人よ、花よ、上

  • 朝日新聞出版 (2025年4月7日発売)
3.99
  • (53)
  • (93)
  • (47)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 892
感想 : 71
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (488ページ) / ISBN・EAN: 9784022520456

作品紹介・あらすじ

軍神と崇められる楠木正成を父に持つ正行は、戦なき世を求めて、北朝に降る決意を固める。それは、楠木家こそ挽回の鍵だと頼みにしている南朝を滅亡に向かわせることに他ならないのだが……。朝日新聞の大人気連載、待望の単行本化!

みんなの感想まとめ

戦乱の時代に生きる楠木正行の苦悩と成長を描いたこの作品は、彼が父・楠木正成の期待に応えようと奮闘する姿を中心に展開します。南北朝時代の複雑な情勢の中で、正行は忠義と家族の安泰に揺れ動き、彼の人間らしい...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 鎌倉時代末期の寵児であり、軍神と呼ばれた楠木正成の息子楠木正行にフォーカスした作品。
    偉大な父のような役回りを期待される正行。北と南に朝廷ができた異常な状況下に、自身の忠義と、楠木家の安泰に揺れ、翻弄される人間らしい人間として描かれ、子から見た父正成は愛情深く、軍神もまた一人の人間だったことを知る。
    上巻は、悪党金毘羅党との戦い、謎の女官「茅乃」の出生の秘密にも迫り、読んでいて先が気になる展開も多い。「書く前から、きっと答えが出ない小説になるという予感がした。」と、今村さんがイベントで語ったようで、下巻についても、様々な展開が用意されていることが予想される。 ★3.9

  • 「不可思議の事なり」

    はい、南北朝時代ですよ!

    稀代の英傑、楠木正成の長男でこちらも戦の天才、敵の北朝方に「不可思議の事なり」とすら評された楠木正行が主人公です
    いぇい、いぇい!

    南北朝時代面白いよね
    詳しい内容は各々で調べればいいけど

    戦の天才と言われるということは、それだけたくさん戦をしたということでもあるんですが、この上巻ではまだ地域の小競り合いくらいしかありません
    もし正行の生涯を最後まで描くなら下巻は戦だらけということになるんでしょうか?うーん楽しみ

    そして北朝方の天才高師直(こうのもろなお)との対決も楽しみ

    ちなみに南朝のための戦をたくさんした正行ですが、近年では父の正成と共に「和平派」だったのでは?とする説もあり、本書はそちらの説に則って書かれていますね

    いやーそれにしてもよ
    やっぱり南北朝時代って面白いし、『太平記』という古典の存在もあってか、この時代を取り上げる歴史小説ってけっこう多いし、わいもいくつか読んでるんだけど

    混ざるねw

    作家さんそれぞれが歴史を独自解釈して創り上げるのが、歴史小説の面白味なんだけど
    混ざる
    あれ?この人いつからこんな感じになったの?とか普通に思う

    あ、違う人の作品だった!みたいなね

    歴史小説好きあるあるです

    • ひまわりめろんさん
      一Qさん

      Z世代の読書スタイルか!( ゚д゚ )クワッ!!
      一Qさん

      Z世代の読書スタイルか!( ゚д゚ )クワッ!!
      2025/05/16
    • ひまわりめろんさん
      まきちゃ

      単行本上下巻で900ページくらいある大作だから、まきちゃ向けかもね
      まきちゃ

      単行本上下巻で900ページくらいある大作だから、まきちゃ向けかもね
      2025/05/16
    • 1Q84O1さん
      私たちおじさんはきちんと上巻から読みましょう!
      私たちおじさんはきちんと上巻から読みましょう!
      2025/05/16
  • 図書館に早くから予約しておいたので、1番に借りられた。ありがたい。

    とてもありがたいのではあるが、
    この分厚い上下巻2冊をまさかの1番目にいっぺんにである。
    申し訳ないが、辛い…。

    私が読む今村翔吾氏の著書8冊目となるのだが、今までの7冊の内の歴史小説4冊できちんと読み切れたのは1冊しかなく、3冊は飛ばし読みまたは途中離脱なので不安しかない。

