うらんぼんの夜

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.55
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本棚登録 : 375
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517593

作品紹介・あらすじ

片田舎での暮らしを厭う高校生の奈緒は、東京から越して来た亜矢子と親しくなる。しかし、それを境に村の空気は一変し、亜矢子の口数も少なくなる。疑念を抱く奈緒は、密かに彼女の自宅に忍び込もうとするが……。書き下ろしミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • うらんぼん…盂蘭盆会…って言葉が怖い(*_*)
    もうずーっと薄気味悪い話だった。

    他所者を拒む田舎の村…
    お地蔵様に埋まる程の前掛け…
    ラストまで村の年寄りの行動の意味がわからないからついつい読む!
    気持ち悪いけど読む笑

    転校生も不気味、それを見張る老人達も不気味…
    何事もなかったかのような結末は、何も変わらぬ風習で村が続くだろう事を思わせる。

    村人達を人質にすることで奈穂を一生村に縛りつけた亜矢子のしたたかさ。
    なんかわからないけど面白い結末だった。
    この結末が一番しっくりくる気がする…
    しっくりくる…たぶん…

    この村の毒にやられたかしら:(;゙゚'ω゚'):

    日本のホラーってヒタヒタと忍び寄ってくる怖さ?
    この薄気味悪さがなんか好き笑
    夏だしホラー読もうか‼︎

    • 1Q84O1さん
      ホラー祭り( ̄ー ̄)ニヤリ
      ホラー苦手を克服しようとしているあの人にお勧めしておきますかw
      ホラー祭り( ̄ー ̄)ニヤリ
      ホラー苦手を克服しようとしているあの人にお勧めしておきますかw
      2023/05/30
    • 土瓶さん
      ホラーの美味しい季節になってきましたね。
      ほうら、誰もいないはずなのに背後で畳のきしむ音がみしみしと……。
      「振りむいちゃなんねえぞ!」...
      ホラーの美味しい季節になってきましたね。
      ほうら、誰もいないはずなのに背後で畳のきしむ音がみしみしと……。
      「振りむいちゃなんねえぞ!」
      ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
      2023/05/30
    • 1Q84O1さん
      土瓶師匠のレビューがホラーです…(゚A゚;)ゴクリ
      振りむくなと言われれば振りむきたくなる…
      土瓶師匠のレビューがホラーです…(゚A゚;)ゴクリ
      振りむくなと言われれば振りむきたくなる…
      2023/05/30
  • ラストは困るの一冊。

    ごめん。無理。意味わかんない。
    主人公の女子高生奈穂と一緒に何度もこれらの言葉が頭に渦巻く。
    田舎の老人が支配するある意味一つの絶対社会。エンドレスとも言える陰鬱、理解しがたい世界にうんざり。

    そんな奈穂に都会からの転校生 亜矢子はまさに神、眩しい救いの光だ。
    そんな二人に忍び寄る不気味で不可解な出来事。
    嫌な予感。まさか…。

    あぁ、ごめん、無理。そんなこと聞かされても困るが渦巻く。
    奈穂の見事な決意には清々しい拍手だけれど…これまたラストは困る。
    これ、一体どうすれば良いの⁇
    やっぱり、ごめん、無理。

  • 読友さんの感想を読んで早々に図書館予約。閉鎖的な田舎村、内部落を守るための掟、監視、お地蔵様。恐怖文学を堪能するにすべて条件が揃った。女子高生の優等生・奈穂、東京から引っ越してきた亜矢子。内部落で起きる不思議な自然現象、認知症老人の発狂、そして警察の死。その真相は何かゾクゾクしながら読んだ。なるほど~そうきたか。という真相だったが、予想は外れた。奈穂をあるいは村を人質に取った亜矢子が内部落で過ごすことを決めたのだが、亜矢子のパーソナリティに違和感を感じる。この村に執着する亜矢子が 逆さ吊り女なのかもね。

