決して若くはない』と気づく『わたし』。『うちの近所の公園には、「むらさきのスカートの女専用シート」と名付けられたベンチまである』というその女。そんな女がパン屋で買った『クリームパンを』食べるのを観察する『わたし』。ゆっくり食べる姿を見て『わたしの姉に似ている気がする』と感じます。姉は『むらさきのスカートの女みたいに最後のひと口に時間をかけるタイプだった』という共通点。そして『姉に似ている気がするということは、むらさきのスカートの女は、妹のわたしにも似ているということになるだろうか』と思い、『あちらが「むらさきのスカートの女」なら、こちらはさしずめ「黄色いカーディガンの女」といったところだ』と考えます。しかし、『「黄色いカーディガンの女」が商店街を歩いたところで、誰も気にも留めないが、これが「むらさきのスカートの女」となると、そうはいかない』と女を見る人々の反応が『一、知らんふりをする者。二、サッと道を空ける者。三、良いことあるかも、とガッツポーズする者。四、反対に嘆き悲しむ者』に分かれると分析します。さらに、そんな女が凄いのは『周りの人間がどんな反応を示そうと、決して自分の歩みのペースを変えないこと』とも指摘します。『週末のどんなに人通りの多い時間帯でも、決して物や人にぶつからない』で町を歩く『むらさきのスカートの女』。そんな女の一挙手一投足を細かく観察し続けている『わたし』は、『何が言いたいのかというと、わたしはもうずいぶん長いこと、むらさきのスカートの女と友達になりたいと思っている』とその胸の内を語ります。しかし『いきなり声をかけるのは変だ。ナンパじゃないんだから』と考える『わたし』は『まずはちゃんと自己紹介をしたい』、それは『不自然でない方法で』と考えをまとめます。そして、それは『同じ学校に通う者同士なら、あるいは同じ職場に勤める者同士なら、それが可能と思うのだ』という結論に到達します。そんな『わたし』は、自分の働く職場に彼女を就職させようとあの手この手を使って『むらさきのスカートの女』に働きかけていきます。そして…。
「むらさきのスカートの女」という書名だけならまだしも、本の表紙のとても不思議な、もしくはとてもシュールなイラストにも妙に惹かれるこの作品。冒頭からひたすら繰り返される「むらさきのスカートの女」という表現の頻出ぶりが常軌を逸しているレベルです。これだけ繰り返されると流石に数えたくもなります。
・むらさきのスカートの女 418回登場!
単行本180ページ程度の決して長くはないこの作品において、一回登場する度に11文字も費やし、この表現だけ抜き出すと4,598文字にもなるという圧倒的な物量です。これだけ繰り返して同じ表現が出てくると、これはもうイライラを通り越して、呆れてしまう、もしくはほとんど病的にしか感じられないレベルです。しかもこの頻出する表現で面白いと思うのは、例えば人を表現するのに”背の高い男”だったとしたら、それは恐らくどんな場面でも通用します。しかし、この女は確かに”むらさきのスカート”を穿くことが多かったとしても、それはいつもと言うわけでは当然ありません。なのにいつでも「むらさきのスカートの女」と呼ぶために、こんな面白い一文が出てきました。『昨夜のむらさきのスカートの女が何色の何を穿いていたのか、わたしはどうしても思い出すことができなかった』。ほとんど意味不明とも言える『わたし』の混乱ぶりが現れているこの一文。これをシュールと言わずしてなんと言えばいいのでしょう、という、この作品のある意味での面白さを表した表現だと思いました。
そして、この「むらさきのスカートの女」という表現ですが、平仮名とカタカナと漢字を『の』で繋ぐという視覚的にもとても面白い表現だと思います。そんな表現が頻出するこの作品では、平仮名とカタカナが不思議に混じり合った擬音語、擬態語も多数登場します。
・髪はパサパサのボサボサ
・しゃこしゃこしゃこ、と歯を磨いているような音
・ガブリ、ガブリ、と立て続けに三口
・ペキペキという音を立てながら根元から折れ
・くおー、くおー、と規則的ないびきが聞こえてきた
という感じで、特に歯を磨く表現や、いびきの表現でこのような擬音語、擬態語の表現は聞いたことがないですし、どうして、これが平仮名で、これがカタカナなのか?という視覚的にもとても不思議なインパクトを持っていると思います。そして、その違和感から読書のスピードも安定しません。妙な引っかかりを感じながらの読書は異物感満載ですが、次第にこの文章表現の面白さに気持ちが高揚してくるのを感じます。普段、見ないような表現、リズム感に彩られた文章は、日常使う脳とは違うどこかが刺激されるようにも感じました。そう、ある意味で、日本語の表現の可能性を感じるのがこの作品。それが、この作品の一番の魅力だと思いました。
