水のように

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  • 朝日新聞出版 (2020年11月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784022517241

作品紹介・あらすじ

NHK朝の連続ドラマ小説「おちょやん」のモデルで、大阪を舞台にした映画やドラマには欠かすことのできなかったバイプレーヤー・浪花千栄子の唯一の著作である自伝的エッセイを復刊。極貧の中で幼少期を過ごし、9歳で女中奉公に出される。大阪の仕出し屋での奉公時代に芝居に出会い、その後京都へ出て、女優となった。渋谷天外と結婚するも20年後に離婚、失意のどん底から、花菱アチャコたっての希望で女優復帰、その後は小津安二郎や溝口健二の映画にも出演し、女優としてさらなる花を咲かせた。「水のように」というタイトルに託した浪花千栄子の人生観とはーー。波乱万丈という言葉でも言い尽くせないほどの半生を回想し、自らの言葉で紡ぐ。

みんなの感想まとめ

波乱に満ちた人生を歩んできた浪花千栄子の自伝は、彼女の幼少期から女優としての成長を描き出しています。極貧の中で過酷な労働を強いられ、感情を押し殺して生き延びた彼女の姿は、読む者に深い感動を与えます。厳...

感想・レビュー・書評

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  • 少し前放映されたNHK朝ドラ『おちょやん』の女優浪花千恵子さんの自叙伝。
    ドラマを越えた艱難辛苦の連続であった事実に驚く。

    幼い子をこんな酷い目に合わせる実父や義母、幼くても使用人であれば当然と課される過酷労働。
    彼女は自分の感覚や感情、或いは意思というものを心の底に押し沈め、封印して生き延びていた。

    嬉しい、悲しい、心地よい、楽しい、辛いという感情を刻むことすら許されなった幼少期。
    よくぞ生き延びて、ご自身を表現する豊かな演技や言葉をご自身のものとされた。

    ドラマでは厳しくも優しかった篠原涼子さん演ずる茶屋のおかみ。現実は過酷で、排水口に流れる米粒を拾って食べることを求められていたことに胸が塞ぐ。

    厳しい出来事の連続でもその後の材木屋での2年間の出逢いが彼女に「愛情」「善意」「教養」というものの美しさを与えたという部分は読んでいて胸が熱くなる。
    こちらの奥さまとの出会いによって、彼女は大切に想われる自分を見つけたに違いない。

    読み書きも儘ならず、家族の愛情を知らず、教養も人脈もない浪花さん。腐ることなく劣等感にまみれることなく、女優の仲間入りをした彼女。
    共演の故沢村貞子さんに科白の「テニオハ」を指摘され、自分の無教養をありのままに晒した潔さに頭が下がる。

    その後劇団の主催者として一心同体だった夫と、面倒を見ていた若手女優から突然の裏切を受ける。

    家族、奉公先、そして選んだ夫にまで裏切られる人生。
    それでも彼女は腐らず歩み続けた。
    流れていれば美しく、そこに命が宿り、人々の営みに豊かさを与える水。
    しかし滞ればよどみ腐り、臭いガスが立ち上る。
    自ら行く手を選び流れる水のように。

    「我慢し辛抱し努力し大成しました」という苦労話にとどまらず、彼女が手にしたもの、失ったもの、手放したものを自ら認めつつ道を選んできた連続が奢ることなく美しい日本語で綴られる1冊。

    何事も力をセーブしながらというのが苦手で常に全力投球してしまうという彼女のバイタリティは時に彼女の味方であり、時に彼女を追い込んでしまう両面あったのは私も同じかな。

    そういうご自身の手を晩年毎晩さすりながら、反省の時と心得て、自分を叱ったり褒めたりされたという表現。愛おしくてたまらない気持ちになり頁を閉じた。

  • だれも見てくれへんかてかめへん、私は、私ひとりの、自分だけの力で、私の花を開かすのや、それでいいんや!
    NHK連続テレビ小説の「おちょやん」のモデルとなった女優
    浪花千栄子さんの自伝です。

    テレビよりずっと厳しくて辛い芝居茶屋だったんですね。お父さんも、本当のクズで子供を金ヅルとしか思ってない人。でも、そんな中でも、本当に救われる温かい人と出会ったり、やっぱりどんな人と出会うかによって、人生が変わるという事を、改めて
    思いました。

