鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋

  • 朝日新聞出版 (2020年5月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784022516848

作品紹介・あらすじ

「回答が具体的だから、ストンと胸に落ちます」「語りかけるような言葉が、じんわり心に沁みこむ」「悩んだら、何度でも鴻上さんの言葉に戻る」… 話題沸騰、作家・鴻上尚史氏の人生相談、第2弾!! 観念的ではなく、理想論でもなく、精神論だけでもなく、具体的で実行可能なアドバイスを25本+書下ろし原稿2本=計27本収録!■目次【相談1】母の彼氏が嫌いです。私に彼を受け入れてほしいと願っている母に、どう関わっていけばいいでしょうか(22歳・女性 一合)【相談2】隠居後、孤独で寂しくてたまらず、風呂に入っていると涙が出てきます(66歳・男性 有閑人) 【相談3】すぐにリツイートやいいねの数を比べてしまい、そのたびにひどい嫉妬心にかられてしまいます(29歳・女性 ななみ)【相談4】不機嫌がコントロールできず、態度に出てしまい、「何で場の雰囲気を壊すんや」と旦那に言われます(31歳・女性 あーこ)【相談5】これまで容姿に対する男性の態度・言動に、ひどく傷つけられてきました(25歳・女性 はちな)【相談6】「明日からやろう」と思いながら勉強に身が入りません。「いまやるスイッチ」はどうしたら入りますか? (17歳・男性 麦わら)【相談7】高校2年のとき、勝手にアニメグッズを捨てた親への怒りが53歳になってもおさまりません(53歳・男性 薫ラバー)【相談8】異性とも同性とも一度も恋愛をしたことがありません。こんな私はおかしいのでしょうか?(25歳・女性 よし子)【相談9】みんなの憧れ、クール美女の先輩の鼻から……僕の頭はパニックです(24歳・男性 ろくろう)【相談10】将来の目標もやりたいことも特にない私。人生で何か大切なものを1つ選択できるのかが不安です(20歳・女性 砂糖菓子)【相談11】部長として最低な行動をとってしまいます。どうしたら自分は変われるでしょうか(17歳・女性 一輪車)【相談12】6年間つきあい、別れたのですが、DV体質だった彼への怨む気持ちが止まりません(29歳・女性 そら)【相談13】決断したがらず、選ばなかった選択肢に未練を抱き、し         私の判断を非難することもある妻に困っています(30歳・男性 白山羊)【相談14】容姿が悪く、告白はすべて断られました。でも人生で一度でいいから、男性と愛し愛されてみたい(47歳・女性 サバ缶)【相談15】役者の道を諦めて他の道に進むべきか。鴻上さん、あなたなら私にどんな言葉をかけてくださるのか知りたいです(30歳・女性 あい)【相談16】20歳年下の彼に結婚の意思がないとわかり、失恋と無職……耐えられるかどうか不安です(51歳・女性 ひまわり)【相談17】小学4年?中学2年まで受けた壮絶ないじめが忘れられず、苦しいです(42歳・女性 やなな)【相談18】とても優しくて、ずっと一緒にいたいと思う彼氏がいるのですが、動画を撮りたいという彼の性癖に悩んでいます(26歳・女性 こだま)【相談19】一時の恋愛で息子の人生をだめにしないように、という親心が「毒親」呼ばわりされなくちゃいけないのですか? (62歳・女性 み

感想・レビュー・書評

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  • 鴻上尚史さんの人生相談は
    相談に答える形ではあるけれど
    エッセイのようだ。

    例えば、校則の厳しさに理不尽さを感じる高校生からの相談。
    鴻上さん自身が高校生の時、校則の変更を公約に生徒会長になったそうだ。携帯もない時代に県内の全ての生徒会長と繋がり、
    横の連帯を作り、組織的に変革を成し遂げようとした。結局、組織は一年でなくなったんだけど、行動力には頭が下がる!

    自身にそんな経験があれば、
    高校生にも納得の回答ができるわけだ。

    相手に優しく語りかけ、時にはスパっと、時には肩に手をかけて寄り添い、ともに前を向いていこうとする姿勢がとても素敵。

    子育てなど私の悩みと重なる相談もあり、
    友達よりも客観的で建設的な回答が有難い。

    あの、柔和なお顔と
    軽妙な語り口で実際にお話しているかのような錯覚においちいる。

    あー、鴻上尚史さん、好き過ぎるー!

