春灯雑記

著者 :
  • 朝日新聞社
3.82
  • (1)
  • (7)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 34
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022563521

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 蔵書の中から、何気なく手に取り、20数年ぶりに再読。改めて言うまでもなく、司馬氏の博識に驚嘆しきり、そして氏の日本への熱い思いに。
    講演、あるいは述壊(氏のいう)を掲載した5編からなる。

    「心と形」は、キリスト教と比較しながらの仏教の本質論。

    「護貞氏の話」は、細川護貞氏との邂逅から、江戸時代、安土桃山と、語りは時代を縦横にとび、昭和史では、日本陸軍を無思慮集団と論破し、そのたばねとして東條がいたと記している。宰相の器でない者がその地位になったがための、国家の進むべき道を誤ったこの国の悲劇について、特に、筆を割いている。

    「仄かなスコットランド」は、「街道を行く」の英国版か。

    「踏み出しますか」は、”新しい日本をどうつくるか”が演題の講演録。今読み返すと、TPPへの、司馬氏のひとつの提言に思える。

    「義務について」も、ロンドンでの講演に加筆したもので、氏の博覧強記には圧倒されるばかり。

  • 日本人の根本思想をキリスト教との対比で炙り出す「心と形」。同様に英国と対比させる「仄かなスコットランド」。国家としての日本の未来を探る「踏み出しますか」と「義務について」。細川元首相のパパの日記から戦時内閣を語る「護貞氏の話」のエッセイ5篇。日本人が日本人を理解するのに役立つ。面白い。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎は、1923年、大阪市生まれの日本の歴史小説家・エッセイストである。故人。
本名、福田 定一(ふくだ ていいち)。大阪府大阪市生まれ。筆名の由来は「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」から来ている。
特に歴史小説の大家として知られ、代表作は「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」「新撰組血風録」「菜の花の沖」「花神」「世に棲む日日」「梟の城」「関が原」「功名が辻」「国盗り物語」「街道をゆく」「十一番目の志士」「城をとる話」「風神の門」「二十一世紀に生きる君たちへ」他多数。その多くが大河ドラマ化、テレビドラマ化、映画化、コミック化などの形でマルチメディア展開されている。

司馬遼太郎は産経新聞社記者として在職中の1960年に、『梟の城』で直木賞を受賞。
1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。
戦国・幕末・明治を扱った作品が多い。
1996年2月に72歳で逝去。
2001年には、東大阪市の自宅隣に司馬遼太郎記念館が開館。

春灯雑記のその他の作品

春灯雑記 (朝日文芸文庫) 文庫 春灯雑記 (朝日文芸文庫) 司馬遼太郎

司馬遼太郎の作品

ツイートする