書名、そして文章表現について見てきましたが、この作品でなんといっても注目したいのは、『むらさきのスカートの女』と『わたし』の関係性です。当初、『むらさきのスカートの女』については『頰のあたりにシミがぽつぽつと浮き出ているし、肩まで伸びた黒髪はツヤがなくてパサパサしている』といった容姿や『ボロアパート』に住んでいたりといったマイナスの印象を与える表現ばかりが目につきます。その印象についつい引っ張られて『むらさきのスカートの女』のイメージを自分の中で作ってしまいがちですが、その印象は次第に変わっていきます。『いつも、パンを選ぶふりをしてむらさきのスカートの女の容姿を観察している』という『わたし』。女が働いているかどうかについて『どんな感じかこれまでのメモで振り返ってみると、去年の九月は働いている。十月は働いていない…』と何故かメモで語れる『わたし』。さらには、『勝手な憶測に過ぎないが、むらさきのスカートの女は男嫌いではないかと思うのだ』と女が男嫌いではないかと憶測とは言え、何故か知っている『わたし』。全くの赤の他人のことをこんなにも詳しく知っていて、『むらさきのスカートの女と友達になりたい』と望む『わたし』。これはもう完全にストーカーの世界です。そう分かった瞬間に『むらさきのスカートの女』と『わたし』の印象が逆転してしまいます。『わたし』が一気に怖いものに変わる瞬間が訪れます。しかし、作品はどこまでいっても、『わたし』視点で執拗に『むらさきのスカートの女』の行動を追っていく場面が続きます。ストーカーの行為、異常性を描いた作品というと、柚木麻子さんの「ナイルパーチの女子会」という作品を読みましたが、あちらは怖いです、ただただ怖くて、ストーカーの恐怖を感じさせてくれました。しかし、同じようにストーカーの行為、異常性が、ある意味で全編に渡って描かれているにも関わらずこの作品から受ける印象は、怖いというよりは”滑稽”です。おいおい!と声をかけてツッコミを入れたくなるような妙に間抜けな『わたし』のストーカー行為。そして、そんな『わたし』には、その結末に見事な、もしくはとてもシュールなどんでん返しが待ち受けていました。なるほど、そう結末させるんだ、と、とても納得感のあるまとめ方。これは上手い!そう感じました。
『もぐもぐ、ぱりぱり。おいしい、おいしい』などの面白い文章表現が頻出し、また一方で『レジでは所長が支払った。モーニングBセットとミルクティーで合計八百八十円だった』とそんな細かいことをいちいち書くかなあ、というように細かい部分に妙な引っ掛かりを感じさせるこの作品。
”むらさき”、そして”黄”というそれぞれの色が持つイメージが読者にミスリードを与え「むらさきのスカートの女」という言葉が一定のリズムを刻み、一方で頻出する様々な文章表現が変拍子を刻んでいく、そんな凝った構成の作品は読者をとても不思議な読書の世界に誘ってくれます。そう、そんな不思議な気分に終始苛まれる読書の時間を与えてくれるのがこの物語、とても印象に残る、そんな作品でした。-
こんばんは、shukawabestです。
418回、よく数えられましたね。笑ってしまいました。もはや読書を通り越して「検証」になっています。...こんばんは、shukawabestです。
418回、よく数えられましたね。笑ってしまいました。もはや読書を通り越して「検証」になっています。「黄色いカーディガンの女」は「むらさきのスカートの女」の微笑ましいストーカーかもしれませんが、さてさてさんも、レビューされている全作品に対するストーカー、いやいや、研究者、評論家なのかもしれません。
今後も、お身体に負担がかかり過ぎない程度に、永く、「濃密なレビュー」楽しませていただきます。2022/11/29 -
shukawabestさん、確かに読書というより、『検証』かもしれませんね。何やっているんだろう…私。でも、今は『黄色いカーディガンの女』も...shukawabestさん、確かに読書というより、『検証』かもしれませんね。何やっているんだろう…私。でも、今は『黄色いカーディガンの女』も数えなかったことを後悔しています(笑)。なんだか、どんどんストーカーっぽくなっていくような?
読後、時間が経ってもいつまでも印象に残り続ける作品群は一定数あります。この作品のように。”あの興奮をもう一度!再読しましょキャンペーン”を企画しようか迷っています。でもそれだと永遠に女性作家さんの作品コンプリートできないし。悩ましいですね。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします!2022/11/30 -
2022/11/30
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私、今村夏子さんのシュールなお話、苦手なんです。
だから皆さんのレビューを読んで、ずーっと避けてきました。でも‥‥避けているようで、いつも横目で見ている‥‥苦手!苦手!と声高に言う分だけ、誰よりも意識している‥‥もう、自分自身が今村夏子ワールドだよ!
