憂き世店 松前藩士物語

著者 :
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 57
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022579539

感想・レビュー・書評

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  • 短編の実録ものを書いたが、
    それを得意の長屋ものに展開。
    楽しい話になるはずもないのに、読ませてしまう技。
    ハッピーエンドにできないのは、作者がすでに老境だからか。

  • あの愛しい日々に帰りたい…。
    過ぎてみて初めて「幸せな時間だった」と感じることってあるものです。

  • 10/9/10図書館

  • 松前藩って、幕末近くのころ、ロシアへの甘い対応から東北に移封されていたことがあるんですね。石高も減らされて、そのために扶持を離れる藩士多数・・。残る者たちも貧しさにあえぎ、また、浪人となった者たちは市井の中でなんとしても生きていくのだけれど、松前藩のことは常に忘れず、いつか帰参を、と思う日々。で、主な舞台は江戸の長屋。主人公は、突如浪人となった夫の元へ国許から出てきた妻のなみ。武家の女が町の人々と交わり、また、人はいいけれど少し考えの足りない夫との生活で泣き笑いの生活を送る10年ほどが、温かい視線で描かれていて、あぁ、宇江佐さんだなぁ、と。長屋暮らしを縦糸に、松前藩の動きと浪人者たちの藩に対する熱い思いを横糸にした作りの物語は楽しんで読めましたが、一つ一つのエピソードがちょっと駆け足っぽかったかなぁ。長屋の面々、特に元は吉原の遣り手で口は悪いながら気風のよさでおかみさん連中をまとめているお米がよく描かれていただけに、なみの夫を始めとする主要人物たちが今ひとつ、魅力に欠けたのが残念。長い時の移り変わりの中で運命が変わっていく武士や町人たちを書きたかったのでしょうが、ほんのもう一振りの味付けが欲しかった。

  • 1万石から9千石になり移封された松前藩。浪人になった藩士の、江戸下町の長屋住まい。(自然はすべて人の気持ちを映す小道具である。空も雲も雨も風も:露地の悲)日本人は何時の時代も感性豊かであったかと。別冊「桜花をみた」に夷酓列像イシュウレツゾウ」で家老蠣崎将監広年の苦悩を描く。

  • 松前藩士の相田総八郎は移封のため浪人となり、妻なみと江戸・ 神田三河町の徳兵衛店に移り住みます。
    復領、帰藩をひたすら信じ、総八郎は大工仕事などに努めます。
    やがてなみは総八郎の子を生み・・・。
    どの住人も個性豊かで人情にあふれています。
    中でも「とん七」のキャラクターがとても良いです。
    帰藩までの十数年間の、裏店に生きる住人たちの悲哀、人情を描く長編小説です。
    幸せとは何なのか。
    小説の最後に悲哀、物悲しさがただよう逸品です。

  • 松前藩の降格・お国替え(移封)に伴いクビになってしまった元藩士の相田総八郎。いつか再び召抱えられる事を願って江戸で浪人生活を送る彼と妻なみの長屋暮らしを季節ごとにつづった下町人情短編集。

    何か藤沢周平の「用心棒」シリーズを思い出した。

  • “人生を謳う作家”、宇江佐真理の挑戦はまだまだ続く…
    <br>詳しい感想は<A HREF="http://torakichi.jugem.cc/?eid=166 ">こちら</A>

  • 武家が庶民と暮らす。ここにも作者の温かい気持ちが出ている。

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著者プロフィール

1949年函館市生まれ。函館大谷女子短大卒業。95年「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、01年『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞。人情味豊かな時代小説を得意とし、著書は「髪結い伊三次捕物余話」シリーズなど、多数。2015年11月、惜しまれつつ、没。

「2016年 『口入れ屋おふく 昨日みた夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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