マダムの幻影

  • 朝日新聞社 (1999年9月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784022574299

みんなの感想まとめ

歴史的な人物を新たな視点で描いたこの作品は、マリーアントワネットの娘、マリーテレーズを中心に展開されます。物語は、革命の波に翻弄されながらも、母の弁護を試みる彼女が、過去の手記を読み解くという構成で、...

感想・レビュー・書評

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  • マリーアントワネットとその娘が主な登場人物というくらいしか内容を知らない上で読み始めたが予想外に面白かった。リアリティーのある小説という印象。マリーアントワネットとマリーテレーズの所作やセリフが具体的に丁寧に書かれているのでノンフィクションかと錯覚してしまうがラストの場面で小説だと思い直す。でもマリーアントワネットの弁護人が彼女の回想録を残す、その回想録が何十年か後に出てくるという話が実際にあったらどんなにワクワクするだろう。過激な性的描写が多かったのが少し残念。

  • 生きる為、成り上がる為に、聖職者という身でありながら、頭を体を使って色々な人を手玉に取ってきたものの、革命ですべてを失ってしまった助任司祭のルナール。

    若かった昔、マリーアントワネットの裁判で近親相姦を告発したルナールに「あの下劣な証言は、君の下劣な人生から出たものか」と言い放った弁護士のクードレー。

    彼の残した娘から「マリーアントワネットの娘であるマダムに渡して欲しいものがある」と言われる。

    それは、クードレーが流刑先でわざとラテン語で書いた、マリーアントワネットとの交流と残された子供への遺言、そして大きな秘密だった。

    ラテン語で書かれているので訳すのに時間がかかり、また、マダムことマリー・テレーズの心がときほぐれるまでの時間もあり、ゆっくりと秘密が暴かれて行きます。

    まだ14歳という身の上で両親を亡くし、残ったたった一人の弟は父の子ではないという事実を抱え生きてきたマダムの苦悩は想像に難くありません。

    弟は幽閉先から連れ出されたような記述もあるのですが、はっきりとはしません。実際「自分こそがシャルルである」と名乗り出た人間は多数いるそうですが、真実を知っている以上、マダムは本人であってもフランス国王とすることは出来ない。

    最後にナポレオンが攻めてきますが、マダムに本当の安らぎが訪れますように。

  • フランス革命は流れが速く、いまだにはっきりわからないことや、はっきりさせたくないことが沢山あって、作家には宝の山だろう。マリー・アントワネットの娘で革命を生き延びて長生きしたマダム=マリー・テレーズ・シャルロッテ・ド・ブルボン、ああ長い名前。彼女には元から為政者としての自覚はなく、芳を追われたばかりの公主孫紹のような人間である。話の進め手であるルナールはホストの成れの果てのような男で作者の好みである。と言うわけで作っている本人はとても楽しんでいるようだが、出来はいまいち。

  •  このマダムっつのは、マリーアントワネットの娘。彼女が、母親の弁護をした男の残した手記を読むって話。もっとも、そこまでくるのに、革命に翻弄された司祭の話が延々と。が、アントワネットとルイ16世の遺体を発掘する現場からはいって、場面をくるくると変えていく手法がすごい。悪くいうと、TV的なんだが、非常に印象的かつ劇的であることはいなめない。
     藤本ひとみの作品はどれも読みやすくて、すごくシンクロしやすい人物がいて、視覚的で、これぞエンターテイメントだなっと思う。

  • 日本で大人気のマリーアントワネットを書かず、あえて娘のマリーテレーズに焦点を当てたところがこの本の面白さであろう。

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著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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