メイド・イン京都

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 268
感想 : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517395

作品紹介・あらすじ

婚約したばかりの美咲が、彼の実家のある京都に移住した途端に浴びる数々の洗礼。また実家で豹変する彼に幻滅し、美咲は昔からの趣味であるTシャツ作りにのめり込む。徐々に美咲は京都の地で個人ブランドの独立・起業への道を歩き始める。自分らしい生き方を模索する一人の女性の物語。

感想・レビュー・書評

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  • わかるような、わからないような。
    ただ、真っ直ぐがんばっている人って気持ちがいいものです。
    物を作り出せるってそれだけで素晴らしいと思います(消費させてもらう一方なので)。

    実際、京都ってあんな感じなのでしょうか?老舗だからでしょうか?

    含みのある終わり方もよかったです。

  • 逆境に立たされた女性が進むべき道を切り拓く その姿に励まされる小説2作 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/669204

    朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:メイド・イン京都
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=22621

  • これは、仕事を持つ女性にとって思うことたくさん出てくる小説かと。
    まず美大に進学した時点でプライドも自意識も美意識も技術もそうとうあったはず。それが在学中に現実を見、就活でくじけてしまう。初めての挫折、それでもきちんと自分の中の何かと折り合いをつけてキャリアを積んできた美咲が、「結婚」という新しい環境へのスタートで躓いていく。なんといっても京都の老舗の跡継ぎが婚約者って、もう苦労しか見えない。
    いくつもあった「もし、あのとき…」という岐路。そのどれを選ぶか、で人生って大きく変わっていく。
    京都、という土地が特別ではあるし、また老舗の跡継ぎが相手だったというのも特殊ではあるし。それはもう、不幸としか言いようがない。
    これ、「美咲が我慢して婚約者やその家族の言うとおりにしていたらうまくいったんじゃないのか」なんてことは多分、ない。文化が違いすぎる。結婚が二人の間だけのものであればそれはお互いに我慢し合い譲歩し合い意見をすり合わせていくだけでなんとかなるものだろうけど、「家」というものがかかわってくると、それだけでは収まらないものがある。いつか破綻していただろう、間違いなく。
    結論から言えば「早く気付いてよかった」なのだけど。その「気付き」の後ろに、大学の同級生圭太の存在は不可欠だったろう。
    学生時代の友だちって不思議なもので、何年経っても何十年経っても素のままで受け入れられる。何者でもなかった自分を知っている存在って、ありがたい。それは年を経るとよくわかる。

    美咲が自分の中にあった才能を開花していく過程に、心から声援を送る。送りながらちらちらと見え隠れする不穏な影にちいさな警報がなる。大丈夫か、大丈夫なのか、と心配になる。そして思わぬ落とし穴。
    終盤の駅の場面。心が痛かった。でもその決断が美咲を一回り大きくしたのだ。
    自分の手で何かを作り出すことって、すばらしい。圭太も美咲も自分の手で何かを作り出すヒトだからこそ、その手につかんだ光がある。
    いくつになっても新しい人生へ踏み出すことができる。それを決めるのは、自分自身。
    何かを選ぶということは、何かを捨てるということで。どこかへ進むということは、別の道を捨てるということで。それを決めるのは自分の権利だ。
    トンネルを抜けた先に見える光る海のような読後感。

  • うーん、私には合わなかったなぁ。
    みんな勝手というかなんというか。
    色々、スムーズにはいかないんだけど、佳太がなぁずっと好きだったって都合が良すぎる

  • 表紙が写真だし、タイトルから京都の工芸品か何かの紹介本かなと手に取りましたが小説でした。
    京都の資産家の長男・和範と婚約し、社長が急逝したため、後継ぎとしてともに京都にやってきた美咲。
    慣れない土地、初対面の和範の家族に戸惑いながらも頑張っていこうとする美咲と、こちらも慣れない仕事、人付き合いに苦労の連続の和範。
    相手を思いやるゆとりもなくなり、少しづつ気持ちがずれていき、失望と失意の中、学生時代の友達と会い偶然が偶然を呼び、オリジナルTシャツを制作することになります。
    美咲は、芸術学校でデザインやテキスタイルの勉強をしていたんですね。
    Tシャツにミシンで刺繍をするというものですが、そのデザインを京都にゆかりのある模様や、デザインにこだわり、一点物を仕上げると、販路は広がりといわばサクセスストーリーではあるのですが、最初に出会ったバイヤーの裏切りや、和範とのいざこざや同級生とのモヤモヤ?や、なんかが絡んできます。
    仕事で成功して恋人も手に入れてって、調子よすぎるやんっていうのはひがみであるとしても、あれほど馴染めず、違和感のあった京都を題材にしたデザインにこだわるというのはやっぱり最後は京都を受け入れたんだなと、うれしい納得。