    それに、本書は今村翔吾氏の新刊というだけで予約したので、全く誰を主人公にした作品なのかも知らずに読み始めた。

    楠木正成、ではなく、その息子が主人公だった。
    南北朝時代の話。
    楠木正成については、たまたま昨年『楠木正成』(童門冬二著)を読んだところ。
    だから本書の第三章「桜井の別れ」はその時に調べたので場所まで知っている。
    しかし本書第一章と第二章で、今は亡き楠木正成の来し方について、息子多聞丸=正行(まさつら)と母親(つまり楠木正成の妻)が延々と語ることを繰り返すという、なんともまた読めども読めども進まぬという辛い展開…。

    正行に回想させるんじゃなくて、楠木正成を主人公にして書いてくれたら良かったのに…と不満に思う。

    それに、途中で「高師直ってどういう人?」と思ってWikipediaをつい見てしまったら、正行の行く末に関して思いっきりネタバレを目にしてしまった。

    読み終わったばかりの『幸せおいしいもの便、お届けします 』(十三湊著)に、本能寺の変で織田信長が明智光秀に殺されるとドラマに関してのネット記事に書いたら「ネタバレするな」と怒られてびっくりしたという旨が書かれており、そんな馬鹿なと笑いつつ、これは小説だがもしかしたら現実でも起きていることなのかもなとも思った。

    本能寺の変について知らないなんて!とその時は思ったのだが、此度の私がネタバレと感じたのも、もしかしたら同じレベルかもしれない。
    高師直や南北朝時代について当たり前のように知識のある方からしてみたら、きっと。

    そんなことはさて置き、もう今村翔吾氏作品も私は卒業かなという気持ちがふつふつと湧き起こったのだが、なんとか上巻は読み飛ばさずに読了できた。

    何故なら、私のラン友さん達の多くが、たまたま本書に出てくる地域に住んでいるからだ。
    彼らを通して間接的に私が知っている山の名前などが出てくるので、地図で確認しながら面白く読めた。

    それにしても、本当、長いんだよなぁ。

  • 大河ドラマの太平記は見ましたが、あまり馴染みの無い時代なので、とても興味深く読むことが出来ました。英傑の息子に焦点をあてて、楠木家の存続をかけて、一族が一丸となって闘う。簡単に言ってしまうと実に単純ですが、登場人物に上手く個性を与えて、魅力的に描く作者は本当に素晴らしい。
    男臭い話に紅一点を添えたり、ラスボス感が半端ない高師直。下巻に向けての前準備的な位置付けに感じました。約480頁ありましたが、あっという間に読み切ってしまいました。
    余韻に浸る間もなく、下巻に没入しようと思います。

  • 新聞連載で読む。
    楠木正行なんていう人、読み方さえ全く知らない歴史オンチの私が、魅せられました。流石今村翔吾。
    ちなみに「まさつら」
    もうわかる笑

  • 今回も描かれている人物が魅力的で、その人柄が生き生きとしていた。楠木正行には、真っ直ぐに人を思う澄んだ心を持ち、身分や年齢、性別に関わらず、等しく命の重さを知るからこその強さがある。人の死が、たとえ悪意がなく人の願いや希望が無意識に加わることでいつしか美談になる恐ろしさ…。誰かのために散ってよい命などない。楠木正行の熱い想いが伝わる。下巻も楽しみに読みたいと思う。

  • 英傑と謳われる楠木正成の、嫡男・楠木多聞丸正行。
    時は南北朝時代。彼の波乱の生き様を綴る、長編歴史小説。
    第一章 英傑の子  第二章 悪童  第三章 桜井の別れ
    第四章 最古の悪党 第五章 弁内侍 第六章 追躡の秋
    第七章 皇と宙

    楠木母子の語らいの中で浮かび上がるのは、正行の視点を
    含めての、父・正成の道程。桜井の別れで知る父の覚悟。
    英傑の子としてではない、お主はお主の道をゆけ。
    考え、見極めた末の選択・・・楠木は北朝に従う。
    あらゆる情勢や可能性を見極めての決断であった。だが・・・。
    のちの世で小楠公と謳われる、楠木正行の生涯。
    21歳で、冷静かつ迅速に行動する御屋形様の姿。
    楠木を守るための術を構築してゆく。
    が、最古の悪党との対峙、弁内侍との出会いなどは、
    今後の動向に変化をもたらしていくようです。
    父・正成への追憶と登場人物紹介が主に感じましたが、
    それらの人物描写が実に良く、彼らが下巻でどのように
    活躍するかが楽しみになりました。

  • 時代小説の中でこの時代をピックアップしたのに興味があり図書館で借りました。

    かつての英傑・楠木正成が戦った時代から、息子である多聞丸こと楠木正行の物語。
    第一章から三章までは正成が権力を伸ばし、生き抜いてきたかの道程。四章から七章までは正行の成長が描かれている。

