イラク戦争従軍記

著者 :
  • 朝日新聞社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022578525

作品紹介・あらすじ

命を賭けた従軍取材、その興奮と恐怖。記者がつぶさに目撃した「生」のイラク戦争。

感想・レビュー・書評

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  • 今となっては「大量破壊兵器」も発見されない「大義なき戦争」であり、現在まで続く「中東の不安定化」の原因となった「イラク戦争」ではあるが、日本人記者による「戦争の現実」を知りたくて読んでみた。
    まあ、それなりにリアルであるし、戦場の緊張も兵士の実情もよくわかるのではあるが、なにか物足りない。
    思うのだが「従軍の日々で考えたこと」の中にイラク戦争についての深い考察がないことが不満なのかもしれない。
    本書は、簡単に読めるのが良い点であるが読後にあまり残るものがないように思えた。

    2017年1月読了。

  •  2003年のイラク戦争時に、朝日新聞社記者の資格で米海兵隊に従軍(embed)取材に従事した著者の戦地でのレポートと帰国後に書かれた文章をまとめたもの。ある意味では、ひじょうに「正直な」記録。

     著者のこれ以外の著作を読んでいない段階での感想になるが、この著者は、いくらなんでも歴史を知らなすぎるのではないか。現場に行くこと、近くで取材すること自体は決定的に重要である(それは著者の言うとおりである)。また、著者が米軍提供の情報をそのまま垂れ流していたわけではなかった、というのもそうなのだろう。しかし、「懐疑」の重要性を主張するなら(127p)、これまで「従軍記者」に何が求められ、実際には何をしてきてしまったのか、メディア・ジャーナリズムの歴史ぐらいは踏まえる必要があったのではないか。ましてや、この著者は朝日新聞社の記者である。日中戦争からアジア太平洋戦争にかけて、従軍取材・戦争報道で大きく部数を伸ばした過去を持つメディア企業の肩書きで取材した人間なのである。いくらなんでも、ベトナム戦争までしか記憶を遡ろうとしないのは、問題ではないのか。

     その結果、この本のことばは、あからさまに『麦と兵隊』以下の戦記テクストに似てきてしまっている。(ワシントンのビジネスパーソンに比べて)戦場の兵士たちの人間的な魅力、退屈な日常と戦闘場面での豹変ぶり、手紙を書く・食事をする・用便をする兵士たちの日常の姿。〈敵〉たるイラク兵の不在、死者の描写の不在まで、戦記テクストそっくりだ。一番恐ろしいのは、この無自覚な反復ぶりである。
     
     もちろん、興味深い細部はある。米軍報道ガイドライン、従軍記者たちに携行を求めた物品のリスト、そして、朝日新聞社と共同通信社には認められた従軍記者枠が、読売新聞や産経新聞には認められなかったこと。軍隊の文化、戦場の日常は、どこも似たようなものなのかもしれない。しかし、それを見つめる人間の眼が何を見るのか・どのように見つめるかは、別のものになっていてもよいはずだ。こういうところにも、日本の戦後が戦争をきちんと考えず、語らず、学んでこなかったことの弊害が見てとれる。

  • 小倉のブックオフで購入する。等身大すぎて、面白くない。現実は、そんなもんでしょう。

  • 未読

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著者プロフィール

ジャーナリスト。1968年生まれ。朝日新聞入社後、シンガポール支局長、台北支局長、国際編集部次長などを経て、現在はアエラ編集部所属。
著書に『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮社)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人GIANT』(東洋経済新報社)、『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)がある。著書の多くが中国語に翻訳され、中国、台湾などで高い人気を集めている。

「2015年 『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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