いつか記憶からこぼれおちるとしても

著者 :
  • 朝日新聞社
3.30
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本棚登録 : 1180
レビュー : 175
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022578020

作品紹介・あらすじ

吉田くんとのデートで買ったチョコレートバーの味、熱帯雨林にすむ緑の猫への憧れ、年上の女の細くて冷たい指の感触…。17歳の気持ちを、あなたはまだおぼえていますか?10人の女子高校生がおりなす、残酷でせつない、とても可憐な6つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 女子校に通う女の子達の話。
    アタシも女子校やったけど、こんなんやったかなぁ?
    よく覚えてないや、、、(笑)
    でも、この年齢の女の子の危うさとか考え方とか凄くリアルな感じ。

  • 『飴玉』
    "飴は毒薬。(中略)青い飴は軽い毒、ちょっとした罰のためのものだから、たぶん弱い頭痛と吐き気くらい。黒い飴は強い毒、死に至る毒だ。"
    毒殺するための飴を、可奈は日記のなかで周囲の人々へ与えている。クラスメートの彩と、めだかの世話役の大西さんへは銀の飴。作中に銀の飴の効能は書かれていなかったように思う。一冊通しで読み返してみればどこかに銀色のヒントか何かあるかもしれないが確認はしてない。
    "飴は毒薬"と言うからには銀の飴も青と黒とおなじく何らかの毒なのだろう。可奈は彩と大西をどことなく軽蔑しているようだが、恨んだり嫌ったりはしていないようにみえる。ふたりへの同情から、銀の飴は安楽死的な効果がある毒薬なのかもしれない。
    めだかを殺して、大西から帰る場所を奪い、そして自由にした。陰湿で無邪気な残酷さを感じられる小話だった。

    『櫛とサインペン』
    高野さん、とひとりだけクラスメートからさん付けで呼ばれているキャラ。どんな人物なのか気になっていたので曖昧なおじさん視点なのがすこし肩透かしだった。
    八色のサインペンの束を鞄に入れているとのことだが、このサインペンは借りパクしたものかもしれないとなんとなく邪推した。というのも高野は同級生から傘を平然と盗むところがあるので。
    うろ覚えだが、結局最後まで名のある同級生からはサインペンを借りられていなかったような気がするが、これは同級生たちも高野の盗み癖を承知していたので貸さなかった面もあるのかなとすこし思った。(手持ちを確かめた上で本当にサインペンを持っていなかった同級生ももちろんいたが)

  • 好きだな、江國香織。久々の江國香織。
    幸せで寂しい。孤独で達観している。
    いつか、記憶からこぼれ落ちてしまうけれど、密やかで貴い思い出の数々は、二度と帰らないからこそ美しいのでしょうね。

  • タイトルほどには内容は琴線に触れなかった。
    けど、江國さんの書くミルクティーはいつも本当においしそう。

  • 6編に分かれた短編集であるが、登場人物は繋がっている女子高生6人の物語。未解決で終わる何とも言い難い内容である。「テイスト オブ パラダイス」だけは、ホッと安心でき好きだ。

  • 読んでいて短編集を間違えて買ってしまったのかと思ったら、連作になっていた。高校生のクラスにいる女の子たちが1人ずつ各章で出てくる。

    登場するテレビ番組や話題が自分の高校生活を思い出させた。同じ制服を着て同じクラスにいても、それぞれの生まれた環境や家族構成ももちろんバラバラで、悩み感じていることもそれぞれ異なる。もちろん彼女たちの幸せな部分も描かれている事もあったが、どちらかというと思春期独特の闇の部分を見たような気がする。

    各章ごとの繋がりはあまりなく、短編集を読んでいるのに近いと思った。最後の章は読んでいてあまり気持ちのいいものではなかった。最後の二章で少し読んでいた気分の高揚が少し下がったので星3つ。

  • 今この瞬間の私にとっては日常の些細なことも大切で、むしろそれが日常を占めていると言っても過言ではない。けれど、今を抜ければきっといつか記憶からこぼれ落ちてしまうだろう。大切だけれど、そんなに大切ではない、制服を着た私たちの日常。何か特別な事が起きる訳でもなく、静かに始まり、終えていく一日たち。その切なさが、読んでいる時よりも、読後にじわじわとわいてきました。いつか記憶からこぼれ落ちるとしても、だからと言ってこの日常が不要というわけじゃないんだよな。

  • こぼれおちてしまうからこそ。

  • 2014.06.25

  • 最後の話の必要性を全く感じないです…。緑の猫(2話目の話)は読み終わった時もぞもぞしました。でも心に響いた。
    テイストオブパラダイス?でしたっけ、柚ちゃんが付き合うのは…
    あの話を読んで、何の用事もなくったって、連絡すればすぐ会える、会いたいから会う、ただそれだけの仲というのは友達には無いだろうなあと感じた。いいなあ、それは。ちょっと羨ましい。
    個人的に思ったことは、「終点のあの子」に似てるなあということ。
    (終点のあの子が似てるんでしょうね…)
    クラスの一人一人の心の中を覗ける。この本を読めばあのクラスの誰にだってなれる。そんな所が魅力だと思いました。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。
1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。
代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。

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