- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022517593
作品紹介・あらすじ
片田舎での暮らしを厭う高校生の奈緒は、東京から越して来た亜矢子と親しくなる。しかし、それを境に村の空気は一変し、亜矢子の口数も少なくなる。疑念を抱く奈緒は、密かに彼女の自宅に忍び込もうとするが……。書き下ろしミステリー。
感想・レビュー・書評
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ラストは困るの一冊。
ごめん。無理。意味わかんない。
主人公の女子高生奈穂と一緒に何度もこれらの言葉が頭に渦巻く。
田舎の老人が支配するある意味一つの絶対社会。エンドレスとも言える陰鬱、理解しがたい世界にうんざり。
そんな奈穂に都会からの転校生 亜矢子はまさに神、眩しい救いの光だ。
そんな二人に忍び寄る不気味で不可解な出来事。
嫌な予感。まさか…。
あぁ、ごめん、無理。そんなこと聞かされても困るが渦巻く。
奈穂の見事な決意には清々しい拍手だけれど…これまたラストは困る。
これ、一体どうすれば良いの⁇
やっぱり、ごめん、無理。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者らしい濃密な内容でした。
田舎の風習というか極端な感じは苦手意識が強いので、読み進めるのが少ししんどかったです。
伏線の回収やはり見事だし、『桃ノ木坂互助会』のような排他的な縄張り意識の表現がとても上手いです。
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福島県の小さな村。村特有のしきたりと排他性、地蔵信仰を重んじる老人たち。東京から移住した亜矢子一家を負の団結で追い出そうとする。同級生になった内部落の奈穂だが、亜矢子と老人たちの狭間に立つ。村の動物や虫たちの気配の変化やよそ者が地蔵に呪いをかけると逆さ吊りの女が現れると迷信的な言い伝え。そして、老人たちが夜な夜な亜矢子の家の庭を掘り起こす。そこには...八つ墓村に似たホラーな展開。古い因習に息苦しく思えてならなかった。そして、うらんぼんが明けてもかえってくれない、今も奥の六畳でぶら下がってると。ゾクッと。
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ラスト10pぐらいにこの本の面白さが伝わってくる。
ホラー映画とかの演出でよくみる、終始どんよりとした画面が、よく伝わってくるお話でした。
あとクラシックをよく聴くのですが、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌがよく似合う小説だとも思いました。
どことなく仄暗くも、里山の綺麗さや亜矢子と奈穂の友情は美しい所もそのように感じました。
こういう訳の分からない恐怖とか、私(奈穂)以外は全て知っているようなものが好きな人は、面白いと思います。
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主人公が、嫌っていたはずの田舎に徐々に囚われていく様子がありそうで怖い。
個人的にはこれだけでも十分な気がしたので、最後に出てくるアレはどうでもいい気が… -
2021年6月朝日新聞出版刊。書下ろし。閉ざされた集落に住む女子高生と村に住む人々の生活と考えが東京からやってきた一家によって影響を受ける。地味な展開が長く続きますが、ラストで明らかにされる事実にちょっと驚きです。村の女性たちの社会のありようが凄い。田舎、自然、農業に川瀬さんらしい斬新な解釈と描写があるのが良いですが、地味な物語であることにかわりはありません。表紙にインパクトあります。
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最後、怒涛の展開。
こんなに頭が切れる菜穂が、この村から離れないのはもったいないなーと思うけど、この先菜穂がどんな長になって村を変えていくのか、気になるので続きが読みたい。
著者プロフィール
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