C線上のアリア

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  • 朝日新聞出版 (2025年2月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784022520357

作品紹介・あらすじ

育った家がごみ屋敷となり果て、久しぶりに戻った美佐。家を片づけていく過程で金庫を発見する。そこからひもとかれる、家族にさえ言えなかった叔母の秘密とは……。朝日新聞連載時から話題! 湊かなえが新たに挑む、先が読めない「介護ミステリ」。

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、親の『下の世話』ができるでしょうか?

    厚生労働省の調査によると2023年度末の要介護、要支援の認定者数が約708万人に達したようです。2000年にスタートした介護保険制度の認定者数が約256万人であることからすると、その数が大きく膨らんできていることがわかります。それは介護する側、される側が誰にとってももはや他人事ではないことを意味しているとも言えます。

    このレビューを読んでくださっている方の中にも”介護現在進行中です”、そうおっしゃる方も多々いらっしゃると思います。そして、その多くが『女の役割だ、という声』の先に女性の方が担っていらっしゃるのではないでしょうか。

     『男に母親の下の世話はできないよ』

    そんな言葉の先に『介護』の日々を送る中、さまざまな思いが去来する女性たち。

    さてここに、『認知症』を患う叔母の元へと向かう一人の女性を描いた物語があります。そんな叔母に隠された過去の秘密を垣間見るこの作品。そこに男性の身勝手さを見るこの作品。そしてそれは、7つの『C』が紡ぎ出す”介護ミステリ”な物語です。

    『結婚して以来、二十数年ぶりの訪問となるが、あの町は、家は、森は、そして、弥生さんは…、私を迎え入れてくれるだろうか』と、『高校の三年間だけ過ごした家』へと向かうのは主人公の美佐。『中学三年生の夏に両親を交通事故で亡くした』美佐は『高校進学のタイミングで』『山間の人口三〇〇〇人ほどの町に住む、母の二つ年下の妹である叔母、弥生さんと暮らすことに』なりました。『私が生まれた頃くらいに旦那さんを亡くし』、『旦那さんの生家』、『「みどり屋敷」と呼ばれる家』で『一人暮らし』をしている弥生。『両親の通夜の日に行われた親族会議で』美佐が『やっかい者扱いになる前に保護者として立候補してくれた』弥生。そんな弥生について、役場から『不衛生な服装で外出されている姿も見られますし、近所を通りかかった方から、家から異臭が漂っているという連絡がありましたので、一度、様子を見にきていただけませんか』という連絡を受けた美佐。『子どものいない弥生さんにとって一番近い親族は私になるが、私がいなければ、役場の担当者は誰に連絡を取ったのだろう』と思いつつ、『こちらも、なかなか家を空けられない事情がありまして…』とかわして『電話を切った』美佐でしたが、『認知症の症状も見られるので』とかかってきた再びの連絡に『わかりました、と答えるしか』ありませんでした。そして翌週、弥生の家へと向かう美佐は、『みどり屋敷と呼ばれていた懐かしい家に到着し』ます。『知らない人が見ると、廃屋だと思うのではないか。子どもなら、幽霊屋敷。だが、廃屋や幽霊屋敷なら、生ごみの臭いはしない』という『みどり屋敷』を見る美佐は『マスクを持ってこなかったことを後悔しながら、ハンカチで口と鼻を押さえて』門をくぐります。『石畳を覆い隠すほど転がっている欠けた植木鉢や空き瓶』の中を『足をくじきそうになりながらようやく』玄関へと『辿り着くものの、ドアホンを押せない』美佐。『玄関ドアの前には』新聞の『バリケードができてい』ました。『弥生さんは本当にここに住んでいるのだろうか』と、『玄関から入ることはあきらめて、中身を確認するのが恐ろしい土埃のたまった黒いポリ袋の山に体が触れないようにしながら、庭に向か』う美佐。そこに『弥生さんが立ってい』ました。『みすぼらしく年老いた姿を覚悟していた分、我が目を疑った』という美佐の前に『白髪頭とはいえ、長い髪をおだんごにまとめ、化粧もしている』弥生は『あら、美佐ちゃん、おかえりなさい』と『笑顔でそう言ってくれ』ます。『認知症の症状が見られる、ということだったが、ひとまず、結婚式以来二十数年、顔を合わせていない私のことを憶えてくれていた』と安堵する美佐。そんな美佐に『テストどうだった?』と耳を疑うようなことを訊く弥生。『何のこと?』と返す美佐に『期末テストよ。今日は数学と英語だったんでしょう?…』と言う弥生の言葉を聞いて『一緒に暮らしている高校生の姪っ子が学校から帰ってきた、と思っているのか…』と思う美佐は、『数学はたぶん赤点。でも、英語は満点に近いと思う』と『当時と同じ返事をしてみ』ます。それに『充分じゃない。美佐ちゃんはスチュワーデスを目指しているんだから』と『再現ビデオのように同じ台詞を返』す弥生。『その後、しばらく』『遠く、空の彼方を見つめ』、その後、現在に戻ってきた弥生に『生ごみを外に出しっぱなしにしてたらダメじゃない。捨ててこようか』、『ダメよ!』『堆肥にするんだから』等会話する美佐は弥生に語りかけます。『弥生さん、施設に入ろう。他人にお世話になるためじゃない。弥生さんが尊厳を持って生きられるように…』。弥生を施設へと入れ、ごみに埋もれた『みどり屋敷』の片付けをスタートさせた美佐はやがてあるものを見つけます。そんな先に弥生の過去に隠されたまさかの物語が描かれていきます。