  • この人生相談の回答から、自分だけの回答を作り上げること。
    その方法でしか、自分の人生は生きられない。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    鴻上尚史さんによる人生相談本・第2弾。

    今回も、なかなかしんどい相談がズラッと並んでいます。
    鴻上さんの人生相談は、まず相談者さんのしんどさをねぎらい受けとめる所から始まります。
    そしてその上で、静かにお悩みを解きほぐし、ほがらかにビシッと歩き出すヒントをくれます。
    だからこそ、読んでいてとても気持ちがよいのですが、今回は相談内容よりもあとがきのほうが、心に残りました。

    「ひとつの相談に答えたら、そのパターンで似たような問題の解決法が想像つくんじゃないかと思っているからです。」(228ページ、あとがきより)

    実はこの人生相談の本は、回答をただ眺めるだけでなく、似たような問題にあたったときに応用して使うための本です。
    ところが実際は、恋愛相談に答えると似た状況の恋愛相談が翌月どっさり、送られてくるのだそうです。
    そんなときの鴻上さんの心境は「僕としては、『う~ん。この内容は、先月と同じなんだけどなあ。アドバイスは類推して欲しいなあ』と考え込みます。」(228ページ)なのだそうです。

    わたしはこのあとがきを読んで、写真家・幡野広志さんの新刊タイトル「他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおこごと」を思い出しました。
    きっと似たような人生相談を送ってくる方は、「自分の方向“だけ”を向いて、答えてほしい」「似ていてもわたしの悩みはあの人の悩みとはまったく違うのよ!」と思って、悩みを送ってくるのではないでしょうか。
    ただ自分に合わせた回答を教えてほしいだけで、「自分で考えることを放棄」しているんだな、と感じました。 

    これは実におそろしいことですよね。
    なぜならこれは意識的・無意識的に関わらず、「問題が起きたら、誰かに解決策を考えてもらって教えてもらえばいいや」と思っているということなのです。
    つまりは、誰かに考えてもらうことを委ね、自分は考えないで生きよう、という道を選んでいることに他ならないのです。

    それは一見ラクな道に見えますが、逆に言えば、誰かがそばにいて考えてくれないと生きられない、つまり一生自立できない生き方です。
    誰かがそばにいるうちは、それでいいのかもしれませんが、人生必ずしもそんな状況が続くとは限りません。

    もし無人島にひとり、取り残されたとしたら?
    もし地球上に自分ひとりになってしまったら?(なるべくそうはなりたくないけれど)

    これは極端ですが、でも現代において「ひとり」になってしまう環境は、たくさんあります。
    なにか問題がおきたときに「ねえ、解決策考えてよ!」といつもいつも頼ってくる人と、あなたは一緒にいたいですか?
    要はそういうことです。

    「自分の頭でちゃんと考えて欲しい。それだけを思っています。」(234ページ)

    鴻上さんのこの言葉を胸に刻み、人生相談の回答を参考にしながら、自分の問題に引き寄せて考えて、生きる道を選んでいきませんか。

  • 作家・演出家の鴻上先生が寄せられた人生相談に答える一冊。壮絶ないじめが忘れられないという悩みから、クール美女の先輩の鼻毛が見えていて気になるという悩みまで内容は様々。相談内容を読んで、自分だったらどう答えるかを考えてから答え合わせをして読み進めるのが楽しかった。考えの違い、知識の深さなどぼくも各回答から勉強させてもらった。

    鴻上先生がどの質問にもその人の感情にまず寄り添って語り始めるところが素敵。正論で人を斬ることが多い世の中で、相手の考えを想像して尊重しつつ、自分の考えもしっかり伝えている姿勢は見習いたい。
    ぼくが特に印象深かった部分を引用しておきます。


    「だらしない人」「努力しない人」というのは、有閑人さんからの見方でしかない、自分の価値観でしかない、それを他人に押しつけてはいけないと、肝に銘じましょう。

    親だろうが夫婦だろうが子供だろうが、基本的に「分かりあえない」という前提でつきあうのが大切だということです。
    だからこそ、ちゃんと言葉を選ばないといけないし、言葉を尽くさないといけないし、会話することを諦めてはいけないと思っているのです。

