陰陽師生成り姫

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 378
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022574985

作品紹介・あらすじ

十二年前の月の夜、源博雅に芍薬の枝を差しだし去って行った謎の姫…安倍晴明は人の心にすまう鬼をいかにおさめるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 陰陽師シリーズ初の長編。
    出版社が異なる影響もあって、短編でも読んだエピソードが散りばめられています。
    生成り姫のストーリーも短編集のその後的感じです。
    全体としては源博雅の淡い恋物語として進行しますが、最後は壮絶&やや哀しい結末に。
    博雅の恋を成就させて欲しかった…。
    マジで藤原済時ムカつくわ!
    相撲がどのように絡むのか疑問でしたが、最後に見事回収されてました。
    相変わらず源博雅と安倍晴明のやり取りが好き。こんな親友がいるといいなと思ってしまいます。
    初の長編も楽しめました♪

  • たぶん図書館にて読了。

  • 中学生の時に、夢枕獏さんの『陰陽師』シリーズにはまり、もう20年以上遠ざかっていた。友人に勧められたのをきっかけに読んでみた。誰の心にもある、恨みや辛み、それが鬼へと変える。鬼という物体は無くても、鬼はどこにでもいるのかもしれないと思わせてくれる作品だった。
    源博雅の一途で正直な性格にときめく。結婚するなら、こういう人がいいなぁと思う。晴明と博雅の関係も、見ているこっちはくすぐったいけれど、本人たちはいたって当たり前のように歯の浮くような言葉を掛け合っているのも面白い。
    『「ゆこう。」「ゆこう。」そういうことになった。』のパターンを読んで、あーこんなやつだった!なつかしーい!と興奮。

  • 晴明、博雅、周りの人間から始まるエピソードからの生成り姫に向かう動線が非常に面白かった。
    晴明と博雅の会話もじんわり温かく、ドロドロした物語に光を与えてくれる。哀しい人の常……。

  • 朝日新聞の夕刊に連載していた「陰陽師生成り姫」。
    人と鬼、執着と呪、晴明と博雅そして芦屋道満。笛と琵琶。
    何度でも読み直して楽しめる作品だと思う。

  • 陰陽師、初長編?

    昔の文献を読み解きながら、清明や博雅の人となりを紹介しながらの始まり。
    歴史とか国語で出てきた文献の名前が出てきて、そういうことも書かれているのかと。

  • 陰陽師シリーズ初見。貴船神社の丑の刻参りの話。

  • 2016.4.2市立図書館
    序ノ巻 安倍晴明
    巻ノ一 源博雅
    巻ノ二 相撲節会
    巻ノ三 鬼の笛
    巻ノ四 丑の刻参り
    巻ノ五 鉄輪(付喪神ノ巻)
    巻ノ六 生成り姫
    文藝春秋からでている一連の短編シリーズのエピソードをあらためて長編新聞小説向けにまとめ直しつつ新しい話もおりこまれている、という感じかな? この物語では特に博雅の博愛的芸術的人生観がこれでもかと開陳され、彼の人のよさと感動にすなおな心、生成りの姫の正気をとりもどさせるほどの誠実さと真心にうたれる。

  • 以前に短編として書かれた陰陽師の『鉄輪』をベースに朝日新聞夕刊に連載された長編歴史小説。

    これまでの話を全部読んでいる人には同じ話の繰り返しのようにも感じるけれど、初めて陰陽師シリーズを読もうとしている人にはおススメできる1冊だと思う。
    安倍晴明や源博雅の解説章で短編ネタの紹介もあるし…。

    ただ、相撲の章はいらなかったんじゃないかな。
    その分、理性が心の鬼を抑えきれずに「生成り」になってしまった徳子姫の哀しみや、彼女を愛するあまり追い詰めて妻にまでしたのに他の女性へと心が移ってしまった元旦那さんの心のどうしようもなさと描いて欲しかったです。

    なので、すっごくよくできている話だけど、★4つにしておくね。

  • 【図書館本】シリーズ4作目。今までの短編のダイジェスト版。見覚えのある内容に最初は混乱したけど、そういう趣向だったのか……。
    短編『鉄輪』を読んだ時もとても切ない話だし、博雅はいい漢だなぁと感心したが、今回はそれに拍車がかかった。とても悲しく切ない話だったし、ますます博雅の純粋でまっすぐなところに惹かれた。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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