    2025年2月7日に刊行された湊かなえさんの最新作でもあるこの作品。”発売日に新作を一気読みして長文レビューを書こう!キャンペーン”を勝手に展開している私は、2024年12月に瀧羽麻子さん「さよなら校長先生」、年明け1月には村山由佳さん「PRIZE」と彩瀬まるさん「嵐をこえて会いに行く」の二冊、というように私に深い感動を与えてくださる作家さんの新作を発売日に一気読みするということを毎月一冊を目標に行ってきました。そんな中に、”イヤミスの女王”と言われる一方で「ブロードキャスト」など”青春物語”にも定評のある湊かなえさんの新作が出ることを知り、これは読まねば!と発売日早々この作品を手にしました。

    そんなこの作品は、内容紹介にこんな風にうたわれています。

     “育った家がごみ屋敷となり果て、久しぶりに戻った美佐。家を片づけていく過程で金庫を発見する。そこからひもとかれる、家族にさえ言えなかった叔母の秘密とは…。朝日新聞連載時から話題!湊かなえが新たに挑む、先が読めない「介護ミステリ」”

    上記でも触れたように、湊かなえさんと言えば”イヤミスの女王”と呼ばれることもあって”ミステリ”が売り物の作家さんという印象が強い方です。しかし、ここに記された”介護ミステリ”という煽り文句が意味するところは今ひとつピンときません。とは言え、冒頭で触れた通り『認知症』を患う叔母が『ごみ屋敷』の中に登場する場面から始まるなどこの作品には『介護』の現場が色濃く描かれていくことは事実です。

    では、まずは「朝日新聞」2024年4月1日から10月31日に7ヶ月に渡って連載されたこの作品のこだわりを感じさせる書名から見ていきましょう。

    この作品は7つの章から構成されています。そして、その書名はバッハの管弦楽組曲第3番第2曲をヴァイオリン独奏のために編曲して作られた「G線上のアリア」という作品のタイトルをベースにしているものと思われます。「G線上のアリア」はヴァイオリンの4本ある弦の中で最も低い”G線”のみで演奏できることからこのような通称が付けられています。一方の湊かなえさんのこの作品は7つの章題のすべての英単語の綴りが『C』から始まることが特徴です。目次を見てみましょう。

     ・〈第一章 チェーン(chain)〉
     ・〈第二章 コード(code)〉
     ・〈第三章 カバー(cover)〉
     ・〈第四章 キャビン(cabin)〉
     ・〈第五章 チェンジ(change) 〉
     ・〈第六章 クライム(crime) 〉
     ・〈第七章 ケア(care)〉

    はい、一目瞭然です。7つの英単語のすべてが『C』から始まっています。一見、『C』から始まる英単語を単純に並べただけ…にも思えますが、そこは湊かなえさんです。当然のことながらこれらの英単語に意味を持たせていきます。というより、各章の内容を一言で言い表しているとも言えるのがこれら7つの英単語なのです。例えば、冒頭の『chain』に注目してみましょう。この英単語は”鎖”を意味しますが、人間関係の繋がりを表す場合にも用いられます。物語は、『中学三年生の夏に両親を交通事故で亡くし』、『高校の三年間だけ』叔母の弥生の家で過ごした過去を持つ主人公の美佐が、役場からの連絡を受けて『認知症の症状も見られる』という弥生の元へ二十年ぶりに訪れる場面から始まります。この辺りを『chain』という言葉で表しているのだと思います。このような感じで他の6編もすべてその章に描かれていく内容が英単語に象徴されています。

    そんなこだわりの章題を冠した〈第一章〉は、叔母の家の現在のすさまじい有り様を描くことで、冒頭から読者の興味を鷲掴みにしていきます。それこそが、生々しく描かれる『ごみ屋敷』と化した弥生の家が見せる惨状です。

     『不衛生な服装で外出されている姿も見られますし、近所を通りかかった方から、家から異臭が漂っているという連絡がありましたので、一度、様子を見にきていただけませんか』。

    そんな連絡を唐突に受けた美佐は、別途伝えられた『認知症』という言葉も気になり重い腰を上げます。そして向かった先が、『みどり屋敷と呼ばれていた懐かしい家』です。しかし、そんな家はすっかり変わり果てていました。

     『知らない人が見ると、廃屋だと思うのではないか。子どもなら、幽霊屋敷。だが、廃屋や幽霊屋敷なら、生ごみの臭いはしない』。

    なんともキョーレツな表現です。『生ごみの臭いはしない』とは言え『幽霊屋敷』を訪れたいとは思いません。一方で、幽霊よりも”人間がいちばん怖い”とも言われることを思うと、そんな人間の出すごみの山がキョーレツであることに違いはありません。物語は、二十数年ぶりに叔母の家を訪れた美佐視点で描かれていきますが、役場からの事前連絡があったとは言え、新聞が『バリケード』を作り、『中身を確認するのが恐ろしい土埃のたまった黒いポリ袋の山』を越えていく美佐の姿が描かれていく様は読者に緊張感を強いていきます。

     『外であの状態なら、中はもっと恐ろしいことになっているに違いない』。

    美佐の感じる恐怖は読者にもそのまま伝わってきます。その先にどんな『ごみ屋敷』が描かれていくのか?そして、それを片付ける途方もない作業はどんなものなのか?