    僕達は、みんな苦しい人生を生きています。どんな人もです。なんとか生きるエネルギーを絞り出しているのです。そんな時、「否定だけを語る人」「グチだけを言う人」「マイナス思考の人」は、前向きのエネルギーを吸い取ります。誰が、そんな人の周りにいたいと思うでしょうか。
    そういう人は、生きるつらさは教えてくれても、生きる楽しみはくれません。

    その上で、僕が考える「とりあえずの一番の決め方」は「『好き』ではなくて、『後悔する』という気持ち」に注目して選ぶということです。

    どんな決断をしても、100%の正解はないのですから、否定することは簡単なのです。

    「なぜ?」という疑問を追求することが「思考すること」の原点です。

    「忘れよう」とか「許せない」というのは、考えてないですよ。それは「悩んでいる」んです。僕が何度も書くように「考えること」と「悩むこと」を区別するのです。

  • めちゃくちゃ面白い、、安定の読後満足感。

    恋愛をする理由、男性は9割が性欲(笑)、女性は9割が淋しさと見栄(!)、とおっしゃっていて、「えええええほんまやー!!!」と強烈に納得した。笑
    自分は人をもう好きになれないのか?とふと思うこともあったが、なるほど今、自己充足感が20代の頃よりもあるからなのか、と妙に腹落ちした。淋しさもなくなり、見栄も随分とげっそりした。なるほどだからなのか、、すごい。。真理。。いやほんと真理。。そして、こんなに興味関心がなくなった自分はおかしいのか?と周りにいろいろ質問されることで思っていたが、この一文でものすごくほっとした。質問者さんだけでなく、読者にも鴻上さんの優しさが伝播して、救われている人は多いだろうなあ

  • これはいいもの読んだ。いきづらい世の中をいきていくうえで、こういう視点与えてくれるのありがたい。鴻上さんは、相手が一般には非難されるようなことしていても、必ずまず受け止めて、こうなんだね、の後でこういう考え方はどうかな?と提案してくれる。日頃いい態度で常に他人に向かっているとはいえない自分も反省……。 かといって、「いいひと」だけな回答でもないところも、とても好き。おすすめです。

  • 前作に引き続き一気読み、
    悩みは様々あるけれど、その立場から何かできることを見つけて伝えられる能力は凄いと思う。
    人に押し付けるのではなく、何か聞かれたときに、そのようなアドバイスができる人物に自分もなりたい。

  • 第2弾。今回も様々な相談。10人いれば10通りの悩みがある。
    目立ったのは昔のことを忘れられず、モヤモヤ。何なら復讐したいとまでも。
    当事者同士で腹を割って話せるかどうか。出来れば苦労しない…

  • 前シリーズに続き、愛のある冷静な回答で毎度ハッとさせられる。
    悩んだ時にまず物事を客観的に捉えるというのは、とても大切なんだなと教えられる。

  • 自分の頭で考える。

  • 全く違う悩みでも、参考になる考え方がたくさん書かれていると思います。
    鴻上さんが1番重視している「自分の頭で考えて欲しい」ということが、いろいろな提案によりできるようになれば前に進めそうです。
    それにしても演劇をやっていると、こうまでも、いろいろな人の心の動きを観察し、受け取り、導くことができるようになるということが驚きです。
    校則に関する作者の高校時代の行動には、感服しました。そういう若者の気持ちと行動に、きちんと向き合う教師がいてほしいと切に思いました。

  • 鴻上さんの人生相談二冊目です。
    一冊目と変わるところはなく、違う種類・内容の相談に鴻上さんが答える形式です。
    前回のものと基本的に同じ感想で、様々な相談に対して親身にアドバイスしていて、しかも応用できるようなところが少しずつあり、読んでいても楽しい(というと語弊がありますが)ところも良い感じです。

    が。

    一問だけ、少し気になってしまった部分があったので、それについて書こうと思います。

    【相談5】
    「これまで容姿に対する男性の態度・言動に、ひどく傷つけられてきました」というもの

    回答の内容をざっくりまとめると:
    ・ネガティブな人には誰も近づいてこないから、無理せず頑張って笑うこと。無理をしているのは辛いけれど、頑張って微笑むのには前向きな気持ちがある
    ・谷川俊太郎の詩を引用:『無表情に梅割りをすすっている彼女の Tシャツの下の二つのふくらみは コトバをもっていないからココロを裏切って 堂々といのちを主張している』という結び

