法王庁殺人事件

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 22
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022563835

作品紹介・あらすじ

ミケランジェロが蘇らせる永遠の都ローマ。ルネサンス期最後の法王庁に阻まれたヴェネツィアの貴族マルコと遊女オリンピアの悲劇的な恋。『聖マルコ殺人事件』『メディチ家殺人事件』に続く著者会心の歴史サスペンス・ロマン3部作完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 殺人事件がいつ起こるの???と半分来た頃に思いましたんですが・・・・・98%で起こりました。在りし日のローマとかあそこら辺の人々なんかが想像できて良かった本でした。

  •  ……さつじんじけんはどこですか?(笑)

     小説であるとか、事件ものであるとか思わずに、16世紀に生きた人物の目には、16世紀のローマはどんなふうに映っていたのかを見る本だなぁと思いました。むしろそれ以外の何者でもなく、主人公マルコは16世紀ローマの史実に実在する人物と会話し、16世紀のローマの都市を眺めて感想を抱き、触って生活をして遺跡を見学して、――という話です。
     いや、殺人事件と書いてあるだけあって死ぬ人もいるし事件っぽいものもあるのですが、小説内で通して1つのイベントがあるわけではなく、マルコの滞在記というか景色と歴史の描写に終始している感じでした。そういうものを読もうと思うなら楽しめるかもしれない……つまり、著者が塩野七生であることを理解した上で、塩野七生の描く歴史図を見たいと考える範囲においてならば。
     そうでなければ、事件もの、エンターテイメントを期待してこの本を開くと、不満足な結果に終わってしまう事と思います。

     フィクションとノンフィクションの人間関係も、ああこういう風な展開にするのねーというのはありますしこのシチュエーションはむしろ好きな部類ですが……せっかくフィクションなのに、いまいち、歴史を俯瞰して書いた感が拭えなくって、設定は設定として、これを動きのあるストーリーにはもう少しできなかったものかと思います。20年近く前に書いたものだけてあって、筆がこなれていない感がすごくするのも残念といえば残念。
     当時の雰囲気や勢力関係を知るにはとても役に立ちました。特に、ヴェネツィアの共和制システムって面白い。

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