     ・『中に入ると、文字通り、足の踏み場もないごみ屋敷となっていた。町の指定ごみ袋ではない黒いポリ袋にごみが詰められ、それが幾重にも積み重ねられていた』。

     ・『かろうじて、ベッド代わりのソファの上だけは何もなかったものの、布団や枕のカバーは元の色の推測がつかない状態になっていた』。

    なかなかにキョーレツです。そして、そんな『ごみ屋敷』を現状復帰していく途方もない作業が始まります。これから読まれる方には〈第一章〉をまるまる使って描かれていく『ごみ屋敷』と戦う美佐の物語を是非満喫いただければと思います(苦笑)。また、これらの物語には湊かなえさんらしく伏線があちこちに張られてもいきます。『ごみ』だけでなく、この点にも意識を向けていただきたいと思います。

    次に、構成面から見た場合にこの作品には一つの興味深い仕掛けが用意されています。それこそが後半の3つの章に字体を変えて記されていく『日記』の存在です。小説に『日記』を取り入れた作品というと、合計で61日分もの『日記』だけで構成された永井するみさん「秘密は日記に隠すもの」が思い浮かびます。このレビューを読んでくださっている方の中にも日々『日記』をつけられている方がいらっしゃると思います。つけている以上、自ら記した『日記』を振り返るようなこともあるかもしれません。しかし、他人の『日記』となるとこれは全く状況が異なります。『日記』とは基本的には自分のために書くものであって他人に見せることを想定したものではないからです。結果的にそこには極めてプライベートな内容、他人には話せないような事ごとも記されていくことになります。永井さんの作品はそんな中に”ミステリ”を絡ませる絶妙な面白さで魅せてくれました。一方、この作品の作者である湊かなえさんには”手紙”で構成された作品があります。合計56通の”手紙”のやり取りだけで構成された「往復書簡」です。こちらも湊かなえさんらしく読み味抜群です。そして、そんな湊かなえさんがこの作品で展開させるのがある人物が記した『日記』を物語中に織り交ぜるという手法です。永井さんの作品のように『日記』だけで構成されているわけではありませんが、そこに記されている内容と主人公が見るリアル世界の事ごとを巧みに交錯させていく、その展開は読み味抜群です。

     『5月17日  今日から日記をつけることにした。 さつき姉さんの誕生日プレゼントを買うために、公雄さんにデパートに連れて行ってもらった』。

    そんな書き出しから始まる『日記』は三つの章に以下のように散りばめられています。

     ・〈第五章 チェンジ(change) 〉
       → 7日分

     ・〈第六章 クライム(crime) 〉
       → 18日分

     ・〈第七章 ケア(care)〉
       → 3日分

    合計28日分の『日記』が明らかにするまさかの真実を見る物語。こちらもこの作品の醍醐味だと思います。これから読まれる方には他人の『日記』を読むという背徳感と共にそれを記した人物の心持ちに思いを馳せていただければと思います。

    そんな物語は、内容紹介に『介護』という言葉が登場する通り、『介護』にも光を当てていきます。ただし、『ごみ屋敷』と違って、この作品には例えば藤岡陽子さん「森にあかりが灯るとき」のようなリアルな『介護』の現場が生々しく登場するわけではありません。そういう意味では内容紹介は若干のミスリードです。物語は上記した通り、二十年ぶりに叔母の家を訪ねた美佐が、そこに『ごみ屋敷』に暮らす『認知症』の弥生の姿を見るところから始まります。『介護』のイメージが先立つと、その先には『ごみ屋敷』を解決する一方で、『認知症』の叔母を『介護』に苦闘する美佐…というイメージが先行しますがそのような物語は展開しません。なぜならばこの作品の始まりにはこう記されているからです。

     『ひと月後 ー。弥生さんは無事、介護施設に入居することができた』。

    弥生の『介護』における切迫した問題が早々に解決する一方で物語はもっと高い視点から『介護』というものに光を当てていきます。

     『男に母親の下の世話はできないよ』

    本の帯に記されたこの言葉は強い読者にインパクトを与えます。ここには、『介護』を担うのは女性と決めつけていく現状が浮かび上がります。

     『いったい彼は自分の母親を何歳の状態で止めてしまっているのか。老いた姿や老いから生じる行動を、目の当たりにしても、都合の悪いものは脳がシャットアウトする。そのうえ、合わない帳尻を妻のせいにする。我が家だけではない。男はみんな脳がそういう仕組みにできているのだ。そう解釈してあきらめていたが、自分も同じだった』。

    そうです。この作品では、女性が当たり前に担っていく『介護』のリアルな現場を描き出してもいくのです。

     『二〇代で結婚し、抑圧された日々が続き、そのまま介護に突入。いったい誰のための人生なのか』。

    親の『介護』のために仕事を辞め、やがて貧困スパイラルに陥ってしまうという話も聞きます。そう考えれば考えるほどにこんな視点の大切さが浮かび上がります。

     『風邪を引けば病院に行く。髪が伸びれば美容院に行く。昔は家で行われていたことも、現在では、専門家に任せるのが当たり前になっているのに、どうして、育児や介護は、家庭内で主婦が請け負うことだと、多くの人に認識されたままなのだろう』。

    物語は、冒頭の『ごみ屋敷』で暮らす弥生の元へと向かう主人公の美佐が、自身の過去、そして弥生の過去に繋がる物語を目にしつつ結末へと向かって真実の扉を開いていきます。そこには、『日記』が大きな鍵を握る中に、数多の伏線が回収されてもいきます。そんな物語が至る結末、そこには『お互いの家の家事を、週に一度、半日でいいから、交換してやってみない?』という本の帯にも記された言葉の先に”ミステリ”が鮮やかに解き明かされてもいく物語が描かれていました。

     『私は知っている。人間が生きていくためには、汚いものや臭いものと切り離せないことを。誰かが「それ」を担わなければならないことを』。

    そんな言葉の先に『認知症』と『ごみ屋敷』のリアルを見るこの作品。そこには、湊かなえさんらしく”ミステリ”にこだわる物語が描かれていました。28日分の『日記』が重要な役割を果たすこの作品。そんな『日記』に隠されたまさかの過去を見やるこの作品。

