- 朝日新聞出版 (2023年5月8日発売)
本棚登録 : 191人
感想 : 15件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784022518835
作品紹介・あらすじ
行方知れずとなった夫・羽吉と離縁し、飼鳥屋を営む女主人のおけい。九官鳥の月丸との二人暮らしでお店も順調なある日、おけいの暮らす一帯が大火に見舞われる。何とか逃げのび、「お救い小屋」で暮らし始めたおけいだが……。江戸の暮らしを生き生きと活写し、自分なりにとって幸せとは何かを問う傑作長編小説。
みんなの感想まとめ
多様なテーマが交錯する物語で、江戸時代の飼鳥屋の女主人おけいが、大火によって生活が一変する様子が描かれています。彼女は、逃げる途中で知り合いから託された口が利けない娘・結衣と共に、新たな生活を始めるこ...
感想・レビュー・書評
-
「ことり屋おけい 探鳥双紙」の続編。
調べてみたら、前作を読んだのは2014年だった。
ボヤッとしか覚えていないが特に支障はなかった。
羽吉と離縁し、羽吉が残した飼鳥屋を一人守ってきたおけい。カナリヤの番(つがい)を買って行った武家らしき老夫婦が、しばらくして何故か番屋を通してカナリヤを返してきた。
不審に思い調べようとしたが、その直後大火事で焼け出されてしまう。
店の鳥たちをなんとか一緒に避難させ、逃げる途中で知り合いの定町廻り同心・永瀬からある理由で口が利けない娘・結衣を託されるが、火が収まっても永瀬の行方は分からないままで…。
ここ最近日本各地で様々な災害が起きている。そういう時に生き物を生業として扱っている方々の苦悩を感じた。
自分の家族すら助けることが出来ず亡くしてしまったり行方知れずになってしまう方がいる中で、もちろん全ての生き物は大切な命なのだけれど、鳥たちすべてを避難させることの難しさ。
周囲の人たちと同じ立場なら、苛立っておけいに敵意を向けてしまうかもしれない。
かと言って焼け死ぬと分かって置いていけというのも酷い。何が正解なのかは分からない。
せめて九官鳥の力丸が周囲の人々を救い和ませてくれて良かった。
元夫の羽吉が現れ、どうなることかとハラハラした。おけいが一緒になったくらいだから良い男なのだろう。だが前作のレビューを読み返してみるに、やはり感情的な男のようだ。
だが一方でおけいも頑ななところがあるので似た者夫婦だったのかも知れない。
隣の籠屋の女将おとせや古着屋の八五郎と息子・長助、医者の沢渡に鳶の左之助、偏屈だが味方の曲亭馬琴などおけいを助けてくれる人たちがたくさんいる中で、茶屋時代の同僚・おしなが見せる厭らしさは、様々な不満や苦しさ切なさの表れのようで辛かった。
終盤は永瀬・結衣親子の抱える事情のその後、おけいを始めそれぞれの再出発、カナリヤを返してきた老夫婦の事情など盛りだくさん。一気に物語が動き出して忙しい。
苦しい話もあればほっとする部分もある。永瀬とおけいのその後は思った通り。まだまだ時間がかかりそう。
馬琴先生は怖いとか偏屈だとか言われているが、今回の作品の馬琴先生は優しかった。
また十年後くらいに続編が出るのかどうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小説トリッパー2018年冬号〜2021年秋号掲載のものに大幅な加筆修正を行い2023年5月朝日新聞出版から刊行。長編。
大火にあってしまい、それでも鳥を助け、人を助け、わからなくなった人を探しといろいろなことがおこり…というそれなりの展開なのだが、どうも受け入れがたく、感情移入もできず、深みにかける通りいっぺんな展開にしか思えなかった。残念。そういえば、前作のことり屋おけい探鳥双紙もあまりふるわなかったような。比べてみようかな…。 -
ことりや のおけいさんシリーズ2
行方不明の夫と再開できたけれど、切ない理由により離縁することになった前作
おけいさんの小鳥への愛情が優しい
『ここにいる鳥たちは、皆、大切な子で す。命を持っているんですもの』
飛べぬように羽を切られた籠の鳥たちは、人を癒してくれる、だからこそ、小さな命を尊ぶことが大切なのだ。
命を預かることをきちんと知ってほしい。
カナリヤの番を返してきた夫婦の結末が切なく悲しい。 -
江戸で飼鳥屋を営むヒロイン「おけい」が、大火に見舞われて焼け出され、多くの人々とともに「お救い小屋」(公的な避難所)で暮らすことになり……という話である。
江戸の人情小説であり、3・11後の避難所と重ね合わせずにおれない災害小説でもある。また、殺人事件の謎を解くミステリーでもあり、鳥好きにはたまらないだろう動物小説でもある。
さらに、ヒロイン・おけいと2人の男を巡る、“大人の恋愛小説”でもある。重層的な魅力を持つ長編だ。 -
失敗した。前作読んでいない…
やっぱり人間が一番コワイ。 -
小鳥やおけいシリーズ。
飼い鳥屋を女手一つで営むおけい。夫とは訳あって別れたまま。
それでも良い客や近所の人たちに恵まれなんとか暮らしていた。
そんなある日火事が起き、住んでいた町を含む土地一帯が燃え尽きてしまう。
なんとか小鳥たちを連れて逃げ出す事ができたものの、その後のくらしの目処は立たないまま。
これからどうしたらよいのか悩むおけい。
そんな所に別れたはずの夫が現れ、やり直そうと言い出す。
家事で大事な店を失い、先の見えない日々を送るおけいの悩む姿を描く作品。
ラスト新たな目標を掲げて歩き出すおけいが清々しい、 -
読みやすかった。内容的にも突き詰めたものではなかったので疲れずに読み進めた。鳥の話も多かったけど、火事の話でもあったから避難の状況とか・・・
言葉の出ない子供の話もあったりとか、なんかけっこう盛沢山だったかな ^^ -
一途ってのか一本気ってのか、おけいさん、過ぎたるは猶及ばざるが如しと言います。小鳥たちへ愛情を注ぐ、生き物の命を等しく慈しむ、分かります。立派です。でもね、大火災に直面したあの場面で、あなたの周りには高齢者や幼い子、身体の不自由な人がいなくはなかったでしょう。小鳥と心中覚悟もなにも、いくらか弱い女の身であろうとも、お若いあなたは、手を差し伸べるべき「ヒト」がいらしたはずです。現にあなたが敬愛する永瀬さまは我が身を賭して「ヒト」の命を救われた。まして他人を巻き込んで小鳥の命を救うとは。私には理解できません。焼け野の雉も夜の鶴も梁の燕も、守るのは我が子であってほかの種の動物ではないんです。
-
すでにもう十分辛い境遇なのに、次々と困難が襲ってきて辛い。皆が極限状態の中で、人の醜さも優しさも色々出てくるけど、切羽詰ってるからこそ、優しくばかりも出来ない気持ちも分かる。それでも気付かぬうちに支えられてる、人の心の温かさを感じられる内容になってます。朴念仁との想いのやり取りも素敵。
-
続編~!
大火事で焼け出される飼鳥屋のおけい。なんとか無事には逃げ出すが・・・。
話を聞かないおけいに若干いらっとするんだが、面白かったです。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
梶よう子の作品
