- 朝日新聞出版 (2023年6月7日発売)
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感想 : 40件
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Amazon.co.jp ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784022519085
作品紹介・あらすじ
三十年前に別れたままのきみが凍死体となって発見され、わたしの中であの町での思い出が甦る――文芸界最注目の新鋭が、前代未聞の手法で叙情的に紡ぐ、切ない恋情。貧困・警備員腐女子生活を半私小説的に描く「ベイビー、イッツ・お東京さま」を併録。「君の六月は凍る」――30年前に別れた君が凍死体で発見されたと聞き、わたしはあの町での君との記憶を呼び覚ます。鶏小屋の前で、私たちは会っていた。お互い孤独だったわたしたち、初めて訪ねた君の家にはZがいた。学校の鶏小屋で生まれたばかりの鶏の子供を、君はある日連れて帰った。「鶏に名前はいらない」しかしある日、養鶏場で鶏の病気が発生する――わたしは忘れない、別れの時に、君があげた叫び声を――。名前につきまとう性別のニュアンスをあえて削ぎ落とすという試みを、叙情豊かに描いて絶賛を浴びた傑作。
みんなの感想まとめ
切ない恋情と記憶のフラッシュバックが交錯する物語が描かれています。30年前に別れた相手が凍死体となって発見され、主人公の心に秘めた思い出が蘇る様子が、独特の二人称の語り口で表現されています。愛情と依存...
感想・レビュー・書評
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「君の六月は凍る」冒頭から切ない気持ちで読み始め、二人称小説の語りかけてくる独特な雰囲気に引き込まれた。
「ベイビー、イッツ、お東京さま」表題作とは正反対のような雰囲気に圧倒される。
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小説トリッパー2022年冬季号君の六月は凍る、2020年春季号ベイビー,イッツ・お東京さまの2編を2023年6月朝日新聞出版から刊行。六月は凍るのラストで明らかになる事実は唐突。タイトルがアイデアの源流そのものの話のようで、納得できない思いが残る。その点、ベイビー,イッツ・お東京さまの展開は緊張感があり、秀逸で、インパクトがある。こちらが好み。
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君の六月は凍った。すごい、すさまじい。
これは、恋…?ラブレター?熱烈な 性愛と友愛のあわいの、えもいえぬ感情が描かれている。
依存と自立、内と外(弁慶)の、ああこの感じすごくわかる…!(私は甘えたの方なので)そしてこの、居心地のわるさというか、いたたまれなさというか。あなたの知る私は半分だけ、と言った、ダーシー(ハートストッパーS2)だ、これは。いろいろと、ほんとうにいろいろと無限に、妄想してしまう。感情が…推しカプすぎる…バッドだけどグッドな。
誰もが持っていて、奥底に、忘れ…たくてしまっているような、こう、隠したい、後ろめたい記憶のような、でも穏やかで、フラッシュバックするようなものではなくて…そんな思い出とも呼べるかわからない思い出をくすぐられた。あああ…
そして満を持して、ベイビー、イッツ・お東京さま。これは…私、か…?以前これは私小説だと書いてらして。こんなに曝け出し…とも違う、素直に?描けるものなのだ、と、王谷さんの筆力をに圧倒された。生きづらさ、っていうともうその言葉で片付いてしまうのだけど、違うんだよ〜(違くはない)本当にこう、なんか噛み合わないというか、ここじゃないどこかがこれじゃない何か別の選択肢があったんじゃないかとか、後悔とか不安とか、全部全部感じてることがリンク…共鳴して、辛いけど笑っちゃう、ような。個人サイト、相互リンク、拍手返信反転の全部ぜんぶ、もう、なんていうの、気恥ずかしさてんこもりで、にっこり。もうこの私の括弧いっぱい使っちゃう感じ。永遠にこう。 -
2023年6月
事前情報として、登場人物の性別が明かされないと聞いていたので、なるほど男女、女女でもありあるな、と思いながら読んだ。
