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- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784022571748
作品紹介・あらすじ
自由民権への夢を胸中ふかく封印し、藩閥政府の外相として辣腕をふるい、日清戦争を勝利に導いた陸奥宗光。その切り開いた政党政治の道を、星亨、西園寺公望、原敬がつづく。近代日本の政治史が生んだもっとも透徹したレアリストの生涯と精神の劇。
感想・レビュー・書評
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何という読み難い本であることか。
本書は歴史小説や学術書ではなく「歴史書」であるというのが適当であろうか。
とにかく資料の引用が詳細かつ緻密である。延々と引用する明治初期の候文は読むのにも一苦労だ。それでも最後まで読むことができたのは、「アーネストサトウ日記抄 遠い崖」全14巻を魅了されながら読了した体験があるからである。
「遠い崖」のくどいまでの詳細さは、読み込む始めはつらいものの、読後には明治期の時代の空気を味わうという楽しみの中で膨大な歴史の知識を与えてくれた。
本書は同じく読みづらいものであるが、明治初期の日本の指導層の動向と変転を、歴史の結果のみだけではなく人脈や人間関係にまで踏み込んで描き出している。
小生はかつてより、なぜ日本が朝鮮半島から大陸に進出して昭和の大破綻を招いてしまったのかとの疑問を抱いていた。多くの歴史書を読んでも満足できる答えに出会えたことは無かったが、本書の下巻で初めてその解答が得られるかもしれないと思うと楽しみである。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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