    湊かなえさんらしく、エンタメ要素も十分に加味された物語、ぐいぐい読ませる”ミステリ”な物語でした。

    • きたごやたろうさん
      湊さん、エッセイや山シリーズが続いたから純粋な小説、久しぶりじゃないですか?
      読むのが楽しみです♪
      湊さん、エッセイや山シリーズが続いたから純粋な小説、久しぶりじゃないですか?
      読むのが楽しみです♪
      2025/02/09
    • さてさてさん
      一昨年暮れの「人間標本」以来だと思います。おすすめします。
      一昨年暮れの「人間標本」以来だと思います。おすすめします。
      2025/02/10
    • きたごやたろうさん
      そうですよね。
      待ちくたびれました笑。
      読みたい本だらけですが、この本はトップスピードで先頭です!
      そうですよね。
      待ちくたびれました笑。
      読みたい本だらけですが、この本はトップスピードで先頭です!
      2025/02/10
  • 実親を交通事故で中学三年生の時に亡くした美佐は高校三年間を夫を亡くし一人で暮らす叔母の弥生の家のみどり屋敷で暮らしました。

    そして美佐は二十年後、認知症になった弥生を介護施設に入居させるためにみどり屋敷に戻ってきます。

    美佐には高校の頃に秘かに想っていた山本邦彦という同級生がいました。
    「何十年後でもいい。この風景を懐かしいと感じたら本を返しに来てください。K」というメモ書きのある『ノルウェイの森』の下巻を発見し邦彦の実家に本を返しに行き、邦彦の母である菊枝に「弥生さんエルメスのスカーフ返しにきてくれたんだね」と弥生に間違えられます。まさか叔母と邦彦の母が知り合いだとは知らなかった美佐は…。





    読みやすい文章でスラスラ読めました。
    『ノルウェイの森』、エルメスのスカーフ、赤と緑などのキーワードが散りばめられています。
    でも「謎はどこにあるの?」「これ、ミステリだよね」と確認しながら読みました。
    そしたら謎は一番最後に答えが全部出てきました。
    最初は認知症をモチーフにしたミステリなのかと思ったら全然違う二人の女性の間に起こったことと、その周辺の話でした
    恋愛小説でもありました。

    最後は湊かなえさんにしては爽やかでした。

    • まことさん
      まきさん♪
      今、イヤミスを読む気分ではなかったので、ホッとしました。
      ブクログ前に湊かなえさんは何作か拝読しましたが、ブクログで読んだのは初...
      まきさん♪
      今、イヤミスを読む気分ではなかったので、ホッとしました。
      ブクログ前に湊かなえさんは何作か拝読しましたが、ブクログで読んだのは初めてなんです。
      読む前というか、図書館に予約する前にイヤミスかどうかわかるといいのですが。
      そうですね、この緑色に赤のタイトルは『ノルウェイの森』を連想される方も多いでしょうね。
      でも、私のような雑食ならともかく、コアな村上春樹ファンと湊かなえさんのファンは重ならない気がします。
      2025/06/28
    • かなさん
      この作品、読んでるけど
      まだレビュー投稿はしてないんです。
      というか、「ノルウェイの森」も
      だいぶ昔にハマって読んだことがあるけど、
      ...
      この作品、読んでるけど
      まだレビュー投稿はしてないんです。
      というか、「ノルウェイの森」も
      だいぶ昔にハマって読んだことがあるけど、
      内容全く覚えてないんで再読したいな〜って思ってました(*´∀`*)
      この作品、確かにまことさんのおっしゃるとおり
      登場人物の恋愛模様をたくさん描いてますよね!
      そこに介護の問題が加わるとこんなにも
      重〜くなりますよね!
      私は、こういう作品も結構好きかもです!
      2025/06/29
    • まことさん
      かなさん♪
      かなさん、読んでいるけどレビューアップしてない作品たくさんあるみたいですね!お仕事もされていらっしゃるのに凄い読書量ですね!
      ...
      かなさん♪
      かなさん、読んでいるけどレビューアップしてない作品たくさんあるみたいですね!お仕事もされていらっしゃるのに凄い読書量ですね!
      『ノルウェイの森』話題書だったので、私も若いころ買って読みましたが、内容はよく理解できなかったような覚えがあります。
      今でも、あの赤と緑の表紙が家にあります。
      この作品はあまりにすらすら読めて私、内容が実はイマイチわからなかったのです。介護の問題がどこにあったのかよくわからず(たぶん素通りしたのですね)、ミステリプラス、恋愛小説だと思ってしまい、爽やかだったなんて言ってしまったのかも。
      2025/06/29
  • 思いやりの反対側にある犠牲や束縛の現実… 誰にも言えない認知症、介護、嫁姑問題 #C線上のアリア

    ■あらすじ
    中三の夏に両親を亡くした美佐は、叔母の弥生のもとで暮らすことになった。その後、就職、結婚して家を出ていた美佐だったが、自治体から連絡があり、二十数年ぶりにの弥生の自宅を訪れる。

    育った家はごみ屋敷となっており、年齢を重ねて認知症の症状がみられる弥生と再会することになり…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    年齢を重ねてくると、誰しも向き合わなくてはいけない課題のひとつ。家族の認知症、介護の問題に焦点を当てた物語です。

    最初の一行からラスト一行まで、がっつり湊かなえ先生の筆致ですね。登場人物ひとりひとりの顔が目に浮かんでくるようだし、それぞれの情熱や信念、そして不安や葛藤がヒリヒリと伝わってくる。読めば読むほど没頭しちゃうんです、とにかくうねりがスゴイのよ。本作はエンタメだけど芸術性の高さも抜群でした。

    なんつーか、もはや読書って感じじゃないんだよね、うんうん。文字を読むのではく、脳みそに直で伝わってくるような、音楽を聴いてる感覚に近いかもしれない。何をいってるんだというお叱りがあるかもですが、読んでいただければわかっていただけはず。

