理由

  • 朝日新聞社 (1998年5月1日発売)
3.49
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784022572448

みんなの感想まとめ

テーマは現代社会における人間関係の歪みと、それが引き起こす悲劇です。地上25階建てのマンションで起きた一家4人殺しの事件を、ルポライターがインタビューを通じて解明していく構成は、読者を引き込む力を持っ...

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきさんのことが嫌いになりそうなほど、出だしが怖い。
    初めてじゃないのに読むのをやめようかと思いました。でもやっぱり最後まで読んで良かったです。

  • 時々長編をじっくり読みたくなる。そんな時宮部みゆきさんの作品はもってこいだ。
    この作品は、1996年9月から朝日新聞の夕刊に1年間連載されたもので、571Pの長編だ

    バブル経済の崩壊の時期に誕生した地上25階建ての超高層マンションの2025号室で起きた一家4人殺し

    事件の解決後、ルポライターが事件関係者に行ったインタビューという形で話は進んでいく
    しかし、読者にはまだ犯人は分からない
    インタビューの対象者があまりに広範囲に渡っていることとその内容があまりに遡って語られているため、途中話の筋が見えなくなり、誰だったっけ?と混乱してしまったが、それぞれに家族や生い立ちやら背景があるということか

    マンションの高額なローンを払えず、抵当権者が裁判所に競売の申し立てをし、競売が実施される
    買受人や占有者・執行妨害・・・云々
    今まで全く知らなかったことがちょっとだけ分かった
    そういう中にも事件が潜んでいることも

    途中、挫折しそうになったが、後半に入り事件の概要が見えてくると俄然面白くなった
    当たり前のことながら、最後は、きちんと収束したのはさすがだなと思った

    いろんな家族やマンションの住人を描くことで現代社会が抱える人間関係の歪みが浮き彫りにされていた
    以前、隣家とトラブルがあったため、
    「隣近所は頼りがいのある存在ではなく、警戒するべき存在だと言い切り、「隣人」が怖い。「世間」が怖い。そして、「コミュニティ」が怖い。そのため、必要以上の接触は避けているという事件現場の隣室に住む北畠家

    家族を否定し、家を飛び出し、見ず知らずの他人との家族まがいの同居生活に気楽さと居心地の良さを感じていた犯人の八代祐司

    希薄になってしまった家族関係・人間関係が生み出した事件だった
    連載から20年以上が経過した今、同じような事件が毎日のようにニュースを賑わしている

    これから益々高齢化社会に向かい、隣近所の繋がりや支え合いが大切になるであろうに、隣人が怖いなんて悲しすぎる




  • 火車に引き続き、宮部みゆきさんの作品は2度目です。インタビュー形式で進んでいく話の構成に火車の時とはまた違った形で真相や理由が明らかにされていく展開、面白かった。

  • 『模倣犯』や『火車』のような小説だと思っていたらだいぶ違った。真相にいたるまでの背景の書き込みがすごい。

  • 読書家で音楽家、カメラマンなお友達と来年から読書会を開くにあたり、課題図書として提案してもらったのがこの本。
    分厚さもだけれど、登場人物が多く、頭が混乱しました

     WOWWOWのドラマを観ながら読んで、やっと理解し、また忘れて戻って、の繰り返し。

      登場人物の中で一番魅力的だったのが片倉信子ちゃん。

    中学生なのに、おばあちゃんとお母さんの嫁姑問題2頭を悩ませ、お父さんが悪い、と冷静に判断できる賢い子です。
     親友の翔子ちゃんも詳しい事情はわからなくても、信子の言うことなら信じる、と言い切る良い子。
    しかも、のんびりしたおまわりさんに『手柄になるんだから早く行きなよ』なんて言えちゃう。
     私が中学生だったら友達になりたかった。

      この二人は、初めに登場するので何度も読み返して、否が応でも覚えたからかも。

    • naoさん
      素晴らしいです。私が一年以上かかり
      読んだ本を数日で読み終えるなんて
      すごすぎる!!(私が遅すぎる(笑))
      素晴らしいです。私が一年以上かかり
      読んだ本を数日で読み終えるなんて
      すごすぎる!!(私が遅すぎる(笑))
      2024/12/23
    • bookmofさん
      リモート授業?みたいにドラマ観つつ、本を読み、すぐに行き詰まり、スマホで検索(笑)

      先生、質問があります!は使えないし。

      でも、...
      リモート授業?みたいにドラマ観つつ、本を読み、すぐに行き詰まり、スマホで検索(笑)

      先生、質問があります!は使えないし。

      でも、苦しくても久しぶりの楽しい(強がり)時間でした。
      ありがとう!
      2024/12/23
  • 直木賞受賞作。570ページ。ちょっと長めかな。真ん中ぐらいに法律関係の説明が入り、うわー大丈夫かと思ったが、後半に入るとさすがグググッと引き込む感じがあり、さすがという感じがした。

  • なかなか面白かった!
    600ページ弱あったので、さすがにサクサク読むとはいかなかったけど、読み進めれば進むほど引き込まれた。
    色々な家族のあり方。
    父親の威厳…。親と子の確執…。
    血のつながりの有り無し…。

    色々考えさせられる話で、私的には読後も良かった。
    話の展開というか構成もさすが宮部みゆきさんだなとおもった!

