北条五代 (下)

  • 朝日新聞出版
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感想 : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517388

作品紹介・あらすじ

第3代・氏康は民政面でも敏腕を振るい、伊豆・相模・武蔵・上野4カ国を支配し、北条氏の全盛期を築いた。そして第4代・氏政の治世には最大240万石の領地を保有し、東国に覇を唱える。しかし第5代・氏直の時、豊臣秀吉による小田原征伐が始まった……。

感想・レビュー・書評

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  • 初代早雲庵宗瑞以来、関東に王道楽土を築くべく善政を敷いてきた北条氏。「禄寿応穏」は、民の命と財産を保障することを誓った北条氏の家是だ。

    「民のための政治」を目指し、義を重んじてきた北条氏だが、上杉、武田、今川といった大名、そして真田、佐竹、宇都宮、結城、里見等の国衆との領地を巡る争いが絶えず、同盟しては裏切られ、油断すればたちまちつけ入られ、滅亡と隣り合わせの綱渡り状態が続く。

    下巻は、こうした果てしない戦乱の中で悪戦苦闘する当主、氏政、氏直の苦悩する姿を描いている。

    読んでいて気が滅入る部分もあるが、北条氏が持つある種の清々しさ、潔さが救いになっている。

    "小田原評定" という言葉を思い出した。

  • 北条氏は関東を平定し、3代氏康が引退し、軍事に専念する形で、お館様は氏政へ承継。その頃、上杉謙信(長尾政虎から輝虎に改名)が北関東に侵入し、死闘が続く。武田信玄の応援も頼む中で、政虎との対決。この本では完全に政虎が自らの義を叫びつつ、民の苦しみを顧みない悪役である。真田昌幸、豊臣秀吉もまた。4代氏政、5代氏直と徐々に織田・豊臣の圧力が強まる中での武田・今川・上杉との同盟・対決の繰返しは目まぐるしく戦国の生残り戦には驚くばかり。4,5代の親子に至るまで、早雲・氏綱からの家訓として民の平和を掲げ、「小田原評定」の議論(4代氏政のこれまた優秀な弟たち氏照、氏邦、氏規たち)を通してもそれを貫き、最後は滅びていかざるを得なかった北条氏という爽やかなストーリー!下巻も火坂調が違和感なく伊藤に引き継がれていた。

  • 最後の方は滅亡へまっしぐらのあらすじを読んでいるようで、北条早雲の野望や思いが失われていくのが残念だった。
    物語の中での話だが、政略結婚で結ばれた二人がみんな心の通った夫婦になっているのが救いだ。

  • 3代目の氏康の途中から、氏康、そして最後の当主、氏直での北条家滅亡までのに軌跡を描く下巻。火坂雅志氏の筆を引き継いだ伊東潤氏の筆によるが、2.5世代分の歴史の流れを忠実に詳しく書いているので、かなり詰め込まれた印象を受けるが、物語を未完で終わらせず、完結させた伊東潤氏の漢気に拍手。

  • 後北条5代を描く歴史小説の下巻。

    下巻は全編伊東さんの作品で氏康から氏政に主人公が移り、後半は氏直になります。
    特に氏政の活躍と隠居、小田原合戦に至るまでの氏直の苦悩が良くわかりました。
    何かと小田原評定で馬鹿にされやすい氏政、氏直親子ですが、北条視点からは物語が全く変わりますね。
    氏政は隠居前後では別人のようになってしまったのがちょっと残念ですが、その最期は見事といえるかもしれません。
    小田原合戦だけでも双方の群像劇にすれば長編歴史小説になりそうなので、端折った感は否めませんが結構勉強になりました。

  • 二人の著者のリレーにより、上下二巻の長編が完結。下巻は五代氏直の悪戦苦闘を支える人々の姿が生き生きと描かれ、物語としては切迫感がらい上巻以上の楽しめる。八百ページの長編を読破した充実感・満足感あり。

  • 戦国時代を駆け抜けた北条家の五代にわたる栄枯盛衰を描いた作品。火坂雅志の志半ばとなった作品を伊東潤が感性させた。謎とされていた北条家の創設から五代氏直の時代までを、丁寧に分かりやすく描いている。物語としても面白く、五代の各当主のキャラクターも深掘りされていて現実感がある。ただ、ラスト数十ページの展開、頂点からの転落が、急展開すぎた感が否めない。

  • 氏康、氏政、氏直と北条滅亡までを描く下巻。宗瑞からの『祿壽應穩』であったり氏綱からの義守る事を第一とすべきか、家の存続かと苦悩する場面は特に印象的で読み応えがあった。

  • 氏政・氏直と話は続いていくが、天下を巡って周りが大きく動く中、翻弄されていくことになる。
    今まで積み重なったものが、最後の一章であっという間に崩れていく。まさに「太虚に帰す」という五代の終幕だった。ただ最後の氏政と氏直の会話、「誰も上に頂かず滅亡する」の言葉で救われた気がした。

  • 後半はちょっと難しく感じました。

    色んな人たちの、色んな思惑があったりして、戦って奪い取るしかなかったのかと、みんな、安寧の世を求めているのに戦国の悲しさを感じました。

    北条の作った、民が潤う暮らしは、どうだったのか、民の目線は、北条をどう見ていたのか知りたいと思いました。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『左近(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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