アラブ人とユダヤ人―「約束の地」はだれのものか

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制作 : 千本 健一郎 
  • 朝日新聞社 (1990年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (788ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022561411

作品紹介

「イスラエルの地」に渦巻く憎しみ、恐れ、悲しみ、そして希望。2つの民族、2つの原理、1つの国家に発する葛藤の現在。ニューヨーク・タイムズ特派員のエルサレム・レポート。

アラブ人とユダヤ人―「約束の地」はだれのものかの感想・レビュー・書評

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  • 『アラブ人とユダヤ人――「約束の地」はだれのものか』

    原題:Arab and Jew: Wounded Spirits in a Promised Land (Times Books, 1986)
    著者:David K. Shipler
    著者:千本健一郎


    【目次】
    献辞 [001]
    題辞 [002]
    まえがき(D・K・S 一九八六年一月) [003-009]
    目次 [011-013]

    序章 015
    第一部 嫌悪感
    1 戦争―赤銅の地 034
    2 民族主義――失われた楽園 078
    3 テロリズム――悪の陳腐さ 115
    4 宗教的絶対論――イサクとイシュマエル 191

    第二部 イメージ
    5 乱暴で臆病なアラブ人 248
    6 乱暴で臆病なユダヤ人 272
    7 原始的でエキゾチックなアラブ人 304
    8 異邦人で優秀なユダヤ人 343
    9 人種差別と階級 363
    10 性をめぐる不安と妄想 398
    11 さまざまな反ユダヤ主義 433
    12 ホロコースト 450

    第三部 相互作用 
    13 混じり合う文化 488
    14 砂漠の中の火 534
    15 開かれた社会の秘密警察 553
    16 ユダヤ国家のアラブ人市民 585
    17 愛の罪 642
    18 夢 680

    訳者あとがき(一九九〇年四月一六日記) [773-778]
    索引 [vi-x]
    原注 [i-v]



    【抜き書き】

    □87頁
     パレスチナ民族主義は不自然なものだと思いたくなるかもしれない。あるいは〔……〕PLO傘下のあるグループに吹きこまれた政治路線以外はまるで目に入らない、あやつられた若者や大人たちの口にするつくりものの議論ではないな、とつい思ってしまう。イスラエルのユダヤ人は多くのばあい、このように考えがちで、パレスチナ人には正当な民族主義もなければ現実の国民的基盤もなく、その主張にはなんの根拠もないと感じている。政府の責任者たちは、もしPLOが消滅すれば、たとえば西岸地区の「もの言わぬ多数派」はイスラエル支配のもとで平和に暮らすことに満足して、国家の設立を公然と願ったりはしなくなるだろうという仮定のもとに、長らく動いてきた。これによってイスラエルは、レバノン侵攻をはじめ多大な誤算を犯してきた。〔……〕ところが、パレスチナ人の民族的な要求は、イスラエルの政治指導者たちが認めようとしている以上に根深いことが分かってきた。


    □93~94頁
     イスラエルの作家アモス・オズは、東エルサレムのアラビア語紙『アル=ファジル』を訪ねたときの対称感覚をこう伝えている。
    「この編集局の空気はおそらく、壊滅する前の東ヨーロッパのヘブライ語の新聞なイディッシュ語新聞の編集局にあった雰囲気と似かよっているのではないか。貧しさと熱気がただよい、〔……〕詩情と政治が溶け合っている[12]」
     パレスチナ人は自分たちの苦難をユダヤ人に知ってもらいたいと言っているのだ。パレスチナ人もさまざまな損失や苦境に耐えてきたことを認めてもらいたいのだ。だから彼らは自分たちの苦難を誇張し、ふくらませてナチスの支配下にあったユダヤ人の苦境になぞらえてみせる。たがそうした論法は多くのユダヤ人の憤激を買うだけのことだ。背後には信義とめんつを重んずるアラブの文化があり、イスラエルの西欧系ユダヤ人にはほとんど理解できず、まして黙認などしがたい、あふれんばかりの儀礼的丁重さがある。〔……〕どちらの側も、ほんとうに相手の目をのぞきこんでいない。

    [12] Amos Oz, In the Land of Israel (1983) p. 157――邦訳『イスラエルに生きる』昌文社

    【抜き書き 了】

  • 面白いが長い。そして現実があまりにえげつない。ドロドロの人間関係の極致がここにある。

    アラブ人でもパレスチナ人は特殊でユダヤ人のディアスポラ的ポジションにあるようで、そうなると教育に熱を入れ始めるというのは共通しているらしい。
    排斥ー教育ー離散はセットで出てくる概念かもな。

    発見が多い本、そしてコンフリクトのありうる可能性をほとんど網羅しているかんじ。自分も調査はこういう感じで比較的長いスパンをとってやりたいなと思った。この人は5年ほど。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    「イスラエルの地」に渦巻く憎しみ、恐れ、悲しみ、そして希望。2つの民族、2つの原理、1つの国家に発する葛藤の現在。ニューヨーク・タイムズ特派員のエルサレム・レポート。

    【キーワード】
    単行本・ノンフィクション・アラブ・ユダヤ・イスラエル



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