いまどきの老人

制作 : 柴田 元幸  畔柳 和代 
  • 朝日新聞社
3.42
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本棚登録 : 32
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022573018

感想・レビュー・書評

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  • 老人小説より老婆小説の方が面白いと思ったのは、常識の枠からのはみだしっぷりが老婆の方が大きいから。少なくともこの短編集のなかでは。

    最後の最後できゅっとひねった落ちがつく短編小説が個人的には好きなのだけど、ここにはそこまでシャープなものはない。

    にやりと笑える「おばあちゃんと猫たち」
    あ、そういうことだったのと最後にわかる「リバイバル」
    正統派の怪談「プール・ピープル」
    じわじわと薄ら恐い「ミスター・イヴニング」

    あたりを面白く読んだ。
    あら、ちょうど半分。

    短編なので、あまり詳しく書くとネタバレになってしまう。

    でも「ミスター・イヴニング」の、交流を拒絶するような交流。その拒絶のなかに潜む、からめ捕られていきそうな恐怖。
    最後にそこまでやるのか~!という描写。
    私だったら絶対泣くね。
    そう思いながら一気読み。一番好きな話。

    「冬のショパン」は、多分明日あたりにじんわりと沁みてきそう。

    いろんな作家の書くいろんな老人。
    今も昔も、ただ者ではない老人が面白い。

  • 柴田元幸編・訳による短編集。
    収録作は以下

    シャーリー・ジャクソン「おばあちゃんと猫たち」
    アリソン・ルーリー「プール・ピープル」
    ジュリアン・バーンズ「リバイバル」
    ジョアンナ・スコット「You Must Relax!」
    パジェット・パウエル「紳士のC」
    ジェームズ・パーディ「ミスター・イブニング」
    エレン・カリー「ハムナイフであんたたちのお父さんを刺したのは私じゃありませんよ」
    スチュアート・ダイベック「冬のショパン」

    「このアンソロジーは、そのように老いの現実的問題点に真っ向から取り組むのでもなく、あるいは元気な老いや老いの豊かさを明るく称揚するのでもなく、生産・効率重視の日常から思い切り自由な、いわば「異人」のような老人たちの話が中心になっている。」と著者あとがきにあるが、そこまで魅力的な老人の話ばかりではないかも・・・。

    シャーリー・ジャクソンは「くじ」と「ずっとお城で暮らしてる」しか読んだことなかったけれど、この収録作も面白かった。短編集でないかな。
    スチュワート・ダイベックの作品は「シカゴ育ち」に既に収録されていたものだったけれど、再読してもやっぱり面白かった。
    「プール・ピープル」は恐怖小説アンソロ収録作だったそうで、いかにもって感じでした・・・。

  • 海外短編小説のアンソロジー。あとがきによれば、コンセプトは『いま出ている老人小説集は生真面目でつまらん、もっといい加減な老人たちが集まったアンソロジーがあったら楽しいのに』だとか。

    いわゆる「老い」の物語ではなく、偏屈だったりパワフルだったり老獪だったりする個性的な老人が出てくるというシバリ。お婆さんの話が多かった。重苦しさがなく楽しめる。

    老人が事件解決するミステリを期待したのですが、そういうのはなかった。

  • 出版されたときに購入してちびちび読んでいましたが、柴田さんが翻訳するという意義のあるものだなあと、つくづく。今年はショパン生誕200年なので最後の「冬のショパン」を読むのも乙かも。
    基本、私は併読が学生のころから得意なのですが、今は毎日一冊以上、というのは意識していなく、またものによっては読み終わるのが惜しいものもあったり。
    久しぶりに字数制限して小説を書きたくなりました。

  • とにかく楽しい!!!でもって格好いい!!

    あと、このひとは題名つけるの巧いなぁって。
    『むずかしい愛』にしても、『いまどきの老人』にしても。
    そしてまたも、こそっと副題『』Don't Trust the Over-60s』が付いているのにも。

    「You Must Relax!」(ジョアンンア・スコット)の痛快さ。
    「ミスター・イヴニング」(ジェームズ・パーディ)の、いやほんと、「ニヤニヤ笑い」を浮かべるしかないような。

    滑稽で極端で、ヒトを喰ったような話。
    は、やっぱり老人を主人公に据えるて愛らしく。

    (しかし、こういう強烈なお話があり得ると思わせるような「老人」像を、
    自分の祖母や数少ないご老人な知人の中に求めるのは困難なような。)

    (若者は、どの世代どのお国柄にあっても、結局は「若者」に過ぎないが。)

    (この母が老いたら・・・とか、このひとが老いたら・・・いったい世の「老人」像はいかに変貌することか?)

  • 柴田さん訳ってことで見つけて飛びついた一冊。やっぱり彼の日本語は素敵だった、けどそのお話自体はそんなにすきじゃなかった、かな。この中でいちばんすきだったのは、柴田さん訳ではなかったけどコミカルで皮肉でホラーな『プール・ピープル』でした。

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