寂聴 残された日々

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 53
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517258

作品紹介・あらすじ

「私の晩年を何よりよく識っているのは、この連載エッセイらしい」--瀬戸内寂聴「私の忘れてしまったことも、この連載エッセイの中には、すべて記録されている。言葉を変えれば、私の九十過ぎての遺言になっているのかもしれない」──災厄の記憶、文人たちの思い出から、若い世代へのエール、コロナ禍での新たな生活まで、まもなく百歳を迎える著者が、いよいよ託す人生の記録。 目次 女流作家の訪れ  続・女流作家の訪れ  防空壕 もう一人の男  春画展に行こう  高橋源一郎とSEALDs  罰か慈悲か  幻人横尾忠則さんの幻画展  明日はしれない今日の命を  老いていく被災者たちは  これからの乙武さん  若草プロジェクト立ち上げ 明日 善い、悪いの命  平和だからこそ阿波踊り  この世の地獄  バカは私  買えなかったランドセル  あの夜 作家の日記 流れる時 百まで生きてやろうか 天台寺晋山30周年記念 幸せは自分で探す ほおずき市から  最晩年の虹の輝き 山尾さん、孤独の出発に自信を 稲垣足穂の机 生きてやろう 2冊の書物の誕生について  朝日賞受賞騒ぎ  みんな先に逝く 寂庵の墓  花祭り 天才の秘書  大才を支えた大器 終の棲家 遺言 二百十日に始まる 老いのケジメ 法臘四十五 この世の命  「この道」と白秋の三人の妻  二月の鬱 まだ生きている  ショーケンとの再会  御大典  女流作家の夫たち ふるさとの夕暮れ 暑い夏  怖れるもの 長生きの余徳 二つの誕生日に 中村哲さんの死 思いだす人々 きさらぎは凶 角田源氏誕生 コロナ禍のさなか 白寿の春に 横田滋さんを悼む 書き通した「百年」

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で巡り合った本。ちょうど、近視眼的な悩みから少し解放されたいと思って本棚をうろうろしていたところ、タイトルが目に飛び込んできた。
    読んでみて、長く生きた人にしかわからない悲しさ(若い人に先立たれること)や、私から見ると歴史上の人物と言えるような方との交流の話など、興味深いエピソードが散りばめられていた。
    良いことも愚かしいことも、ひっくるめて人間だよね、と包み込んでくれる空気がある。瀬戸内源氏物語を読んだ時にも感じたなぁ。

  • 寂聴さんの本を、私は一冊しか読んだ事がない。
    それは釈迦という小説で、ものすごく気持ちを揺さぶられ幾度か読み返し文庫でも買い直したりしている。
     なので、お亡くなりになったニュースは今年1番のショックで、しばらくぼんやりとただ一冊の思い出を反芻している。
     寂聴さん90歳を過ぎてからのこの連載は、自身も書かれている通り晩年の著者の内面をそのままに書き記されていてとても面白くまた切なくもなる。
     今ごろ浄土で、会いたがっていた沢山の人たちに囲まれておしやべりをされていることでしょうと思う。

  • 大好きな江國香織さんのお話しから始まり嬉しかった。
    江國さんのお父さんとお母さんのことを知れた。
    寂聴さんは多くのひとに好かれていて寂聴さんのところにいろんな人が集まるのが素敵。
    こんなお茶目で魅力的な好かれる人になりたい。

  • 交遊関係が広い寂聴さん。エピソードを興味深く読みました。
    励みになる言葉や人生論、参考にしたいです。

  • 94歳になるのに、お身体ぼろぼろなのに、現役の作家とは…畏敬の念
    初めて聞くような言葉の数々。本物の作家は生涯書き続けるという。三島、川端、瀬戸内寂聴。作家って苛酷な職業だよな。とてもじゃないけど作家になりたいとは思わないね。定年がないんだよ。死ぬまで書き続けるとか地獄かよ。瀬戸内寂聴さんは、最後の本物の作家なのか。2020ベスト10に間違いなく入る。ご本人は望んでないだろうけど、長生きしていただきたい。

  • いくら年を取っていても仕事という名の時間を過ごすことが出来ることが幸せか否か。年をとるという事は体は衰えても頭の中は衰えずらい。
    そのバランスが崩れていくのを自分でコントロールできるかどうか。
    だだ、周りの環境により死を常に自覚しなければ、いきてゆけない。んー。これが人となりの道なのか。

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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