- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022516862
作品紹介・あらすじ
老化・寿命のメカニズムはどこまで解明されたのか。世界の最先端で研究を牽引する著者が何に着目し、どう研究を進めてきたか、実証的に記す。話題のNMNをはじめ、世界で開発が進む抗老化法はどこまで検証されてきたのか。わかりやすく紹介する。
感想・レビュー・書評
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「近年急成長のにアンチエイジング研究」
メディアで拝見する限り温厚な印象の今井教授ですが、大学院生の頃は学会や会議では講演者を質問攻めにして打ち負かし、その一方では、就寝を忘れて失敗を重ねながらも楽しそうに実験をしていたエピソードが面白かったです。
本書を読むことで、今井氏の80年代後半の「細胞老化の研究」から、国内外における「抗老化研究」のこれまでの経緯を知ることができます。そして、近年ではその研究は急速に進んでおり、数年後には次々に研究結果が塗り替えられるという現象が生じています。
おそらく誰でも一度くらいは目にしているだろう、ファスティングをすすめるメディアにある「食事制限をしたアカゲザルは、毛がフサフサになり若返った」という発表がありますが、その結果を簡単には鵜呑みにはできないなと思いました。そのサルの年齢や遺伝子、そして与えていた食事内容によって、研究者が望む結果を生み出すことができるからです。実際に、他の研究者が異なる背景から実験したところ、同じ結果が生じなかったとのこと。
抗老化研究に限らず、ほとんどの実験がマウスなどの動物実験で行われており、著者いわく「実験結果が必ずしも私たち人間にも同じように出るとは限らない」とも述べています。もちろん、皆無ではないとは思いますが。
ちなみに抗老化物質であるNMNに関する情報もありました。本書が出版された時期(2021年7月)で市販されているNMNの中で信頼できるものは国内には2種しかないと言っています。その1つが、著者の今井教授が開発したものであり、購入の際の見極めポイントとしては、その濃度と品質を考慮すべきと書いています。でも、素人にはその見極めが難しそうな感じです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000053898
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老化研究の今が分かります。最前線ではもっと進んだ知見があるでしょう。興味が尽きない。