北条五代 (上)

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517371

作品紹介・あらすじ

早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直の五代百年にわたる北条氏の興亡を描いた歴史巨編。伊勢新九郎盛時(後の北条早雲)は今川家の内紛を取りまとめ、やがて伊豆・相模を平定する。早雲を継いだ第2代・氏綱は武蔵・駿河にまで進出し、北条家の地歩を固めるが……。

感想・レビュー・書評

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  • 北条氏五代(早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直)の栄枯盛衰を描いた歴史小説。火坂雅志氏が急逝したため、伊東潤氏が後を引き継いで完成させた作品。火坂氏が描いたのは、伊豆千代丸(後の氏康)が修行の旅に出るところまで。その後は伊東氏の手による(軽快さは薄まり、より堅実な筆運びになったように感じるのは気のせいかな?)。

    伊勢新九郎に始まる北条氏の勃興と隆盛、実に面白い。関東近辺の馴染みある地名が多数出てくるのも嬉しいし、NHK八剣伝でも馴染み深い(ちょっと古すぎだな)、関東管領扇谷定正が登場するのも嬉しい。

    司馬遼太郎作品の中でも「箱根の坂」は三本の指に入るお気に入り。北条早雲を巡る物語に外れなしだな。ということで、下巻が楽しみ。

  • 北条にはあまり興味なかったが、これを読んで結構好きになりました

  • 伊勢新九郎としてスタートしたことが有名な北条早雲から始まり、その子・北条2代氏綱、3代氏康まで気宇壮大な人物たちが若い日から成長していく姿が非常に爽快な物語である。上巻は第1部が早雲・氏綱の活躍と氏康の少年時代。第2部は未完で終わった火坂を伊東が書き継ぎ、氏康が日向の国で愛洲移香斎という人物の薫陶を受けて、成長して小田原に戻ったところから関東平定への物語の開始。面白いが、氏康という人物の一貫性という意味では著者が替わったことの影響を感じざるを得なかった。早雲の4男、氏綱の末弟・長綱(幻庵)の名補佐役ぶりの描写が愉しい。北条という姓が鎌倉北条の権威を借りるもので、天皇の承認を得ていた。氏康の母が鎌倉北条の流れを引いていたという記述が本当なのかどうか?興味深かった。

  • 伊勢宗瑞から始まる関東の雄、北条五代の物語。上巻は3代目のJソウル、じゃなくて氏康の途中までだけど、著者の火坂雅志氏が執筆途中で亡くなったため、終盤は伊東潤氏が筆を繋いでいる。で、これがやっぱり明確に違いがわかって、これはこれで面白く感じる。また、五代分を上下巻で描くため、物語の展開は早足になるけど、その分テンポがいいと言える。各代でのキャラ付けも特徴を誇張していて、読みやすく仕上げられているから、初めて北条ものを読む方にもおすすめできると思う。

  • とても面白かった。二人とも好きな作家で、同じ作品を通して読み比べできるのも、なかなか無いので、そういったところも特別なおもしろさの一つだったと思う。伊東氏のパートになって、始めのところは、火坂氏に寄せた書き方から、最後の方は伊東氏色そのものの書き方になっていたと思うが、二人の共作として、見事に完成させたと思う。改めて、火坂氏の早逝は残念だったと思った。

  • 地元なのに全く知らないことばかり。。知っている地名がたくさんでてくるので楽しい。。

  • 北条の出だしからの物語

  • 北条5代の前編。300ページくらいまでが火坂雅志氏、その後を伊東潤氏が引き継ぐかたちで完成させてある。さすが伊東潤である、北条を書かせたら右に出るものはいない。文章も少し火坂氏に寄せているのか、違和感はまったくありません。上巻は3代まで、テンポよく進んでいくのであっと言う間に読み終わってしまいます。

  • 早雲以降の後北条氏を書いた本である。
    火坂氏は執筆中に亡くなられたので、その志を受け継いで伊東潤氏が早雲以降の北条氏を書く。

    早雲は戦国時代の先駆けとなった武将で、関東を次々と切り従えていった麒麟児と言われたが、その治世は民に優しく、遺訓にも、上下万民に対し、一言半句も虚言を申すべからずとした。早雲が理想としたのは、領民の財も命も穏やかであるべしという思想で、数ある戦国大名の中で
    これほど民政に心を砕き、民に慕われた領主もいないといえた。

  • 北条五代のことはあまり知らなかったけど、とても魅力的な一族。
    優れた考え方のもとに、
    軍事経済政治を行っていたことがよくわかります。

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