    さてストーリーは、美佐が久しぶりに弥生のもとを訪れるところから始まる。何処の家庭も子育てが落ち着いた頃になると、次に大変になってくるのは両親の介護ですよね。

    いつまでも健康で長生きをして欲しいのですが、想像以上に精神的にも経済的にも負担がかかるもの。もちろん嫁と姑の性格の問題もあるし、そして時代は変わってきたと言え、介護は嫁の仕事だと既成概念も残ってる。

    単に介護が大変だという話ではないんです。介護は「いたわり」「思いやり」という温かいものだと思うのですが、その反対側にある「犠牲」「抑圧」「不満感」といった現実も忘れてはいけないんです。

    認知症というのは、新しい記憶が難しくなったり、自身が置かれている状況把握ができなくなったりする。しかし遠い昔の記憶、特に嬉しい、悔しい、大切な人への想いみたいな感情は、絶対忘れずに覚えてるんです。本作でもその特徴をよく描かれており、胸が詰まる思いで読ませていただきました。

    また本作はある有名な小説をモチーフにしています。またその小説は上下巻になっており、そこから登場人物の価値観や生き様をえがくところが、読書と人生をを重ね合わせたみたいで興味深かったですね。

    さらに本作はミステリーでもあります。序盤からの弥生さんとのやり取りやゴミ屋敷でのエピソードは、しっかりと意味があって、湊かなえ先生らしいインパクトを残してくれました。読み応えも芸術性もある作品でした、面白かった!

    ■ぜっさん推しポイント
    40~50代にもなると、これまで生きてきた人生を振り返りたくなる時がある。しかもなまじ人生経験があるもんだから、俯瞰的に見えちゃうんだよね。仕事、結婚、家庭、人間関係などなど… 人生の重要なポイントで、自分の選択は間違っていなかったのだろうかと。

    でも結局は受け入れるしかなく、今日これからの人生を歩み続けるしかないのです。この微妙な憂いが全身に染みわたる作品でした。

  • 人生何が起こるか分からない。
    人生最後まで分からない。
    人間どこで繋がってるか分からない。
    人生いつまでなのか分からない。
    人生はミステリー。

  • 湊さん最新作♪♪

    両親を亡くし、高校時代を叔母の弥生に引き取られて過ごした美佐。
    その叔母が認知症を発症し、育った家がゴミ屋敷になっているという。
    家を片付けるなか見つけた金庫の中身は?
    弥生はこれまでの人生どうやって過ごしてきたのか?


    ミステリー色はそんなに強くなかったかな〜。
    どちらかというと、一人の女性の人生を追った人間ドラマって印象の方が強かった。
    誰にでも家族にも見せてない部分があったり、秘密を抱えてたりするものなのかも知れない。
    弥生さんのそれを知った時、あ〜愛だな〜と思った。

    イヤミスではなかったけど、嫁姑問題とか女の嫌〜な所がチラチラ。
    この辺りはさすが湊さんだなぁ〜って感じ♡

    ちょいちょい 弥生の収入源は結局何やったん?とか、交換家事なんてする人おるんかな?とかちょっと、ん??と思うとこもあったけど、個人的には時々聞く物足りなさは感じず、面白く一気読みでした〜

    この表紙「ノルウェイの森」にちなんでたのか〜!
    素敵〜⟡.·

    • mihiroさん
      ( *´艸`)クスクス
      ( *´艸`)クスクス
      2025/06/07
    • あいさん
      みひろちゃん♪ 忙しいのに長々とごめんね(^-^)/

      湊さんのサイン会行ったことがあるけど、本当に素晴らしい方だった。
      作品全然読...
      みひろちゃん♪ 忙しいのに長々とごめんね(^-^)/

      湊さんのサイン会行ったことがあるけど、本当に素晴らしい方だった。
      作品全然読めてなくてごめんなさいだけどm(*_ _)m
      ひとりの女性の人生を追う人間ドラマ、湊さんうまいよねぇ。
      私はミステリが読みたくて、湊作品に時々あれってなっちゃうけど(笑)
      『母性』を購入しているので読みたいけど、本棚から出てくる日は来るのだろうか?
      みひろちゃんにコメント出来て、今日は楽しかった♪
      私も感想書こうという気持ちいただきました!
      1冊のくせに、早よ、書け(^_^;)

      2025/06/07
    • mihiroさん
      あいちゃーん♡いっぱいありがと〜♡♡

      え〜湊さんにお会いした事があるんだね〜*⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝*ワンダホォォォォイ
      私はサイン会...
      あいちゃーん♡いっぱいありがと〜♡♡

      え〜湊さんにお会いした事があるんだね〜*⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝*ワンダホォォォォイ
      私はサイン会とか1度も行ったことなくて( ˊᵕˋ ;)
      湊さんなら行ってみたいな〜(´ー`*)ウンウン
      湊さんは、「母性」の映画化で 戸田恵梨香さんと対談してるのをTVで見たことがあるんだけど、とても謙虚で素敵な方だったな〜♡
      ほんと女性の人生を追うドラマ、上手いよねぇ♡
      そう言えばこないだU-NEXTで「母性」の映画見たとこだよ!
      まあまあ面白かったよ♪♪
      あいちゃんの本棚からいつか出てくるといいな笑笑
      2025/06/08
  • 図書館を訪ねると、朝日新聞で湊かなえさんの連載小説を拾いあげては読んでいた。でも、途中からそれがままならなくなり、書籍化を待っていた!
    待望の一冊には私の好きなキーワードが散りばめられていた。
    湊かなえ、村上春樹、ビートルズ、ノルウェイの森、そしてG線上ならぬC線上のアリア。
    家族同然の叔母、認知症の叔母のゴミ屋敷を整理するところから始まるミステリー。
    どんどん叔母の秘密の扉が開いていく。金庫、そして交換家事。
    美佐と叔母弥生の心を照らし、重ねがらすすんでいくストーリーはまさにアリア。湊かなえの心理描写が、介護問題の重さ、陰鬱さをやわらげつつ 、chainからcareまでC線上を進んでいく。
    久しぶりの湊かなえさん、あっという間に幕を閉じた。