    第三章の『桜井の別れ』、第四章の『最古の悪党』が印象深い。
    特に三章で正成が正行に行った言葉は、武士としてだけじゃなく父として息子を最期まで愛し、民を想い、混沌とした時代の中で自分たちの領土を守っていく意志の強さと力強さ。青屋灰左を助ける第四章でも正成の血がしっかり引き継がれているなとも感じた。

    南北朝時代は自分にとって歴史の中では分かりにくい時代であり、勉強してても言葉が覚えきれなくて一番苦手だけど…楠木正行と仲間たちがこれから、どんな出来事が待ち受けているのかが気になる展開でした。

    第一章〜第二章は個人的に読みにくかったので★は4。下巻も楽しみです。

  • ----------------------------------
    誰かのために
    散ってよい命などない。

    終わりなき南北朝の戦い。
    その命運を握る楠木正行の
    「願い」は叶うのかーー。
    朝日新聞連載の歴史巨編、
    待望の単行本化!
    ----------------------------------
    上下巻で4,000円。
    買うの悩みました。苦笑

    ただ、本作の挿画集を購入したときに、
    (今村翔吾事務所発刊で数量限定という言葉に苦笑)
    これは読むしかない!と決意。笑

    本当は今週末に読み切りたかったのですが。
    ひとまず上巻のみ読み終えました。

    南北朝…については教科書で習った記憶はあっても、
    内容は全く覚えておらず。苦笑

    今村さんの本は読みやすくわかりやすいのですが、
    それでももっとスムーズに読みたいと思い、
    楠木正行や南北朝時代についてのYouTubeを見て。
    うっすら知識を入れていざ…!笑
    そしてこの時点で、楠木正行の最期を何となく知り、今村さんはどうして楠木正行を主人公にしたのかなと思いつつ。

    読み進める間は、そばに画集も置いて。
    見ながら読んで、見ながら読んで。

    英傑と言われた楠木正成の息子、正行。
    父亡き後、正行が選ぶ未来とは。

    序盤は父である楠木正成の戦いについて、
    親子のやりとりが描かれています。

    あちこちで命が奪われる。
    帝の命も、武将の命も、百姓の命も、
    みな等しく大切な命で。

    桜井の別れで、正成が正行に告げる言葉。
    その後、正行が茅乃に告げる言葉。
    ちゃんと正成の言葉を胸に育った証があって。

    壮大な物語ではあるけれど、
    それだけではなく個性豊かな仲間たちや
    ハラハラドキドキするような一幕もあり。

    最近、読書をしていても「あれ、感想が浮かんでこない…」となることが多くて。

    積読は増えていくし、時間は限られてるし、
    焦って急いで読むから余計に文字が入ってこなくて。

    さらに自分が読むものに偏りと好みがあるからか、
    似たような話やパターンが多く。
    感受性を見失ったと不安に思っていましたが。苦笑

    本作は、そんな私に
    感受性ある!と思い出させてくれました。

    早く下巻を読みたいのですが、
    明日から仕事なのでまた週末になりそうです。

  • 戦国ものとは違った面白さがある。いつもの作品とは違うパターンなのが良い。下巻にも期待したい。

  • 楠木正行の一代記。
    私は勝手に正行は正成とともに死んだと思い込んでいたので、おや?君の父さんは今どこで何をなさっておるのか??と思いながら読んでいたが、どうやら正成とともに死んだ正季と勘違いしていたことに思い当たった。

    正成の死から8年。河内国東条に正行は暮らしている。すでに観応の擾乱は始まっていて、南北朝に分かれた上で、高師直と直義が暗闘している。ちなみにこのころは足利尊氏の存在感は紙のように薄くて軽い。

    正行は父正成が最後の戦いに行くのを止められず、そのうえ一緒に出陣も許されず、後醍醐天皇を無意識に恨んでいた。そのため北朝につこうと考えていた。高師直と直義のどちらにつくかを考え、家臣らと諮って高師直に着くと決めたが、事件が起こり高師直ダメじゃん。やっぱ直義にしようと心を決めた矢先、南朝の後村上天皇が刺客に襲われた。北朝につくのは一旦棚上げにして、なぜか後村上天皇の警備に乗り出す。