でもよく考えたらこの物語は性別はとくに必要条件ではなかった。必要なのはケイフンと汗のにおい。作者はむしろ必要な要素を足りないことのないよう厳密に選んで書ききっているのだと思った。
「ベイビー、イッツ・お東京さま」は「完璧じゃない、あたしたち」が好きな人には特にオススメ。 -
ババヤガの作家さん、、、短編2つ。
私と君の物語。恋⁇ -
ひりつく。読み進めるのがちょっと怖い。
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男女の恋愛ものより同性同士の恋愛を好むというは、趣向の問題だ。当たり前のことだけど。
その当たり前のことを踏まえた上で、自分は多分にジェンダーにこだわった読書をしているのだと改めて感じた。
『君の六月は凍る』は性別を明確にしないことで、ジェンダーでラベリングされない小説でありうるのと同時に、この本について語るときにジェンダーについて言及せずにはいられなくなる小説だ。
今まで自分がいかに、人間の関係性を考える際に、ジェンダーに重きを置いていたか、思い知らされた。
『ババヤガの夜』のふたりの関係は、「愛ではない」と本文で明確に記述したところで、読者はシスターフッド小説とジェンダーに基づいたラベリングをしてしまうし、愛ではない、と強調することによって、愛以外ではありえないとすら思えてしまう。
今作では、性別が特定出来ないように書くことで、読者は好みの性別を当てはめて読むことができるし、王谷さんも、君とわたし、BとZが、どの性別でも成立するように書いている。
BLや百合、LGBTQ小説とラベリングされることから離脱し、君とわたしは「君とわたし」でしかない、世間(=読者)から干渉されない関係性を成立させている。
乾いた文体が紡ぐ、生々しい人間の生活の痕跡。
君の慟哭は君ごと氷のなかに閉じ込められ、わたしの瞳を貫いて、記憶を溶かす。
美しいイメージと、その背後にある生々しい現実。
「君の六月は凍った。」
この秀逸な書き出し。そして最後の段落への繋がり。
凄まじい小説を読んでしまった、と読後は呆然とした。
忘れられない一冊になりました。
あと同時収録の『ベイビー、イッツ・お東京さま』について少し。
『君の六月は凍る』との共通点は、生々しさと匂い/臭いだろう。匂い/臭いによる生々しさとも云える。
主人公が遭う性被害の醜悪さは、どれも読んでいてしんどくなるものばかりで、ぶつん、の意味することが分かるとき、悲しいくらいの納得と絶望と、でも生きている、という感情でぐちゃぐちゃになった。 -
んー、ちょっと、なんだったのか、よく分からなかった
文章は面白い -
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少年の初恋と美を失ったオタク女子の物語
もはやジェンダーレスの世界と思っているけれど、日常での認知度はまだまだ低い
魅力のある子は自分の“好意”に忠実に従い、興味のあることや人にグイグイいく描写に納得 -
ずっと心の奥底に眠っていた感情を
激しく揺さぶられてしまった。
初めて誰かを好きになったときの
戸惑い、痛み、もどかしさ、哀しみ。
自分で自分の感情を持てあまし
いつも、何にでもいらだったりして。
本を閉じてからも
しばらくひりひりと胸が痛かった。
そして、もう二度と
あの頃には戻れないことを思い知る。 -
何を伝えたかったんだろ?
感銘も何も受けない作品だった -
「君の六月は凍る」と「ベイビー、イッツ・お東京さま」の中編ふたつ
どちらも面白かった 君六は純文テイストで
東京さまは新らしい感じのというかオタク語りに共感した
一冊で二度美味しい王谷晶だった -
表題の『君の六月は凍る』と『ベイビー、イッツ・お東京さま』の二本立て。
どちらも匂い立つ(いい意味ではない)感じで、記憶に残りそう。
『君の六月は凍る』は登場人物の名前も性別もはっきりせず、読み手に想像させるのだが、それでも他人に抱く恋慕や恨みにも似た怒りというものは、そういう前提がなくてもスッと入ってくる感じがした。
『ベイビー、イッツ・お東京さま』は、主人公がTwitterやエッセイで読む王谷晶さんそのままで、「自伝?」とも思ってしまった。他県の田舎住まいとしては、東京は光の街のように見えるのだが、なるほど「メトロポリス」と「ゴッサム・シティ」ね。わかりやす…。『君の六月は凍る』でも大橋を境にそんな感じの位置付けになってたな。
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