うらんぼんの夜

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.64
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本棚登録 : 249
感想 : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517593

作品紹介・あらすじ

片田舎での暮らしを厭う高校生の奈緒は、東京から越して来た亜矢子と親しくなる。しかし、それを境に村の空気は一変し、亜矢子の口数も少なくなる。疑念を抱く奈緒は、密かに彼女の自宅に忍び込もうとするが……。書き下ろしミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • ラストは困るの一冊。

    ごめん。無理。意味わかんない。
    主人公の女子高生奈穂と一緒に何度もこれらの言葉が頭に渦巻く。
    田舎の老人が支配するある意味一つの絶対社会。エンドレスとも言える陰鬱、理解しがたい世界にうんざり。

    そんな奈穂に都会からの転校生 亜矢子はまさに神、眩しい救いの光だ。
    そんな二人に忍び寄る不気味で不可解な出来事。
    嫌な予感。まさか…。

    あぁ、ごめん、無理。そんなこと聞かされても困るが渦巻く。
    奈穂の見事な決意には清々しい拍手だけれど…これまたラストは困る。
    これ、一体どうすれば良いの⁇
    やっぱり、ごめん、無理。

  • 読友さんの感想を読んで早々に図書館予約。閉鎖的な田舎村、内部落を守るための掟、監視、お地蔵様。恐怖文学を堪能するにすべて条件が揃った。女子高生の優等生・奈穂、東京から引っ越してきた亜矢子。内部落で起きる不思議な自然現象、認知症老人の発狂、そして警察の死。その真相は何かゾクゾクしながら読んだ。なるほど~そうきたか。という真相だったが、予想は外れた。奈穂をあるいは村を人質に取った亜矢子が内部落で過ごすことを決めたのだが、亜矢子のパーソナリティに違和感を感じる。この村に執着する亜矢子が 逆さ吊り女なのかもね。

  • 著者らしい濃密な内容でした。
    田舎の風習というか極端な感じは苦手意識が強いので、読み進めるのが少ししんどかったです。

    伏線の回収やはり見事だし、『桃ノ木坂互助会』のような排他的な縄張り意識の表現がとても上手いです。

  • ミステリーホラーの良作。序盤から中盤にかけてはもどかしさと憤りを携えながら読んでいたが、後半になって一気に恐怖と驚きにとって変わった。村のしきたりや閉鎖性、老女たちの振る舞いについて単純に嫌悪感を抱いていたが最後にはそれが意味のあるモノだと感じざるを得なかった。亜矢子の思考が180度変わったのも納得。逆さ吊りの女は結局霊だったのね。

  • 福島県の小さな村。村特有のしきたりと排他性、地蔵信仰を重んじる老人たち。東京から移住した亜矢子一家を負の団結で追い出そうとする。同級生になった内部落の奈穂だが、亜矢子と老人たちの狭間に立つ。村の動物や虫たちの気配の変化やよそ者が地蔵に呪いをかけると逆さ吊りの女が現れると迷信的な言い伝え。そして、老人たちが夜な夜な亜矢子の家の庭を掘り起こす。そこには...八つ墓村に似たホラーな展開。古い因習に息苦しく思えてならなかった。そして、うらんぼんが明けてもかえってくれない、今も奥の六畳でぶら下がってると。ゾクッと。

  • ラスト10pぐらいにこの本の面白さが伝わってくる。
    ホラー映画とかの演出でよくみる、終始どんよりとした画面が、よく伝わってくるお話でした。
    あとクラシックをよく聴くのですが、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌがよく似合う小説だとも思いました。
    どことなく仄暗くも、里山の綺麗さや亜矢子と奈穂の友情は美しい所もそのように感じました。

    こういう訳の分からない恐怖とか、私(奈穂)以外は全て知っているようなものが好きな人は、面白いと思います。

  • 主人公が、嫌っていたはずの田舎に徐々に囚われていく様子がありそうで怖い。
    個人的にはこれだけでも十分な気がしたので、最後に出てくるアレはどうでもいい気が…

  • 2021/8/19
    愛してやまない川瀬七緒の新刊。
    ホラーだったよ。
    綺麗な双子さんは逃げて~
    私は田舎の過剰な干渉に寒気がする方の人種なので
    奈穂がんばれ、脱出しよう
    ってずっと思ってたけど川瀬さんはそうじゃないだろうなとも思ってた。
    そうじゃなかったけど奈穂の改心みたいな解決の仕方じゃなかったのが流石。
    結構なお手前。
    奈穂の知識もったいないしな。どんな長老になるのか見てみたい。
    ただ、奈穂が残るのいいと思うけど私はやっぱり住みたくないっス。
    余所者やから入れてくれないだろうけど。
    虫の話にニヤニヤしちゃう。
    先生たちに会いたいです。

  • 2021年6月朝日新聞出版刊。書下ろし。閉ざされた集落に住む女子高生と村に住む人々の生活と考えが東京からやってきた一家によって影響を受ける。地味な展開が長く続きますが、ラストで明らかにされる事実にちょっと驚きです。村の女性たちの社会のありようが凄い。田舎、自然、農業に川瀬さんらしい斬新な解釈と描写があるのが良いですが、地味な物語であることにかわりはありません。表紙にインパクトあります。

  • 最後、怒涛の展開。
    こんなに頭が切れる菜穂が、この村から離れないのはもったいないなーと思うけど、この先菜穂がどんな長になって村を変えていくのか、気になるので続きが読みたい。

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著者プロフィール

1970年、福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服のデザイナーに。デザインのかたわら2007年から小説の創作活動に入り、’11年、『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。ロングセラーとなった人気の「法医昆虫学捜査官」シリーズには、『147ヘルツの警鐘』(文庫化にあたり『法医昆虫学捜査官』に改題)『シンクロニシティ』『水底(みなぞこ)の棘(とげ)』『メビウスの守護者』『潮騒のアニマ』『紅のアンデッド』『スワロウテイルの消失点』の7作がある。そのほかにも『桃ノ木坂互助会』『女學生奇譚』『フォークロアの鍵』『テーラー伊三郎』『賞金稼ぎスリーサム!』など多彩な題材のミステリー、エンタメ作品がある。

「2021年 『スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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