  • 楠木正成という偉大な父を持つ多聞丸。
    静かに始まる物語は、人物や時代を丁寧に描きながらじわりと熱を帯びて進んでいく。
    下巻では、近隣諸国や朝廷との駆け引きが激しさを増す予感。
    多聞丸がどんな道を歩むのか、続きが気になって仕方がありません。

  • えーっ!?こんな終わり方!?
    すっごい気になるし今手元に下巻ないのマジで苦しい(;_;)
    ってなる本。

    楠木正成の息子の話。
    本当に面白くて、一気に読みました。歴史弱い私にもわかるように楠木正成の戦いや後醍醐天皇との関係、正成の最期、足利尊氏の動きなども書かれていて、気づいたらのめり込んでました。
    楠木党のみんなが魅力的で大きな家族を見ているようでニコニコしてしまう。
    多聞丸カッコ良すぎるやろ……。ただ、私の推しは大塚です。
    弁内侍、絶世の美女とのことだけど、気が強くてきゅんきゅんします。多聞丸との関係を期待しながら……図書館の予約の順番が来るのを……一日千秋の思いで……待ちます……

  • 図書館にて借りる、第751弾。
    (京都市図書館にて借りる、第217弾。)

    486ページの上巻。下巻も400ページ超え。
    通勤に持ち歩くには重い。重いが、通勤で読みたい。持ち歩くしかない。

    で、だ。

    楠木正成の息子、多聞丸のお話。
    時代は南北朝時代。授業で聞いていた時は、この時代地味だな、つまらんなと思っていたのに、全然地味じゃない。面白い。

    楠木正成も個人的にヒールだと思っていたのに、全然違う。私の歴史の勉強は何だったのか。

    兎に角、今村翔吾の描く時代小説はいつもながら熱くてグッときて面白い。
    下巻も楽しみ。行くぜ、下巻!

    星は4つでも良いのだが、とりあえず3つ。下巻を読んでから評価したい。

  • 世間では英傑‐忠臣と呼ばれる父‐楠木正成。
    だが、たとえ世間の期待を裏切る事となっても、誰も【困らない】その想いを実現させる為 仲間(家臣)と成長してゆく多聞丸。

    南北朝の緊張が高まる中 決断が迫られる。
    死地へ向かう後年の父の姿を辿りつつ、想いを叶える為 自らの【困り事】と向き合う。

    しかし、運命を翻弄する大きなうねりが………


    今村作品にしてはスローな展開の前半かな?っとただ、後半は流石の展開は流石。ちょうど良ぃ上巻の終わり方

    急ぎ下巻へ 


  • 尽忠報国の士、楠木正成とその息子楠木正行の物語。
    正成はおぼろげに、正行は名前しか知らず、知識が乏しい状態から読み始めましたが、実に面白い。
    南北朝の対立軸がよく理解できるし、楠木親子の存在感がとても際立って感じられる話になっています。
    武将たちの思惑がしっかり伝わるのも、今村翔吾さんの腕の良さを感じます。

    まだまだ序の口。
    下巻でどんな展開になるのか楽しみで仕方ありません。

  • 忠臣楠木正成と讃えられた父をもつ多聞丸、楠木家を引き継いでいかなければならない葛藤。

  • 英傑大楠公楠木正成の嫡男、楠木正行の物語。楠木正成の事績を母との会話でなぞるシーンが長く、正行の本心がなかなか明かされないのがもどかしい。また、大きな歴史の中でがっつり生きている姿、というよりは一若者(とはいえそこらの青年ではないけれど)の姿を描いているという感じでやや物足りない。という感想をもったが、その自分の読みがいかに浅薄で愚かなものだったか、下巻を読むことで明らかになる。すみません僕が馬鹿でした。

  • 下巻に感想を書きました。

  • 視点を変えれば英雄も悪党に。垣根さんの尊氏像が残っているだけに複雑な思い。楠木正成ならともかく、歴史に登場しない無名で興味もない、その息子が主人公という地味な小説というイメージ覆され、その魅力にグイグイ引き込まれる。流石、今村さん。ホントに魅力的な人物だったかは、ともかく今村さんの手にかかると、みな魅力的な人物に。南北朝時代という、日本の歴史上、稀有な時代に生まれながら戦さなき世を目指す英雄の息子の屈託、悲哀。「忠義と夢」いつの世でも人は一筋縄にはいかない。

全66件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’18年『童の神』が第160回直木賞候補に。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』が第163回直木賞候補に。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。

「2023年 『イクサガミ 地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

今村翔吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×