  • 久々の湊かなえさん



    イヤミスがあまり得意ではないので
    なかなか手が伸びないのですが
    気づけば予約してました




    嫁姑の話を湊かなえさんが書くとこんな感じになるんですね( ´∀`)



    確かに介護ミステリーでした





    途中ちょっと停滞ぎみな感じがしたんですが
    少しずつ謎が明らかになる終盤はあっという間に読めました(´∀`*)





    いつもの湊かなえさんっぽくはなさそう
    ゾワゾワ感もそんなになかったかな

    イヤミス苦手な私にはちょうどよかったかも(*´-`)





    介護とか嫁姑の話になるといろいろ考えます
    自分には姑がいないので、目下考えるのは嫁(もちろん架空)との関係について笑



    理想的な?姑ってどんなんなんでしょうね( ̄∀ ̄)
    みんないろいろ考えてるのにトラブルが起こるのはなんででしょう(-_-)



    そんなことを考えながら読んでました




    ちなみに私はもちろん上巻も下巻も読みたい人です( ̄^ ̄)ゞ
    (意味が知りたい人は本編へGO!)

    • どんぐりさん
      みひろさん

      あは( ̄▽ ̄)妄想です♡

      みひろさんのレビュー楽しみにしてます♪
      みひろさん

      あは( ̄▽ ̄)妄想です♡

      みひろさんのレビュー楽しみにしてます♪
      2025/05/09
    • どんぐりさん
      みんみんさん

      LINE友達♡素敵♡
      信じましょ!大丈夫です!

      私は義父も義理兄も連絡先知らないです苦笑
      みんみんさん

      LINE友達♡素敵♡
      信じましょ!大丈夫です!

      私は義父も義理兄も連絡先知らないです苦笑
      2025/05/09
    • どんぐりさん
      かなさん

      可愛いおばあちゃん憧れます〜♡
      かなさんならなれそう(*^^*)

      でも私はデカいし可愛い感じは多分無理なので
      面白いおばあちゃ...
      かなさん

      可愛いおばあちゃん憧れます〜♡
      かなさんならなれそう(*^^*)

      でも私はデカいし可愛い感じは多分無理なので
      面白いおばあちゃんでも目指そうかな笑
      2025/05/09
  • 着地点の予想がつかないという点では楽しめた。しかしながら読み終わってみると、自分にはあまり残るものがなかった。感情は動かされ、これこそ湊かなえ作品だと思ってはみたものの、私にはハマらず。

    • maiyuikoukiさん
      やっぱり湊かなえは苦手なんです…^_^
      やっぱり湊かなえは苦手なんです…^_^
      2025/07/19
    • ヤスさん
      湊かなえさん4作目になりますが、今のところ合わなかったのはこの作品だけですね(^^;;
      湊かなえさん4作目になりますが、今のところ合わなかったのはこの作品だけですね(^^;;
      2025/07/20
  • 中学の時に両親を事故で亡くした美佐は、叔母に引き取られて高校時代を過ごす。
    それから約30年ほど経ち、叔母に認知症の症状が見られると役場から連絡があり故郷を訪れる。
    ごみ屋敷と化した家で叔母を見た美佐は…。

    叔母を施設に入れ、家を片付けているうちに開かずの金庫や下巻のみの『ノルウェイの森』を見つける。
    高校時代に借り本だったが、返したはずがと…。
    当時を思い返すように本を返しに行くが、そこで美佐は衝撃的な場面を目撃する。

    中盤以降からは、叔母の日記の出来事に唖然としながらも義母との同居が普通だった時代と現在の介護についても何故かいつも女性が辛い思いをしていると感じた。
    苦労をしているのは自分だけ…と感じてしまうのも仕方ないのかもしれないが、お互いの家事を交換することなど到底思いもつかないことだった。

    また、『ノルウェイの森』の下巻だけしか読まないことも、それだけでも3回も読めるほど面白く感じるか、上巻だけ読んで結論を出せるのか、など人によっては違うことも物語に挟み込んでいることに深みを持たせていると感じた。
    赤と緑という色もこの物語ではけっこう使っていることもアクセントになっている。
    事故、死、介護などの負の感情からふっと息を抜ける気分になれたかもしれない。



    自分で初めて買った大人の本といえば、『ノルウェイの森』だったかもしれない。
    学生時代から使っていたスチールの本棚に赤と緑が並んでいたことを思い出した。
    実家にあったはずだが…もう手元にはない。
    もう一度読み返したかった…
    当時は、意味がわからないと感じたはず…
    今ならどう思うだろう。


  • 面白かったなぁ。
    嫌なこと言う人がたくさん出てきて気分が悪くなるんだけど、続きが気になり一気読みだった。
    弥生さん、ごみ屋敷にいた時より施設に入ってからの方がよっぽどしっかりしてる。
    福祉や周りの人の助けって大事だな。

    何か、久々に重厚感のあるミステリーを読んだ気分。女同士の愛憎劇、ずっしりくる感じはやっぱり湊かなえさんだなぁ。

  • 湊かなえさんの最新作ということで、発売と同時に本屋さんに行き、見事にサイン本も確保するくらい本作を楽しみにしておりました。本作に漂う陰鬱な雰囲気と、先の読めないストーリーに惹かれ、思わず一気読みでした。

