国境 お構いなし

著者 :
  • 朝日新聞社出版
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022578518

作品紹介・あらすじ

メキシコ、ニューヨーク、ドイツ、カナダの海外生活、インド、ネパール、中国での異文化体験、そして日本人と日本学への省察。旅する社会学者は遊牧民(ノマド)として越境しつづける。

感想・レビュー・書評

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  • 発展途上国、というのは先進国が格差のもとに成り立っている事実を覆い隠し、あたかも時間軸の問題であるかに見せる言葉で、この国にとってはこれが近代なのだ。まさに時間を経れば発展するだろうと信じていたナイーブな自分にサヨナラした気持ちになった。
    そして、トラウマとしての北米体験。高校生で留学した自分も、即「日本回帰」したところでは戦後知識人の気持ちがわからないわけではない、と言ってみたい。社会科学はロジカルであると同時にレトリックだから、言語的パフォーマンスで二流とされてしまう環境に今いるため、不退転の決意か?回帰か?考えさせられたのも事実。
    最後に。国境なんてくそくらえ、という内容かと思いきや、国境なんてなくなっても、文化の境界はなくならないし、その境界を超えるときゾクゾクしてたまらない、というあとがきに、境界不信に陥っていた自分はよい刺激を頂いた。

  • とても読みやすく、そして、しっかり中身の濃い本である。
    全ては、最初の章にある。
    What am I doing here?
    村上春樹風に訳せば「やれやれ」となるだろうか、という言い方も面白い。
    こんな所でいったい何をしているんだ?という問いかけは、外国で「自由」になった彼女の実感だ。そして、人々は言う。
    What are you going do?

    それから人生は「旅の途上」となる。
    そして、作者は言葉を紡ぎだす。

    アメリカ、メキシコ、そして、またアメリカ。その中で、色々な国の中で、彼女は考える。
    社会学学者としての視線が気持ちよく、わかりやすい。
    彼女のアメリカ体験から発展した「戦後知識人の北米体験」という試みは、作者のひとつの答えとして、とても興味深いものだった。

  • 前半は外国暮らしの中で見えてきた社会の考察で割と軽く、後半は一転して戦後日本人のアメリカ体験を通して変遷してきた思想史の整理、と論文風であった。ひとまとめという感じでちょっと面食らったけれど、時々おっと引き付けられる文章があるのはすごく魅力的。

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著者プロフィール

1948年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人ウィメンズアクショネットワーク(WAN)理事長。専門学校、短大、大学、大学院、社会人教育などの高等教育機関で、40年間、教育と研究に従事。著書に『近代家族の成立と終焉』、『家父長制と資本』(岩波書店)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女ぎらい』(紀伊國屋書店)、『ケアの社会学』(太田出版)、『サヨナラ、学校化社会』など多数。

「2018年 『情報生産者になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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