  • 朝ドラ『おちょやん』のヒロインのモデル、浪花千栄子さんの自叙伝です。
    幼少期から娘時代の女優修業の経緯と、戦後ラジオドラマでブレイクした後の忙しくも心穏やかな日々についてはかなりつぶさに筆が割かれているのですが、松竹家庭劇から松竹新喜劇時代、即ち二代目渋谷天外と過ごした日々については、夫婦離別の経緯が記されるのみでほとんど触れられていません。これは憎しみを引きずっていると言うよりは、過去の修羅から逃れて今をより良く生きるために語りたくなかったのだろう、と本文の語り口や、京マチ子さんの発言として綴られる以下の言葉から察するばかりです。
    「あなたの心の中で、そのとき殺してもあきたりないと思った人に、りっぱに復しゅうするのは、刃をふりおろすことではなく、一日も早く、そんな人のことは、サラリと忘れ去って、何がなんでも、女優浪花千栄子として、芸の道で成功することだと思うわ。」
    とは言え、天外との役者同士としての関係性は決して悪くなかったことが、本文で天外からの自分に対する評価について言及されていることなどからも伝わってきました。
    なお、朝ドラ第1週でヒロインの両親のクズさ加減が良くも悪くも話題になりましたが、本書に記されている浪花さんの実父も相当の外道ぶりを発揮していることを最後に記しておきます。

  • 朝ドラのおちょやんのモデル、浪花千栄子。子供時代にテレビで見た記憶も甦り、懐かしく読みました。女優として活躍する前の苦労が書かれていましたが、書き尽くしようのない苦労、とても想像しきれるものではないですが、その中で潰されず、暗くもならず、前を向いて生きて行く浪花千栄子。この世代の女性の強さ、いつも背筋がビシッとしている女性、自分の祖母もそんな印象がありました。これから展開する朝ドラを楽しみですし、自分もこんな人間になりたいものです。

    • workmaさん
      朝ドラを見てて、主人公の千代に元気をもらう日々、原作も気になりつつ…未読でした。やらまいかさんの感想を読んで、「読もう!」と、決意しました。...
      朝ドラを見てて、主人公の千代に元気をもらう日々、原作も気になりつつ…未読でした。やらまいかさんの感想を読んで、「読もう!」と、決意しました。ありがとうございました。
      2021/03/20
  • 朝ドラを見て、読みました。
    親や天外さんからの裏切り…
    死にたいと思っても、誰かが助けてくれる。
    それでも、最終的には自分の思いをしっかりもっているから前をむける。
    勇気をもらえた。

  • 浪花千栄子さんの生き様カッコいい。

    辛いときに読み直したい本No.1!

  • 語りかけていただけるかのごとく。
    優しい口調で。

  • テレビ番組を観た後に、読みました。本人の言葉でを振り返りで、よく理解出来ました。本当に苦労されたんですね。そして、いつも前向きに生きた姿が素晴らしいです。

  • ネットでこの本が部分的に紹介されているのをみて、読みたくなった。
    壮絶な人生を送ってきた千恵子さんが、最後自分の手で幸せ(多分)をつかめてよかった。

  • 『おちょやん』が面白いのでついつい読みたくなってしまった。
    私が子供の頃の女優さんなので、おばさん、もしくはおばあさん、そしてオロナインのCMのイメージしかないのだが、幼少期はドラマ同様、ひどい世界で生きてきたものである。
    しかしその後の夫、渋谷天外も相当にひどい男だ。
    それの経験をバネに女優として大成したことは何よりである。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00609100

    NHK朝の連続ドラマ小説「おちょやん」のモデルで、大阪を舞台にした映画やドラマには欠かすことのできなかったバイプレーヤー・浪花千栄子の唯一の著作である自伝的エッセイを復刊。
    極貧の中で幼少期を過ごし、9歳で女中奉公に出される。大阪の仕出し屋での奉公時代に芝居に出会い、その後京都へ出て、女優となった。渋谷天外と結婚するも20年後に離婚、失意のどん底から、花菱アチャコたっての希望で女優復帰、その後は小津安二郎や溝口健二の映画にも出演し、女優としてさらなる花を咲かせた。
    「水のように」というタイトルに託した浪花千栄子の人生観とは――。波乱万丈という言葉でも言い尽くせないほどの半生を回想し、自らの言葉で紡ぐ。(出版社HPより)

  • 2020秋からのNHK朝ドラのモデル、浪花千栄子さんの自伝的エッセイ。
    1965年(昭和40年)発行の古い本で、図書館で借りました。
    古いビデオ映像で多少お顔は知っていましたが、こんなに小さい頃から苦労してきているとは・・・ぬくぬくの自分ではとっくに死んでいるだろうなぁ。テレビなんかの書き方では生ぬるいよね。凄い女一代記。
    この本を書いてから8年後に66歳で亡くなっているので、わりと早いご逝去でしたね。

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浪花千栄子の作品

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