    以下あらすじです。(以下Amazonより引用)
    育った家がごみ屋敷となり果て、久しぶりに戻った美佐。家を片づけていく過程で金庫を発見する。そこからひもとかれる、家族にさえ言えなかった叔母の秘密とは……。朝日新聞連載時から話題! 湊かなえが新たに挑む、先が読めない「介護ミステリ」。

    本作の魅力はやはり、ミステリーがどこに仕掛けられているか分からない点にあるように感じました。ところどころに主人公が疑問を感じる描写があるのですが、そこがミステリーの本筋と繋がっているのか、単に老いた描写なのか、最後まで分からず、その先の展開がどうしても気になってしまう。私にとってはそんな作品でした。

    物語のオチとして賛否両論ある作品かなぁと個人的に思ったので少し評価を落としましたが、前半部分から後半始まりにかけての部分の雰囲気がドンピシャだったので、評価を星4にしました。

  • YouTuberのけんごさんが今年絶賛と言われていたので、図書館にも入ってたし読んでみたら、私はあんましでした。
    最近はけんごさんの紹介はほとんど合わないなーと。ブクログの方が近い不思議。

    登場人物が混乱しちゃって。日記を書いた人、読んでる人、日記に出てくる人、目の前で会話で出てきるわけではないから、小説の中に小説(今回は日記)があったりするストーリー展開は複雑でした。ノルウェイの森詳しい人は面白いかも。
    夫婦や親子なのにこんなに揉めるなんてなぜ?と思うが、困ってる人はたくさんいるのだと、追体験しました。

  • 読みやすく面白かった。認知症・ゴミ屋敷の話で始まり、昔の恋人と再会。キュンキュンが読めるかと思っていたら、すぐに違った展開へ。

    一番書きたかったのは嫁姑問題なのだと思う。世の中の姑は、なぜ嫁を大事にできないのだろう!!そこに端を発した事件。

    もう一つは介護のこと。自分の親の下の世話を、自分はやらずに配偶者に任せるなんて!!自分の親であっても、果たして私は出来るのだろうか??友人の旦那さん(在宅勤務)は、ちゃんとしているらしい。偉すぎる。自分はピンピンコロリで終わりたいものだ。

    あと、ノルウェイの森。学生時代を思い出す。。

  • 50代主婦の美佐が認知症を患った叔母の元を訪れて過去の秘密を解き明かしていく物語。

    偶然続けて新聞連載小説を読みました。
    湊かなえさんは久しぶりでしたが、さすがの吸引力で読み始めたら止まらなくなりました。
    ゴミ屋敷、嫁姑、介護など社会問題を盛り込みながらミステリ要素が増していく展開で、なかなか面白かったです。小道具の使い方もさすが。

    「ノルウェイの森」読んだことないけどカバーの配色はなるほど…
    私の中では上下巻の本は上巻から読むのが当たり前で、片方だけ読むとかありえないと思うし、シリーズ物も順番通りに読みたいです。小説以外でも漫画も映画もドラマも途中からなんて無理。こだわり過ぎ?(笑)

  • 両親が亡くなり、高校時代共に過ごした叔母の家がゴミ屋敷になっているので何とかしてくれと言われ、美佐は何十年ぶりかに叔母の元を訪れる。みどりの家と言われた美しい庭のある家は荒れ果て、叔母弥生には認知症の症状があった。

    ブグログのみなさんがお書きになったように、ミステリー要素があまり感じられず、湊さんらしからぬ前向きな終わり方だった。新聞連載ものだったから、湊さんらしさ全開のイヤミスはさすがに無理だったのかな。

    主人公の美佐は私と同世代。双方の親はまだまだ元気だが、近い将来、介護と向き合わなければならないのかなぁと思いながら読んだ。

    美佐の元恋人である邦彦の奥さん菜穂と美佐がもっと絡んでくるのかと思ったらそれだけかって感じだし、現実と向き合わない邦彦にイライラ。

    嫁姑と介護。結婚したら時代を問わず、もれなく付いてくるオマケのようなものなのかな。このままだとますます結婚したい人が減ってしまう気がする。

  • 12月に読んだ雑誌に掲載されていた「2025年の隠し球」で本書の刊行予定を知り、発売をとても楽しみにしていた。
    装丁がとても素敵で、特に花布がキラキラしていて美しい!
    スピンとの色合いもとても好き♡
    本の造りを楽しめるのは、単行本ならでは。
    手に取られる際は是非、装丁にも注目してほしい。

    育ての親である叔母が軽度の認知症を患い、故郷に帰ってきた美佐。ゴミ屋敷と化した家の片付けをしていると偶然金庫を発見する。叔母が金庫の中に隠した秘密とはー…?

    湊かなえさんが描く“介護ミステリ”ということで、終始重苦しい雰囲気の話かと思いきや、序盤こそ重さは感じるけれど、主人公である美佐の性格のおかげで、そこまで重さを感じることなく、読み進めるごとに霧が晴れていくような感覚を覚えた。

    時折挟まれる美佐の心の声や叔母とのやり取りから感じられる美佐の夫や義母の態度と言葉、美佐の元恋人の言葉には憤りを感じた。
    私が夫から同じことを言われたら張り倒してしまいそう。

    なかなか先が見えない展開で、“謎”の部分は、どれが“謎”に繋がるのか分からず…とにかく先が気になって仕方なかった。
    家事育児を放棄して一気読みしたいくらいだった。笑

    介護に携わる主婦たちの心情に寄り添いながらも、希望が見えるラストでよかった。
    特に美佐の決断に心を打たれた。
    苦しみを抱えた人たちが、もっと気軽に他人に頼れる世の中であってほしいな。

    作中に登場する、ある作品。
    10年以上前、多分映画化された際に書店に並んでいて手に取ったけれど、全然読み進めることができずに手放してしまった。
    今なら読めるかな?と少し気になった。
    ちなみに私は上巻の後に下巻を読みたいタイプ。(読んだ人には分かるネタ)

