核のボタン 新たな核開発競争とトルーマンからトランプまでの大統領権力

  • 朝日新聞出版
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022516947

作品紹介・あらすじ

米露中の「新冷戦」といわれる今、核戦争に陥る真の脅威は米国の核政策そのものにある。本書は米国の核の歴史を振り返り、核兵器がもたらす悲劇的結末を避けるために元米国防長官・ペリーらが米政府に政策変更を求めるものだ。同盟国・日本や市民社会にも危機を赤裸々に伝える。

感想・レビュー・書評

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  •  核軍縮を求める内容だが、「核兵器は悪」といった単純な主張ではなく、核戦略や兵器システムの内容を具体的に挙げ、なぜ削減が必要かの根拠を示す。本書の内容は巻末の10点の勧告に集約される。核使用に関する大統領の専権を限定せよ、先制使用と警報下発射を共に禁止せよ、核兵器を第二撃能力に限定し縮小せよ、新STARTを延長し更に踏み込め、戦略ミサイル防衛を限定せよ、などの内容だ。
     その背景として、大統領の個人的資質もさることながら、まず核使用の判断に至る誤情報や情報の不十分さの危険がある(ソ連とロシアによる「ミサイル」誤探知の実例や、トルーマンが広島への原爆投下2週間前に、第一目標は「純軍事的」で、犠牲は「女性や子どもではない」と記していた例は分かりやすい)。また、核兵器システムはサイバー攻撃に脆弱なことや、これまでのそしてINF条約失効後の軍拡はコストが高すぎること、戦略ミサイル防衛を制限しなければ露は軍備削減交渉に応じないだろうことなどが挙げられている。
     日本にとって気になるだろう中国と北朝鮮の記述は少ない。中国については推定核戦力は米露より小さく、米露が核削減すれば軍拡制限に理解を得やすくなる、とある。北朝鮮については巻末の勧告の中で、イランと共に外交で対処し、うち北朝鮮にはまず核放棄を求めるよりも新しい関係構築を模索すべき、としている。

  • 東2法経図・6F開架:319.8A/P42k//K

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