“むらさきのスカートの女“
“黄色いカーディガンの女“
名前も知らないけど、よく会う人にこっそりあだ名をつけることはよくありますよね?
私は仕事でよく銀行に行くのですが、窓口でちょいちょい小銭を大量に入金するのです。『私ってきっと“ジャラジャラの女“とかあだ名つけられてるんだろうなぁ』なんて心の中で思ってます笑。
それにしても、やっぱり読んで良かった!面白かった!
黄色いカーディガンの女から見たむらさきのスカートの女の姿が延々語られます。初めは、『ふむふむ、むらさきのスカートの女ってこういう人なんだなぁ』と思って読んでいくのですが、途中から『いやいや、これはあくまでも黄色いカーディガンの女の主観なんだ』と軌道修正させられます。
日常生活の中で常々感じているのですが、同じ人や物事でも見る人によって感じ方がまっっっっったくと言っていいほど違いますよね。
人から聞いた話を鵜呑みにするのは危険だ!と改めて実感してしまいました。
百聞は一見にしかず、やはり自分の目で見て判断すべき‥‥いや、でも、それだって結局は自分に都合のいいフィルターにかけて見ているだけであって‥‥どこまでが真実でどこからが妄想なのか‥‥
結局、今村夏子に手玉に取られている私‥‥今村夏子、恐るべし。
それにしても黄色いカーディガンの女、切なすぎる。私も“ジャラジャラの女“なんて言われてないかもね。誰にも気付かれてないかもね笑。
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こんばんは。夜分に失礼します。
先ほど読み終えました。
不気味ではなく不思議な読後感でした。
たしかに、魅力的ですね、今村夏子さんの作品。
...こんばんは。夜分に失礼します。
先ほど読み終えました。
不気味ではなく不思議な読後感でした。
たしかに、魅力的ですね、今村夏子さんの作品。
僕はこの作品が今村さんの初作品でしたが、ファンにはならなくても、たまに無性に読みたくなる、そんな作家さんなのかなぁ、と感じました。
他のフォロワーさんの本棚でも目にしていたと思いますが、こっとんさんの本棚で記憶に定着した感じです。
ご紹介、ありがとうございました。2022/11/29 -
shukawabestさん、おはようございます♪
不思議な世界でしたよね〜
私もぶっちゃけ、ファンにはならないです笑
今村夏子ワールド大好き...shukawabestさん、おはようございます♪
不思議な世界でしたよね〜
私もぶっちゃけ、ファンにはならないです笑
今村夏子ワールド大好きな方、たくさんいらっしゃいますよね。
でも、私はファンにはなれそうもありません(2回目)
でも、こんなにもたくさんの方の心を奪っているのだから、やっぱり魅力的な作家さんなんでしょうね。
ファンにはならないけど(3回目)2022/11/30 -
なるほど•••、3回目ですか。あと415回、足りていませんが(笑)。
これだけ、複数のフォロワーさんのレビューが楽しかったのは初めてです。本...なるほど•••、3回目ですか。あと415回、足りていませんが(笑)。
これだけ、複数のフォロワーさんのレビューが楽しかったのは初めてです。本当に楽しい作品に巡り合わせていただきました。こっとんさんに感謝するとともに、「僕もファンにはなれません」と繰り返し言いながら、繰り返し読みそうなミライの自分がコワイ。2022/11/30
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「むらさきのスカートの女」というタイトルを見てインパクト強めで面白そうだったので読んでみました。
あらすじはある街での有名人、いつも紫色のスカートをはいているむらさきのスカートの女と友達になりたい女性が主人公です。まあ、ここでむらさきのスカートの女の基本的なプロフィールを。本名は別にあります。髪の毛がボサボサで週一でむらさきのスカートの女専用のベンチでクリームパンを食べています。むらさきのスカートの女に関するジンクスなんてものがあったりと色々不思議な女性です。
この本の魅力は…特にありません。なぜかって?この本は何か事件が起こるわけでもないのになぜか引き込まれるというところがこの本の持ち味でもあります。なんか気になる。
むらさきのスカートをはいているからむらさきのスカートの女だったら私は紺色の制服の女かも(笑) -
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今村先生の作品はまだこの一冊しか読んだことがないので、コメントに挙げてくださった本も読んでみようと思います
コメントありがとうございます今村先生の作品はまだこの一冊しか読んだことがないので、コメントに挙げてくださった本も読んでみようと思います
コメントありがとうございます2024/03/05 -
黄色と紫は正反対の色だと初めて知りました。今村夏子先生はこんな事も考えて小説を作っているんだと思うと益々凄いって事に気がつきました。ありがと...黄色と紫は正反対の色だと初めて知りました。今村夏子先生はこんな事も考えて小説を作っているんだと思うと益々凄いって事に気がつきました。ありがとうございます。これからもひよりさんのコメント楽しみです。2024/03/15
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私も皆さんの感想を読んでて補色の関係を知りました
同じ本を読んでも感じ方が違ってたり、新しい発見があるので、感想を話し合うのも読書の楽しみの...私も皆さんの感想を読んでて補色の関係を知りました
同じ本を読んでも感じ方が違ってたり、新しい発見があるので、感想を話し合うのも読書の楽しみの一つですよね
まだ読んで無い今村先生の本が沢山あるので、読後shokomamaさんのコメントを読みに行くのをたのしみにしてます2024/03/15
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今日一日の朝夕の通勤で読んでしまった。
読みやすくてあっという間に読み終えた。
むらさきのスカートの女と黄色いカーディガンを着た女の話か?
