ブッダの夢―河合隼雄と中沢新一の対話

  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 83
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022572400

作品紹介・あらすじ

心理療法の現場から仏教に実践的関心をもつ河合隼雄とチベット密教を修行しつづける野生の思想家中沢新一。宮沢賢治、アメリカ・インディアンの神話、箱庭療法の事例をもとに、人類の大きな知恵である「仏教」を語りあう。脱線につぐ脱線の名対談。

感想・レビュー・書評

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  • 二人の対談は難解につき要再読。河合隼雄曰く、カウンセリングに仏教が役立つ。湯川秀樹は夢の中で中間子を発見。華厳経。明恵の「夢記」。中沢新一がキリスト教から仏教に転向したのは構造主義。キリスト教の自力思想と浄土真宗の他力思想の中間点探し。鈴木大拙「日本的霊性」は要読。宮沢賢治、西田幾太郎。箱庭療法と芸術、俳句。アメリカ・インディアンのグレート・スピリットは神話の核。悪の倫理。善悪を三枚におろす。真ん中は魂。仏教は二でなく三。ファシズムは二の思考。生命の目標は幸福。東洋思想は快不快の原理が原点。

  • 対話と言う形式からか、脱線とまではいかなくても話が多岐に渡って面白い。
    「仏陀の夢」と言うタイトルながら、インディアンやアボリジニ、西洋と東洋そして一神論と多神論などと話が広がっていく。
    ユダヤの答えを一つに統合した一神教的理想とヒットラーの恐怖心からなる夢が、図らずも意に反して終わりのない競争世界と言う同じ方向に向かってしまうジレンマ。
    古きから伝わる土着民のあらゆる答えを受け入れる多神教的和合の実践は、社会を自由な個による一体観へといざなう。
    そして自分と向かい合うことで心身ともに、病を乗り越え死と向き合うことを可能にする。

    箱庭療法の話では、自分を見失った人がたくさんのアイテムの中から自分の思いで選び出したものを置いて、自分流の箱庭を組み立てる。
    その行動が自分の奥深くを吐き出すことになって、心身に染み込んでいた重荷を溶かし身軽な自分を再現する。
    その工程を箱庭療法と呼ぶらしいが、これも単に道具に過ぎず、結局のところ指導する人の一歩引いた広い愛でしかその効果を引き出せない。
    自分で生み出す倫理・モラルと外から与えられる法・戒律が目指すものは、まったく違う結果へ向かうことになる。

    残念ながらこの対談もお互いをかばいあってなのか、対話する二人が仲良しすぎて切迫感を欠き話に力を感じないのだけれども、その内容は現代社会の価値観とか善悪間から遊離していてそれなりに面白い。
    アウトサイダーを受け入れてしまえば、束縛と脅迫の中をパニくらずに自由に歩けることを語っているようだ。

  • 2009.2

  • 仏教って何?ってなんも知らん人も、楽しく雑学王になれ
    仏さんが近く感じられてしまう、お得でありがたい一冊。

  • 興味深い本ですが専門用語や専門書、専門家の名前がずらりとでてきて、それがさっぱりわからないので、わからないままに飛ばせばどうってことはないのですが、それについてわかろうと思えば難しい本です。
    河合先生のご専門の箱庭療法の実例写真が出ていてびっくり!しました。

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著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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