シンセミア(上)

著者 :
  • 朝日新聞社
3.59
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本棚登録 : 454
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022578709

感想・レビュー・書評

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  • おすすめいただいた本、その1。

  • フィストファックの意味をググった記憶しかない・・・。

  • 東北を舞台に、戦後まもなくのパン屋とヤクザによる自警的支配、廃棄物処理場建設をめぐる土地屋と政治家らの思惑と動き、青年団と称す盗撮ビデオサークルなどを中心に、閉ざされたひとつの村のなかの関係性と、3つの死亡事件/事故。

    出てくるひとがみな変態やクスリをやっていて、娯楽がないとはいえ人はここまで来れるのか。ここまで誰にも共感できない/したくない小説はひさしぶりよ。

    地方性ということに関していえば、舞台が田舎っていうだけな気がする。『聖家族』にあったどんづまり(最北端)な感じはしない。閉塞感はたっぷりだけど、それは村という小単位のおはなしだから。

    後半ずっと性描写が続いてなかなか大変だった。

  • なかなか見つからなかった朝日文庫版で全四巻、1000ページを超す分量、主な登場人物は50人を下らない長編小説の割りに、一切の破綻がなく、すべての伏線が喜劇的とも思われる一連の事件が起きる2000年8月28日に収斂していく。無理なく。

    それより驚いたことは、作者が2000年の東北地方の街(と東京)を舞台にして描き、2003年時点に刊行された小説(法螺話)が、その後似たような事件となって現実に起こっていることだ。小説上では2000年7月23日に渋谷文化村通りで起こったことになっているトラック暴走事件は、驚いたことに2008年6月8日に加藤智大が引き起こした「秋葉原通り魔事件」として現実化していて記憶に新しい。盗撮事件やロリコン警察官の淫行については枚挙に暇がないが、夫婦が薬物を使用する下りは今夏「酒井法子事件」となって世間を騒がせている。ラストシーンで青年団の生き残りが整形手術を受け別人のようになって現れて驚かされたが、これは「英会話学校講師殺人事件」の市橋達也を想起させるではないか。まさに事実は小説より奇なり。

  • 傍観

  • 10/17

  • 中学校の図書館には置けないと思うが、史上稀に見る名作小説。

  • 欲望・悪意・思惑・善意。
    全部がからみあって、圧倒的な力で町が突き動かされて。
    ゆれるゆれる

    見たくないものを見せつけるみたいに
    収束することを知らない悪魔みたいな消化不良の渦。
    それはきれいな絵よりよっぽど現実に近い。

  • レポートで読むことを義務付けられました、阿部和重。異例の文庫本4冊とか、文学論のテキストで取り上げられてたりとか、気になってはいたのでいい機会だと古本購入。
    が、しかしやはりこの人とは相性が合いません。いや、昔『グランド・フィナーレ』もほとんど読み飛ばして不快な記憶しか残らなかったんだよ…正直、変質的な性的嗜好の人間ばかり出てきてウンザリだよ、暑い真夏に何読んでるんだあたしはって、気分がクサクサしてきますよ。
    確かに事件の謎は気になりますが、それ以外では魅力ゼロといっても過言ではない。文壇にのぼるような作家でこの作風?文体?は斬新という考え方もできるのかもしれないけどね?
    例えば太文字とか大文字とか、作品の中に作家阿部和重が出てきちゃうところとかは面白いのですが。。(というかレポートでは、その間テクスト的に作家という自己、自己の作品を出すあたりをつついてみようかと思うのですが)
    しかし胸糞の悪くなる作品という印象が強い。それは私がマイノリティな性的嗜好の描かれる作品が概して嫌いなせいもありますが、でもこの作品は女性には受け入れられにくそうな気がする…うう、下巻読みたくねえええ。

  • 神町。すべての要素が。

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著者プロフィール

1968年生まれ。『アメリカの夜』で第37回群像新人賞を受賞し作家デビュー。’99年『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、2004年に『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞、’05年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞、’10年本作で第46回谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。他の著書『クエーサーと13番目の柱』『IP/NN 阿部和重傑作集』『ミステリアスセッティング』ABC 阿部和重初期作品集』対談集『和子の部屋』他多数。

「2013年 『ピストルズ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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