響きをみがく――音響設計家 豊田泰久の仕事

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  • 朝日新聞出版
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感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517500

作品紹介・あらすじ

クラシック界の巨匠たちが頼った耳がある。東京・サントリーホールからハンブルク・エルプフィルハーモニーの音響設計まで。世界有数のコンサートホールの「響き」を手掛ける日本人トヨタは、いかにして究極の音を実現させたのか。その謎に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • コンサートホールも楽器なのだ。音響設計家という職業を初めて知った。世界各地の名だたるホールで音響設計を担当する一人の日本人についての一冊。多くのマエストロや建築家とのやりとりはさすが新聞記者だけあって読ませる。ゲルギエフの「東京、札幌とウラジオストクの間に、音楽の橋をかける」(p.86)構想が実現されて欲しい。hitaruがバレエ団とオペラ・カンパニーを持つことができたらすばらしい。コロナ禍でクラシック音楽の演奏を取り巻く環境も変わったが、そこでも試行錯誤についても記されており、時宜を得た一冊にもなっている。後年文庫化など版を変える際は現時点で構想段階のものやコロナ後の状況などを増補して欲しい。ただ前半はサクサク読み進めたが後半、特に第6章辺りは前半と同じ内容が繰り返されたり「響き」に拘り過ぎてか同じ内容を言い方を変えた文章が並んでいて読み進めにくかった。勿論響きも大切だろうけど、自分はここではどちらかというと音響が決して良くない例で挙がっているバービカンや名前は上がってないがRAHのPromsなどでも忘れられない感動を得てきた。その場で、その日でしか得られない感動というのはある。こればかりはバレンボイムの例えではないけど晴れの日もあれば雨の日もある。

  • 524-I
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  • 良いホールとは?
    数字ではわからないものがある。
    生演奏の素晴らしさを知っているからこそ素晴らしいホールを設計することができるのだとわかりました。
    素晴らしい演奏があるから素晴らしいホールがあるし、素晴らしホールがあるから素晴らしい演奏もできるし、素晴らしいオーケストラがある。
    上手い指揮者はそのホールでのツボを心得ている。
    ゲルギエフの話ではいろいろと勉強になりました。
    最近はハイレゾなど録音技術の進歩で良い録音も増えましたが、生演奏の感動にはかないません。
    ベルリンフィルのデジタルコンサートホールではデジタル技術の進歩で、日本に居ながら生演奏を聴くこともできますし、
    過去のアーカイブスも鑑賞することができます。
    コロナ禍において以前のような演奏体験はまだ難しいですが、
    早く生での素晴らしい演奏にを聴きに行きたいものです。
    で、ゲルギエフ&ミュンヘンフィルのブルックナーを鑑賞。
    つくづくミュンヘンフィルはブルックナーが上手いと感じ入りました。
    チェリビダッケ、ヴァント、ティーレマンの録音もありそれぞれ指揮者の特徴も出ていますが、
    ミュンヘンフィルの演奏力の高さも実感します。

  • 感性とコミュ力と行動力。

  • 音の評価のためには音楽が必要

    永田音響設計 
     放送技研から独立

    サントリーホール(1986年)
     ベルリンフィル(1963年)と同じヴィンヤード(ブドウ畑)型 客席が360度囲む
     ステージからの直接音より周囲の壁を伝わってくる壁際や2階席に音に味わい
     音の明瞭さ 近代もの、現代ものに適する
     豊かな音とクリアな音は両立しにくいが
      視覚的に演奏者が見えると音がクリアになる
     演奏者と観客との一体感、親近感

     指揮者、オーケストラ、楽器としてのホール との共同作業
      ほかの演奏者の音を聴きにくい?というクレーム
      ホールは何も改善していない 慣れの問題 3~4年かかった 指揮者が鍵

    フランク ゲーリー 建築 日本文化への造詣
     ウォルトディズニーコンサートホール(2003年)
     ピアニスト クリスチャン ツィメルマン推薦でサントリーホール→豊田に 
     ホール内部が決まってから外観のデザイン

    ワレリー キゲギエフ マエストロ
     札幌Kitara からサントペテルブルグ第二オペラハウス(2006年)
     日本公演に同行しオーケストラの配置をコンサル

    1/10の模型でロングパスエコーを試聴して確認し削減

    ベルリンフィル第二ホール
     ミスも聞こえやすい率直さ
     第二演奏者がオケのバランスをとる

    音は消えていくもの
    音響の良さは数値では表せない
     残響時間では決まらない 残響時間はアルコール度数のようなもの

    いいホールは残される
     当時の技術ではシューボックス型のそれほど大きくないのもが結果的に良い音響
     初期反射音が直接音と差が少なく聞こえる 
     ヴィンヤードは客席をグループに分けて席の近くにたくさんの壁
     いいホールにはいいオーケストラ

    ピエールブーレーズ ザール
     ピアノの蓋を取る 直感力
     BARENBOIM ピアノ 弦が交差しない
     テノールとブラスの位置を離す
     歌手を優先してオケの音の指揮による強弱

    作曲者と指揮者はかけ離れたものではない(サロネン)

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