にせもの美術史―鑑定家はいかにして贋作を見破ったか

制作 : Thomas Hoving  雨沢 泰 
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 22
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022573612

作品紹介・あらすじ

古代ローマでつくられた似非ギリシャ美術から、現代巨匠の贋作まで、欲望と嘘に彩られた「芸術的詐欺」が巻き起こしたスキャンダルは数知れない。元メトロポリタン美術館長にして慧眼の鑑定家が語る贋作者たちとの頭脳戦。

感想・レビュー・書評

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  • 美術品の贋作の何たるかを理解するにあたっては、本書に紹介されている以下のエピソードを読めば事足りるだろう。

    (以下概略)
    ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館が1912年に入手したテラコッタの婦人像はバスティアニーニ(注:著者が史上最強の贋作者の1人として記している)の贋作だと考えられていた。オリジナルはルーブルにあるデシデリオ・ダ・セッティニャーノのもので、こちらは正真正銘の本物ということだった。ところが現在、ルーブルのデシデリオが贋作疑惑に包まれている。どうやら、バスティアニーニはヴィクトリア・アンド・アルバート美術館のテラコッタ婦人像をモデルにしてルーブルのデシデリオをつくったらしいのだ。(概略終わり)

    ルーブルのような超有名美術館にも平然と贋作が陳列されているという現実。真作が贋作に、贋作が真作に入れ替わる鑑定の難しさ、すべての科学的テストをかいくぐる贋作の凄味----メトロポリタン美術館の館長まで務めた実務家が記したものだけに、贋作者の系譜、贋作にだまされ、それを見破り返すいたちごっこに関しては読み応え十分の内容となっている。著者本人はかなり尊大な性格のようで、文章の端々に顔をのぞかせるドヤ顔はいただけないし、文章そのものも読みやすいとは言いがたい。しかし、そうしたマイナス面を差し引いても一読の価値はあるだろう。面白かった。

  • 下手なサスペンスよりもわくわくどきどき。
    メトロポリタン美術館館長著のノンフィクション。

    知識と最新科学と審美眼と誇りを武器に
    贋作を見破っていく過程にどきどき。

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