むずかしい愛: 現代英米愛の小説集

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022574169

作品紹介・あらすじ

男の目をつぶし女の耳を焼く恋人たち、理想の女性を想像力で創造する男、電子的メモリーのみに存在する妻…柴田元幸が選んだ"普通じゃない"愛の小説集。

感想・レビュー・書評

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  • ヘレン・シンプソン/完璧な花婿
    テレサへの手紙/ウォルター・モズリイ

    一番好きだったのはV・S・プリチェットの「満足のいくこと」
    「男は胃袋でつかめ」という言葉のおしゃれな表現。

  • 図書館本です。感想の時点で著者データが欠けているので補足しておくと、柴田元幸さん・編のアンソロジー。同じく柴田さんのアンソロジー『僕の恋、僕の傘』のあとがきでちょっとだけ触れられていた本だと思う…でもなんか不穏だ(笑)。

    どの作品も柴田風味を楽しめます。レベッカ・ブラウン『私たちがやったこと』は、痛い+怖いのが嫌い(笑)な私にはちょっとビビる基本設定。でも、2人がこしらえた「完璧」なシステムの結末がやりきれないー。特にラスト数行は美しくも哀しいです。トレヴァー『ピアノ調律師の妻たち』は、映像化できない(と思う)、ギクッとするほどの心情の細やかな描写が、言葉の面目躍如でしょうか。モズリイ『テレサへの手紙』は、展開が若干読めちゃうものの、主人公の年月が読み手にもひたひたと押し寄せてきます。

    岸本佐知子さん編『変愛小説集』とどちらが難易度の高い「愛」なのか、読みくらべてみるのも楽しいと思います。個人的な印象では、岸本さんセレクトは作品世界にある種のオープン感+爽快感があるのに対し、柴田さんセレクトは限られた空間で、ややウェットな感じがする(笑)。一見可愛いタイトルの「むずかしい」も、「成就させるには試練がいっぱい!」というドキドキなものではなく、「遠いものへの哀惜」をこめた響きだな、と思いました。あるかなきかの薄い笑いで「むずかしいね」と口にするときのような。

    読後感が実に私好みのセレクトで、この☆の数です。古めのものを読んでいてこう言うのはなんですが、ここ10年ほど、英米文学アンソロジー界は柴田さんのほぼ独壇場なんだなー、と思います。素晴らしいお仕事っぷりではあるけれど、ほかに誰かいねーのか、ともちょっと思ってしまう(笑)。

  • ミルハウザーは読むたび好きになります。ここに入ってた「ロバート・ヘレンディーンの発明」も幻想的で緻密で美しく物悲しく、スノードームをのぞいてるみたいな気分になった。読んだことあった「私たちがやったこと」って話とミルハウザー以外だと、ジョン・クロウリーの「雪」が好きだなあ。

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著者プロフィール

1956年ワシントン州生まれ、シアトル在住。作家。翻訳されている著書に『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』『家庭の医学』『犬たち』がある。『体の贈り物』でラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞受賞。

「2017年 『かつらの合っていない女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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