この物語が芥川賞の候補になったというのがよく分からん。 -
人に憧れる。とは、その人になりたい。
ということなのだろう。
その人のためにから、段々自分のために、と変わっていく。自分へと変わっていく。
むらさきのスカートの女は結局どうなったのだろう。
何もわからないまま物語が終わった。
謎のまま、終わった。
紫色というイメージ
黄色というイメージ
色によって表現される人物像。
カーディガンの女の怖さが、
「黄色」で和らげられている。
表紙はなぜ水玉模様なのだろう。
むらさきというより黒に近い色。
表紙の後ろにはりんごの中に宇宙が描かれている。
その宇宙には色が少ない。
明るさも感じるし
暗さも感じる
私はみどりのハイソックスの女
今日も公園の鉄棒の上でピザまんを食べてる。
そして今日も鉄棒の下を子供達が通っていく。
そして今日も影から、みずいろのズボンの女が
私を見ている。
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出会った本まで一緒でした!
「こちらあみこ」が1番好きですが、この作品がハマったきっかけです。
感想の切り取り方が、惹きつけられます。
...出会った本まで一緒でした!
「こちらあみこ」が1番好きですが、この作品がハマったきっかけです。
感想の切り取り方が、惹きつけられます。
みどりのハイソックス。
良きです。探してしまいそう(笑)2022/02/11 -
わき役たちはとてもリアルでした。
世間には多いのかな?闇を感じました。
私は心理学でいう「劇場型イドラ」なので、色々思い出します。
...わき役たちはとてもリアルでした。
世間には多いのかな?闇を感じました。
私は心理学でいう「劇場型イドラ」なので、色々思い出します。
バブル時はよく高級ホテルのバスタオルやアメニティーグッズを持ち帰ってくる人がいました。え!という物まで。2022/02/23 -
マチダひかルさん、コメントありがとうございます。
ごめんなさい。
私、その映画見ていなくて
わかりませんでしだが、
調べてみたところ面白そ...マチダひかルさん、コメントありがとうございます。
ごめんなさい。
私、その映画見ていなくて
わかりませんでしだが、
調べてみたところ面白そうだったので、
また観てみますね!2022/03/28
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表紙だけ見ると、ホラー系かと思いきや内容は違いました。
いや、ある意味ホラーなのかも・・・
近所にいる「むらさきのスカートの女」。
どの町にも一人はいそうなちょっと有名で怪しげな人物。
その「むらさきのスカートの女」をこっそり追いかける「わたし」の視点で語られる物語。
最初は「むらさきのスカート」の女性がヤバい人物なのかと思いきやほんの数ページで気づきました。
「わたし」が一番ヤバい。圧倒的に。
「むらさきのスカートの女」の全てを笑ってしまうほど正確に把握している「わたし」。
話してみたいけど、話せない。なーんか気になる人物って、確かにいるなぁと思いました。
多分この物語には深い意味が込められていて、だから芥川賞を受賞していると思うのですが、私にはその深い意味には辿り着くことはできませんでした。
著者プロフィール
今村夏子の作品






読んでしまいました...ウキウキしました。村田沙耶香さん!!気持ち悪くてやばくて変態な作品の沼にハマって...
読んでしまいました...ウキウキしました。村田沙耶香さん!!気持ち悪くてやばくて変態な作品の沼にハマってしまったので早速チェックさせていただきます♪
最早チクチク新人をいびっているチーフ陣達が「普通枠」に感じてしまい地に足が付かない浮遊感を感じました(笑)波は低いのにジェットコースターの様な中毒性ですね。
素敵な作品を紹介して下さりありがとうございます。これからもよろしくお願いします♪
レビューに共感することはもちろん、表現やワードセンスが私のツボです!笑
コメント失礼いたしました◎
レビューに共感することはもちろん、表現やワードセンスが私のツボです!笑
コメント失礼いたしました◎
えへへ...、クスッとして貰えるのが一番の喜びなのでとて...
えへへ...、クスッとして貰えるのが一番の喜びなのでとても嬉しいです!!また是非遊びに来てくださいね★