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- Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022573162
作品紹介・あらすじ
第二次長州戦争の敗北と家茂の死。危機のなか第十五代将軍となった慶喜は、その識見と人間的な魅力で英国公使パークスらを強くとらえた。雄藩連合政権か、徳川幕府の独栽か。「情報将校」サトウが縦横に活躍する。
感想・レビュー・書評
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いやー長い本である。幕末をまるで目の前で起きたような詳細さで描き、これだけの分量を突きつけられると、それがイギリス人の目を通した記録であろうとも、まさに自分自身が幕末をまるで追体験したかのような思いを持った。
しかし、この幕末を舞台とする話において「天皇の名目上の主権の保持」という話が出てくると、現在の日本における「象徴天皇制」を思いおこす。
しょせん「日本」というものは「幕末」でも「平成」でも、あまり変わっていないのではないか。
やはり、一国の「文化」というのは100年や200年ではあまり変化しないのではないのかとの思いを持った。
それにしても、本書の「兵庫と西海岸での一港での開港」と「二つの大都市(大阪と江戸)」においてのパークスをはじめとした「西洋外交団」と「徳川慶喜」とのせめぎあいは圧巻である。
「徳川慶喜」については、様々な見方はあるが、わずか31歳でのこの政治的駆け引きは実に非凡としか言いようがない。
おそらく、この後の展開も「明治維新」が、「必然の道」を進んだのではなく、数多くの選択肢の一つをあたかもピンボールのボールのように、ジグザグに石が転がるようにすすむのだろう。
次巻からはいよいよ「大政奉還」向けた動きだろうか。ますます楽しみである。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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