しゃぼん玉

著者 :
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 312
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022579614

作品紹介・あらすじ

親からも見捨てられ、通り魔や強盗障害を繰り返す無軌道な若者・伊豆見翔人は、逃亡途中で宮崎の山村にたどり着く。成り行きから助けた老婆スマの家に滞在することになった翔人は、近所の老人シゲ爺の野良仕事を手伝ううちに村の暮らしに馴染んでいくが…。現代の若者の"絶望感"をこまやかな心理描写で描き出す傑作長篇サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • ふわふわと漂うしゃぼん玉のような翔人。通り魔やひったくりを繰り返し生きてきた。ヒッチハイクをしてとんでもない田舎で降ろされる。そこで、事故に遭って動けない婆さんと出会い、助けることに。
    そこからは田舎で婆さんと暮らしていくうちに、だんだんと人間として成長していくことになる。
    ありきたりの話だし、ありきたりのラストなのに、なぜか読みおわった後に涙を堪えていた。

  •  最後の方になって、自然と涙が出てきた。家族に見放され、凶悪犯となって、放浪していた翔人が、椎葉村に来て、スマ婆さんやシゲ爺と出会い、居場所を見つけ更生を決意する過程の物語。
    椎葉村と都会の家族のありようの極端さが、切ない。ドラ息子は疫病神のような、反面教師のような。図書館で借りた本。いつか、文庫本買って再読したい。人前では読まないほうがいいかも。読後はスッキリした感じ。
      2018.06.11 読了

  • いつ以来かは覚えていなかったけど、再読でした。
    年寄りの話を素直に聞くことができて、年寄りの手伝いを最後まですることができる
    「ぼうはいい子。」ばぁちゃんの優しさがしみる。

  • 【図書館】市原悦子さんが大好きなのでDVDを観て、とても良かったので、原作を手にしました。映像が浮かんできて、原作でも泣いちゃいました。とてもいい話です!

  • 文体、語り口はとてもスムーズで、ひっかかるところがなく、気持ちよく読めた。筋立てとしては、全体としてやや甘さ(スイート)が過ぎる気もしないでもないが、その辺は女性作家ならではか。

    再生の物語であり、その甘さに目を瞑って、素直に心が浄化される気がしたと評したい。シゲ爺のような田舎の老人が、最後、そこまで多弁に人生訓のようなものを語ったりするもんだろうか、とか、多少の設定の行き過ぎ感はあるとしても。

    繰り返しになるが、全体的に甘い、と思いつつ、物語としてはカタルシス効果を味わうことが出来て、読後感は良。力量のある作家のようなので、他作品も読んでみたい。「幸福な朝食」とか。「凍える牙」とか。

  • 親との確執から、ひったくりを繰り返していた翔人。
    逃亡中に宮崎の山奥の村に辿り着く。そこで出会い一緒に暮らすことになったお婆さんや、村の人々と過ごすうちに、翔人の心に変化が生まれる。

    出来過ぎと言われれば確かに出来過ぎ。
    それでも素直に感動しました。
    スマお婆ちゃんやシゲ爺との時間が、ひねた翔人にとって、どれほど暖かく、優しかったか。
    終盤のシーンで、スマお婆ちゃんを襲ってしまうことがなくて、ホント良かったと思います。

    更生し戻ってきた翔人、スマお婆ちゃんとの再会のシーンはありませんでしたが、それを想像するだけで、目頭が熱くなるようでした。
    いいお話でした。

  • 一気に読んで、泣いてしまった。出来過ぎてるとは思うけど、ばあちゃんたちの方言とか優しさが伝わってきた。私もあと60年、頑張って生きよう。

  • 2016.9.26読了
    ありそうなストーリーにありそうな結末で、綺麗にまとまった感は否めないけど、人を更生させるのはやっぱり人なんだよな。祖母のことを思い出して、もっともっとたくさん話をしたかったなぁ、と淋しくなった。(図書館)

  • 「2016年 新潮文庫の100冊」の「泣ける本」で紹介されている。宮崎県の山深い小さな村、椎葉村が舞台。犯罪を繰り返して逃げ込んだ主人公は、ばあちゃんとの二人暮らしの中で過去と向き合う。ばあちゃんとの別れのシーンが泣ける。いい本だった。
    今度映画化されるとのことで、美しい山々の風景と温かい人々の話に癒されたい。

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著者プロフィール

乃南 アサ(のなみ あさ)
1960年東京生まれ。'88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。'96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『いちばん長い夜に』『新訳 にっぽん昔話』『それは秘密の』など多数。訪台をめぐる随筆の近著に『美麗島紀行』がある。

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