    ✎︎____________

    人は余裕がなくなると、口調や態度を使い分けることができなくなる。だから、最悪でないことまで最悪なことになり、毎日が最悪な日々となる。(p.12)

    後ろめたさから生まれた空耳、それを罪悪感と呼ぶに違いない。(p.18)

    私は知っている。
    人間が生きていくためには、汚いものや臭いものと切り離せないことを。誰かが「それ」を担わなければならないことを。女の役割だ、という声に抗う前に、目の前にあるものを片付けなければならず、それを終えるともう声を上げる気力も失われてしまうということも。それを「人生」という言葉に重ね、「生きる意味」など考えることが、いかに虚しく愚かな行為であるかということも。(p.19)

    人生におけるあらゆる問題すべてに真正面から立ち向かえる人など、どれほどにいるのだろう。
    言葉を重ね、誠意を尽くしても、伝わらない人にはまったく伝わらない。(p.31)

    映画や小説とかで、同じ一日が何度もループする話があるでしょう。まるでそういう日々を送っているようで、抜け出し方もわからない(p.142)

    戦争を体験した人は、簡単にその時期を人生から切り離せないのかもしれませんね。(p.237)

    男が何だっていうんだ。どれほどえらいっていうんだ。男なんかに、絶対、負けない。女としての人生を、あきらめない。(p.244)

    祝う気持ちに、子どもがいないから、未婚だからは関係ない。自分の心に余裕があるかどうか、だ。幸せは、他人と比べるものではない。(p.247)

    昔は家で行われていたことも、現在では、専門家に任せるのが当たり前になっているのに、どうして、育児や介護は、家庭内で主婦が請け負うことだと、多くの人に認識されたままなのだろう。(p.346)

    • まいけるさん
      まいけるです。フォローありがとうございます。
      レビューがすてきなので、瞬間的にフォローしていました。
      この小説、途中まで新聞で読んでいたので...
      まいけるです。フォローありがとうございます。
      レビューがすてきなので、瞬間的にフォローしていました。
      この小説、途中まで新聞で読んでいたので続きが気になってました。レビューを拝読して、さらに読みたくなりました。
      ありがとうございます。
      2025/02/19
    • mariさん
      まいけるさん

      こんばんは♪
      こちらこそ、いいね!、フォロー、さらに嬉しいコメントまで!本当にありがとうございます( .ˬ.)"
      新聞連載で...
      まいけるさん

      こんばんは♪
      こちらこそ、いいね!、フォロー、さらに嬉しいコメントまで!本当にありがとうございます( .ˬ.)"
      新聞連載で読まれていたのですね!
      だからなのか、今作は湊さんの作品の中でも特に、先がどうなるか分からないドキドキ感・ワクワク感が強かったように思いました。
      連載とミステリーって相性いいのかもしれませんね…!
      是非この物語の行く末を見届けて頂けたら…と思います( *˙˙*)
      2025/02/19
  • 年老いた叔母の家を片付けるため、やってきた美佐。
    両親を事故でなくして、高校三年間、過ごした叔母の家、実家のような場所。
    弥生はなぜ一人でここに暮らしているのか?
    家を片付けることで今まで知らなかった弥生の過去をたどることになる美佐。
    介護は家族、嫁の仕事なのか?
    昔ながらの家制度のなかで苦しむ嫁たち。時代は繰り返されていく。
    途中、うわあー、やらしい!!と思う泥沼を通り抜け、湊さんらしくない、すっきりとした終わり方。過去をたどるのは重苦しく、そして必ず今に繋がっていて、過去の重苦しさや解決できなかったことが、引き継がれているように感じられた。
    そして介護は一人では苦しくて、しんどい。
    だけど介護保険は決して万能じゃない。
    家族の苦痛は、解消しきれない。
    介護はまず自助(自分で頑張る)
    そして共助(家族や周囲と助け合う)
    その先が公助なんだから。
    だこらこそ、辛い気持ちを吐き出す場所がいるのかもしれない。

    ノルウェーの森、私もジャケ買いして今も実家の本棚にある。あの緑に赤字は綺麗だった。内容は思い出せない、なんかよくわからなかった覚えもある。
    実家に取りに行こうかな。



  • 介護がテーマのミステリ。
    読みやすくて1日で読了。
    古い日記を見つけて、ページをめくっていくと…
    楽しめました。

  • 一気に読んでしまいました。
    タイトル回収部分が
    よく分からなかったけど
    みんなのかんそを読んでたら
    だんだん分かって来た。

    何だろう、初恋の人
    ちょっと許すまじと思った。

  • 最初、「G線上のアリア」と見間違っていた。
    そして、Ⅽ線とは、チェロの4本の弦のうち、最も低い音の弦の名前で、チェロの演奏では、C線は低音を支える重要な役割を果たすと、ある。
    タイトルにも、ストーリーの重要な意味があるのだと、しみじみ理解した。

    女性の、妻、母、嫁、姑、と様々な立場の本音がビシビシと伝わってくる。
    そして、なぜ、介護は女性の仕事?嫁の仕事?

    「男性に下の世話はできないでしょ」
    「家の中が臭くて、ご飯が食べられない」
    などなど、何を言ってるんだ!!!
    世の男性陣に、読んでほしい。

    悩み苦しんでいる女性陣には、勇気を与えてもらえる。

    「ノルウェーの森」の下巻、ビートルズを聞きながら読み直したい。

    人生も、物語も、やっぱり下巻だけでなく、全て読まなくちゃ。


    イヤミスで終わるのかな、と思ったけど、
    ラストは、ナニコレ?詐欺じゃない?

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

湊かなえの作品

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