  • 互いを屋号で呼ぶ閉鎖的な福島の農村での生活を厭っているが次代のリーダーを期待されている奈緒。高校一年の夏休み、近所に東京から四人家族が引っ越ししてきて同じ年の亜矢子と親しくなる。都会からの風にわくわくする奈緒だったが亜矢子達には秘密がありそうだし周りの老人達や村の雰囲気が段々おかしくなっていく。排他的な村のジジババ達に反発はするが村への愛はあり、手伝いは嫌だが農業自体は嫌いじゃない奈緒の生活風景がリアル。単なる余所者への反発だけではなく村に伝わる地蔵の伝説が絡んでくるのでこれはホラー展開だな、とわくわくしていたらミステリ方向にくるりと反転。上手かったがやや唐突な流れか。最後の怪異への放りっぱなしは厭な黒さを引きずっていて良かった。

  • 著者らしい濃密な内容でした。
    田舎の風習というか極端な感じは苦手意識が強いので、読み進めるのが少ししんどかったです。

    伏線の回収やはり見事だし、『桃ノ木坂互助会』のような排他的な縄張り意識の表現がとても上手いです。

  • 法医昆虫学捜査官シリーズが好きなので、初めて他の作品を読んでみました。
    虫や農業知識もいっぱいで、色々な角度から楽しめました。

    内容としては、何をどう書いてもネタバレになりそうで難しい…
    ホラーでありミステリーであり、好き嫌いあるかもしれないが、私はとても引き込まれた。
    前半のゾワゾワ感が、後半は別の意味でのゾワゾワ感に変わり、主人公の菜穂のこれからを見てみたいと強く思いました。

  • ミステリーホラーの良作。序盤から中盤にかけてはもどかしさと憤りを携えながら読んでいたが、後半になって一気に恐怖と驚きにとって変わった。村のしきたりや閉鎖性、老女たちの振る舞いについて単純に嫌悪感を抱いていたが最後にはそれが意味のあるモノだと感じざるを得なかった。亜矢子の思考が180度変わったのも納得。逆さ吊りの女は結局霊だったのね。

  • 奈緒の住む大百舌鳥村の古いしきたりとか因習的なもの、まだこういうのがある田舎存在してそうだな…。村から出て行くことを望んでいても、結局無意識にそのしきたりを常識のように感じてる奈緒がちょっとやるせないというか。
    田舎の農家の男尊女卑的なところ(でも老人たちは女ばかりだから、最終的には女性が強いのか?)、内部と他所者をあからさまに区別する排他主義的なところも、実際にまだ存在するんだろうな。

    ストーリー自体は最終的にどう落ち着くのか気になったけど、亜矢子のしたたかさは嫌いじゃない。

  • うーわー、こーわーい。
    村の閉鎖的で時代錯誤な風習や考え方も怖かったけど、真相が怖過ぎる!!
    そしてラスト!
    ぞわっと鳥肌がたった!

  • 福島県の小さな村。村特有のしきたりと排他性、地蔵信仰を重んじる老人たち。東京から移住した亜矢子一家を負の団結で追い出そうとする。同級生になった内部落の奈穂だが、亜矢子と老人たちの狭間に立つ。村の動物や虫たちの気配の変化やよそ者が地蔵に呪いをかけると逆さ吊りの女が現れると迷信的な言い伝え。そして、老人たちが夜な夜な亜矢子の家の庭を掘り起こす。そこには...八つ墓村に似たホラーな展開。古い因習に息苦しく思えてならなかった。そして、うらんぼんが明けてもかえってくれない、今も奥の六畳でぶら下がってると。ゾクッと。

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著者プロフィール

1970年、福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服のデザイナーに。デザインのかたわら2007年から小説の創作活動に入り、’11年、『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。’21年に『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』(本書)で第4回細谷正充賞を受賞し、’22年に同作が第75回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門の候補となった。また’23年に同シリーズの『クローゼットファイル』所収の「美しさの定義」が第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。ロングセラーで大人気の「法医昆虫学捜査官」シリーズには、『147ヘルツの警鐘』(文庫化にあたり『法医昆虫学捜査官』に改題)から最新の『スワロウテイルの消失点』までの7作がある。ほかに『女學生奇譚』『賞金稼ぎスリーサム! 二重拘束のアリア』『うらんぼんの夜』『四日間家族』など。

「2023年 『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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