  • 順調に進みすぎている感はありますが、面白くて一気読みしました。

  • 大好きな京都が舞台のお話しということで手に取ってみた一冊。インテリア関係の仕事をやめ、交際中の和範と結婚するため彼の実家である京都へと向かうところから物語ははじまります。

    彼の実家は京都で飲食店や物販店を運営する会社で、父親の急逝により事業を引き継ぐことになり、主人公の美咲はキャリアウーマンから一転、社長夫人という立場に。

    一見、玉の輿で人生安泰にも見えるのですが、美咲自身はなんとなくの居心地の悪さを感じ始めます。それは仕事を辞めた喪失感や彼の実家で過ごす窮屈さ、姑との心理的な距離などさまざまあるのでしょうけれども、わけても象徴的なのは一章のタイトルにもある彼からもらうお小遣いだと思います。生活の糧は自分で稼ぐという立場から誰かに養ってもらう立場になってしまったことを実感させられるシーンだったのではないでしょうか。まるで籠の中の鳥、、、かな。

    次第に和範との生活は歯車が狂い始め、彼の実家から二人暮らしができるマンションへと移ったものの、ついにはそのマンションも飛び出すことに。

    そんな展開がつづくストーリーではあるのですが、ドロドロの愛憎劇という雰囲気はまったくなく、どこか爽やかな空気感さえまとっているように感じさせてくれる内容でサクサクと読み進めることができました。実際、夜寝る前に読み始めたものの、なかなか読むのをやめられなくなってしまいました。

    多くのものを手放してしまった美咲の未来を明るく照らしてくれていたのは、自身が刺繍をほどこしたTシャツと10年振りに再会した大学の同級生・佳太の存在です。Tシャツのほうはトントン拍子に話しが進みちょっとうまく行きすぎかな、と思わなくもないですが、和範と結婚することになったがために失くしてしまった自己のアイデンティティとして機能していたといえるでしょう。そのわかりやすさが本作を楽しめるポイントなのかもしれません。

  • 女性にとって、結婚して家庭を守り穏やかに暮らすことがほんとうに幸せなのか…

    本人にとっての幸せは、その人それぞれ違うのでそれをみつけることが大切なことだと…

    ここでは「ものをつくる」ことに生きがいを感じ、頑張って成長していく姿に感動した。
    日本ならではのもの。
    手作りのあたたかさ。
    容易ではないが、残してほしいものだと思った。

  • 読みたい本が手に入らなくて隙間に読んだが、意外と良かった。
    手仕事によるものづくりの良さが描かれ、大量生産大量消費の今だからこそホンモノを作ることの意義みたいなものを感じた。
    恋愛部分は作品から惹かれてその後再開してまた好きになって…ここはファンタジー入りすぎかなと。
    あと、京都は観光にはいいけど住むには怖いイメージが…プライドの街やからこそ京都でもあるのか。

  • 美咲・三十二歳。京都の資産家一家の後継ぎ和範からプロポーズされ、京都について来たものの京都のしきたりや和範の家族に苦労する。和範との関係も変化して…。物づくりを始め、和範と離れ自立していく美咲の姿や京都の風景が読んでいて面白い。物づくりできる人、いいなあ。わたしもTシャツはさすがに無理だけど何か作りたいと思った。

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著者プロフィール

藤岡 陽子(ふじおか ようこ)
1971年、京都市生まれの小説家。同志社大学文学部卒業後、報知新聞社にスポーツ記者としての勤務を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。帰国後に塾講師や法律事務所勤務をしつつ、大阪文学学校に通い、小説を書き始める。この時期、慈恵看護専門学校を卒業し、看護師資格も取得している。
2006年「結い言」で第40回北日本文学賞選奨を受賞。2009年『いつまでも白い羽根』でデビュー。看護学校を舞台にした代表作、『いつまでも白い羽根』は2018年にテレビドラマ化された。

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