マダムの幻影

著者 : 藤本ひとみ
  • 朝日新聞社 (1999年9月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022574299

マダムの幻影の感想・レビュー・書評

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  • 生きる為、成り上がる為に、聖職者という身でありながら、頭を体を使って色々な人を手玉に取ってきたものの、革命ですべてを失ってしまった助任司祭のルナール。

    若かった昔、マリーアントワネットの裁判で近親相姦を告発したルナールに「あの下劣な証言は、君の下劣な人生から出たものか」と言い放った弁護士のクードレー。

    彼の残した娘から「マリーアントワネットの娘であるマダムに渡して欲しいものがある」と言われる。

    それは、クードレーが流刑先でわざとラテン語で書いた、マリーアントワネットとの交流と残された子供への遺言、そして大きな秘密だった。

    ラテン語で書かれているので訳すのに時間がかかり、また、マダムことマリー・テレーズの心がときほぐれるまでの時間もあり、ゆっくりと秘密が暴かれて行きます。

    まだ14歳という身の上で両親を亡くし、残ったたった一人の弟は父の子ではないという事実を抱え生きてきたマダムの苦悩は想像に難くありません。

    弟は幽閉先から連れ出されたような記述もあるのですが、はっきりとはしません。実際「自分こそがシャルルである」と名乗り出た人間は多数いるそうですが、真実を知っている以上、マダムは本人であってもフランス国王とすることは出来ない。

    最後にナポレオンが攻めてきますが、マダムに本当の安らぎが訪れますように。

  • フランス革命は流れが速く、いまだにはっきりわからないことや、はっきりさせたくないことが沢山あって、作家には宝の山だろう。マリー・アントワネットの娘で革命を生き延びて長生きしたマダム=マリー・テレーズ・シャルロッテ・ド・ブルボン、ああ長い名前。彼女には元から為政者としての自覚はなく、芳を追われたばかりの公主孫紹のような人間である。話の進め手であるルナールはホストの成れの果てのような男で作者の好みである。と言うわけで作っている本人はとても楽しんでいるようだが、出来はいまいち。

  •  このマダムっつのは、マリーアントワネットの娘。彼女が、母親の弁護をした男の残した手記を読むって話。もっとも、そこまでくるのに、革命に翻弄された司祭の話が延々と。が、アントワネットとルイ16世の遺体を発掘する現場からはいって、場面をくるくると変えていく手法がすごい。悪くいうと、TV的なんだが、非常に印象的かつ劇的であることはいなめない。
     藤本ひとみの作品はどれも読みやすくて、すごくシンクロしやすい人物がいて、視覚的で、これぞエンターテイメントだなっと思う。

  • 日本で大人気のマリーアントワネットを書かず、あえて娘のマリーテレーズに焦点を当てたところがこの本の面白さであろう。

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