  • 残念ながらちょっと期待ハズレでした。

  • 宮部ワールド炸裂。

    細やかな取材の跡があり
    複雑な人間関係も丹念に描きこまれている。

    伏線も張り巡らさられており、面白かった。

  • 重い。
    登場人部の背景がそれぞれリアルなだけに、とても重い。
    八代祐司については割とあっさり語られているところが怖いな。

  • 新しい高層マンションと、古くからある町。バブル以降の人々の右往左往。現代の街を描いているように思う。主人公はこのマンションだ。
    インタビュー形式だが、数多い登場人物の動きもわかりやすく、読みにくさは感じなかった。宮部みゆきさんの比喩のうまさや、人の心の動きもよくわかり、さすがだと感じた。
    宮部さんの現代ものでは一番好きだ。「火車」も名作だが。
    「龍は眠る」や「魔術はささやく」といった系統の本もまた書いていただけないかなぁ。。。

  • 再読

    競売マンションでの殺人事件を軸にした
    第三者による事件の手記という独特な形式。

    好き嫌いはあるだろうがこの形式が「人間を描く」
    という点で活かされていると思う。

    いつだって真実というのは、見る人によって角度によって違う、
    それぞれの「理由」がある。

    宮部作品の中でこれはそんなに好きな方じゃないけど
    いつも、人間を描くのだという姿勢が好きだ。

    こうね・・・親戚の真面目なおばちゃんに
    浮ついた生き方してたら駄目よ!って言われているようなね(笑)

    それにしてもさー、発売当初から思ってたんだけど、
    表紙の写真のおじさん怖くねー?
    怖すぎて見るたびびくびくしちゃうよ><

  • もろい家族関係が殺人事件を複雑なものとする。ほとんど悪いやつはいないのに悲劇が生まれる。誰にでも不幸が訪れるチャンスはある。ささやかな日常も貴重なものかもしれない。

  • 持ち主いわく、「まどろっこしい」といっていましたが
    本当だ、これはまどろっこしいね(笑)
    人物描写が濃厚すぎます。

    一応ミステリーとしては
    さほど度数は強くなく、
    犯人も隠されていませんので
    ある程度の段階であっけなく判明します。
    だけれども、その真の犯人は責められないなぁ…
    これって今現在でも問題ですし…

    本当、こう言う目に遭う人
    減っていただきたいものです。
    もし自制があれば…!!

  • 朝日新聞夕刊に連載されていた作品。インタビュー形式で始まる作品に馴染めなくて読むに苦労した。よく作り込まれているけど、読んでいてワクワクしたり楽しくなる感じではない。

  • 今さらですが読みました。大変面白かった。完成度が高い。細かいディティールが素晴らしい。一つの事件への様々な角度(人物)からの描写が、それぞれの「理由」を浮き立たせる。それは反転して、希薄な現代日本社会では失われた、他者への「思いやり」に繋がる。殺人事件が題材ですが心温まりました。

  • 今まで読んだ宮部みゆきの中では、一番、読みづらかった。
    テンポがいつもと違って少しゆっくりめだったからか、妙に先に先にと期待をかけるような書き方をされていたからかもしれない。
    作中、重要な役所をつとめる宝井綾子にまったく共感できなかったからかもしれない。
    キャラクター自体は、作り込まれていて、石田家の内情や、他の人物たちの内情なんかもきちんと書かれていたのに。
    個人個人は悪くない。各々が、各々の事情を抱えて、各々の思いをもってして行動した結果が、どうにも上手く相手に伝わらない。普通なら、ただそれだけで終わることが終わらない。自分でもコントロールできないところで、何かが少しずつ変わっていって、何かが崩れていって、という話の流れは切なくて良かったんだけれど……。
    何かがとっても不完全燃焼な作品でした。

  • タワマンで起きた一家四人殺害事件、その真相は。

    解決した事件を、各関係者に取材を重ねて真実を明かす構成だが、とにかく登場人物が多く、何度と戻って確認することを繰り返した。
    競売と、そこから富を得ようと画策する犯罪を初めて知った。
    家族間の不和や不幸が、絡み合って起こった事件。
    石田が手に入れた部屋は、事故物件となって、きっとこの先もいわく付きになってしまうだろうし、赤ちゃんも自分の出自を知ることがあるだろうし、悲しい未来を思うと苦しい話だった。
    とは言え、登場する若い子が皆いい子たちばかりだったのは良かった。

  • 面白かった!
    長編小説だけど連作短編のような、ちょっと変わった構成です。

    事件の概要がなかなか見えてこない展開に、最初はまどろっこしく感じました。
    が、そっちがその気なら(?)私も腰を据えて読んでやろうじゃないの、と読み始めれば、あちこちで起こる人間ドラマに夢中になり。

    一つの物語の中に、よくもこんなに濃い人間関係を詰め込めたなぁと。それが、最初に書いた「連作短編のような」印象になりました。
    家族、男女間の恋愛、子育て、老後…この本の登場人物とアイデアを分割して、何冊も別のお話が書けそうなくらい。

    個人的には、ちょうど勉強していた内容につながる、民事執行妨害の話が出てきたのも面白かったです。

  • 誰も、それこそ自分も望んでいないけれど、仕方なくしてしまったことがある。それは当人にすると本当に仕方が無いのかもしれない、でも、第三者から冷静に客観的に考えると、その限りでは無いことが往々にしてある。とはいえ、起こったことが事実で、誰しもがその人・その場所にに代わりようがないこともまた事実であるので、起こしてしまった人でしか分からない事実を、どれだけ周りの人が自分の身になって考えてあげられるか?が、真実に到達できる一つの方法だと思うのだけれど、そんな、起きてしまった事象について、参加者それぞれの事情や背景について読ませてくれる、正に”理由”というタイトルにふさわしい小説。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ・みゆき):一九六〇年東京都生まれ。八七年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『火車』で山本周五郎賞、『理由』で直木三十五賞、『名もなき毒』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。『霊験お初捕物控』『ぼんくら』『三島屋変調百物語』シリーズ、『きたきた捕物帖』シリーズなど著書多数。


「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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