カルヴィーノの文学講義―新たな千年紀のための六つのメモ

制作 : Italo Calvino  米川 良夫 
  • 朝日新聞社 (1999年4月発売)
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  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022573650

作品紹介

これからの文学に必要なもの、それは「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」-全く新しい視点で古今の傑作を論じた書。

カルヴィーノの文学講義―新たな千年紀のための六つのメモの感想・レビュー・書評

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  • 読んだ瞬間、少なくとも自分は作家になれた。

  • ギリシャ神話からガリレオ、ポーやジョイス、フロベールにボルヘスまで、古今の書物を縦横に駆け巡りつつ、「新たな千年期のために」称揚し継承する文学上の「価値」、「軽さ」「速さ」「正確さ「視覚性」「多様性」について。

  • カルヴィーノの詩学講義を文字起こししたもの。文学的なテーマ論なのだけど、どのジャンルにも通用して刺激的な論考。文学に限らず、芸術に何が必要かということを考えるときに参考になる。

    副題は「新たな千年紀のため」と銘打っている。ミレニアムというわけですな。1000年経っても変わらない普遍的な文学的価値は何かということをハーヴァード大学で講義するために、カルヴィーノは六つの価値を考えた。

    すなわち
    1、軽さ
    2、速さ
    3、正確さ
    4、視覚性
    5、多様性
    6、一貫性(これは未講義、つまり文章は残っていない)

    尺度とでも言っていいだろうか。
    じゃあ、ちょっとした映画を考えるとき、そこに何が必要かをそこに当てはめてみるとおもしろい。
    一番目に「軽さ」が来ていることが興味深い。

    この論考は文学を題材にして実例にしてはいるけれど、つねに読み返して考察してみたい本だ。

  • イノベーションの理論と並んで自分の世界の理解の仕方の基礎にあります。

  •  学部3年の時夏にかけて読んだ一冊。格好つけて買った一冊にはまってしまった。このたび、岩波文庫で再販ということで見てみれば、岩波文庫版にはこの版では載せられていない文章が付け足されているとのこと。やはり欲しくなって買っちゃいました。

  • 25年も前に書かれた作品だとは信じられない程、新鮮さの感じられる講義。

    実質上、作者の遺稿であるこの作品は何の因果か文学の未来を考える作品というのは、何だか少し皮肉だ。

    軽さ、速さ、正確さ、視覚性、多様性、(一貫性)という5(6)の要素が本書では書かれている。

    これを読むと、現在の文学がどれ程25年前から進歩がないのかとよくわかる。実際はあるだろうが、それにしても微細なことは確かである。

    書かれずに終わった、「一貫性」の項目は書かれていないが故に一層魅力的なものとなっている。
    文豪と呼ばれる人物達に、未完の作品が多いのも偶然ではないのだろう。

    次なる千年紀に、作者の理想が少しでも叶うよう----

  • 私には言葉というものがつねに曖昧で、出まかせに、ぞんざいに用いられているというように思われ、そのために免(ゆる)すことのできないほどの不愉快さを感じているのです。……言葉の伝染病……その徴候は識別的な機能や端的さの喪失、あるいはまた表現をおしなべてもっとも一般的な、没個性的で、抽象的な決まり文句に均一化させてしまい、その意味を稀薄にして、語と語が新しい状況に出合うときに発する火花をいっさい消し去ってしまおうとする一種の無意識的・機械的な振舞いとして現れています。……文学が(そして恐らくは文学だけが)、言葉の病気の蔓延を阻止できる抗体を生み出すことが可能なのです。
    -----------------------------------------
    (イタロ・カルヴィーノ著『カルヴィーノの文学講義 新たな千年紀のための六つのメモ』「正確さ」より)

    今日アマゾンから届いたこの本の帯に、上記の抜粋が書かれているのを読み、いたく心を動かされ、これは記事にしなくてはと思い、急く心を抑えながら書いています。わたしが常日頃感じていることが、そのままここに言葉となって現れていることに、あまりに驚いて。

    ここしばらく、若島正氏の書評や評論を集めた本『乱視読者』シリーズを読んでいて、文学(小説)を読む歓びと、それを深く読むことの意味を、改めて考え味わっています。

    生まれてきて、生きていて良かったとつくづく思うのは、こうした文学作品や評論に出会えたときです。文学は、もっともっと多くの人に読まれるべきです。(2007.2.21)

  • 古典を読む理由はただ面白いから。

  • 簡潔で清明で明晰な声。

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