    それに対して、私が思ったこと:
    まだ若いのだから、と言っているけれど、相談内容全文を見ても、少し疲れすぎて精神的に参っている感じの女性の悩みに対して「頑張って笑え」はちょっと違うかなと感じました。笑うのをやめてしまうのはもったいない、という風に言いたかったのかなと想像しますが、恐らく頑張って微笑んできたであろう彼女に掛ける言葉としてどうなのかな、というのが一点。

    そして谷川俊太郎の詩について、詩歌とは言え、表現としては複雑な想いがしました。
    女性として見られる性であることを自覚し、そこに傷ついている相談者に対して、彼女を傷つけてきた男性からの視点の代表のような内容ではありませんか?
    そう思うのは私だけでしょうか。

    前半、「世の中にはそういう男性もいて、その場合は小学生から精神面で成長していないのと同じ。そうやって自分は女性をジャッジ”する”側で、ジャッジ”される”側ではないと思っている人は、いずれ容姿の若々しさがなくなったころに他人にジャッジされて同じ苦しみを味わう」という主旨のことを言っていてなるほど、と思ったのに、後半でガッカリしました。
    やはり男性と女性の壁は厚いのかなと感じてしまいました。
    詩歌なんだから『二つのふくらみ』くらいいいじゃないか、と思う人もいるかもしれません。
    (私は、そう思ったというだけですので……念のため)

  • 図書館にて。
    質問内容がますます朗らかじゃない笑
    どんな質問にも真摯に、言葉を選んで答えてくれる姿勢が好きです。
    鴻上さんの考えに一貫している同調圧力に対する反発、アンチの意見にはものすごく同意。
    日本の生きづらさを少しでも変えようという意欲が伝わってくる。
    この人の作品を、考えをもっと知りたくなった。

  • 文章が読ませるので、とても読んでいて楽しいです。そして鴻上さんは劇作家でもあるのでその経験もとても生きているみたい。

  • 2024年5月30日読了。図書館で借りた。

  • 第2弾。前回も出てきた「ぶさいく村」、ワタシも住人ですぅ。

  • 他の方の投稿で「質問が(益々)ほがらかじゃない。(笑)」に対して笑ってしまいましたが、鴻上さんはほがらかの姿勢を崩さないですね。

    (全体的に)
    ★こういう相談の返しができると「理想の上司」になれるのかな…あくまで頑張るのは…もしくはその人の人生を生きるのはその人なんだもんね。

    (参考になった、「そうだそうだ!」と思ったところ)
    ★リーダーは情報を流通させる人
    自分だけで決めてゴリゴリ進めるのではない
    ★ブラック校則にしがみつく教員にしろ「手段」(を守り抜くこと)が「目的」になったまま思考停止している
    大企業の崩壊と同じ。
    ★堂々巡りする「悩んでいる」という状態と「考える」は別物

  • ネ申

  • 人生や対人関係に関する深い洞察から助言は、そのお悩みの当事者でなくても参考になるものが多いはずです。悩みの中の第一歩を押してくれる深い言葉から、心の持ち方の具体的ノウハウまで、濃淡多様なメッセージがわかりやすい言葉で伝えられています。そして、全体と通して明るいトーンで語りかけてくださるので、読み手が元気がいただけるのです。

  • 今回は若い人の相談が多い様な気がした。

    相変わらず鴻上さんの回答は優しく的確。
    そりゃみんな相談したくなるわ。

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著者プロフィール

鴻上尚史(こうかみ しょうじ)
作家・演出家。愛媛県生まれ。早稲田大学法学部出身。
1981 年に劇団「第三舞台」を結成し、以降、数多くの作・演出を手がける。
これまで紀伊國屋演劇賞、岸田國士戯曲賞、読売文学賞など受賞。舞台公演の他には、エッセイスト、小説家、テレビ番組司会、ラジオ・パーソナリティ、映画監督など幅広く活動。また、俳優育成のためのワークショップや講義も精力的に行うほか、表現、演技、演出などに関する書籍を多数発表している。桐朋学園芸術短期大学名誉教授。 昭和音楽大学客員教授。四国学院大学客員教授。

「2025年 『サヨナラソング 帰ってきた鶴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鴻上尚史の作品

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