しゃぼん玉

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 387
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022579614

感想・レビュー・書評

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  • はじめての乃南さんの作品


    章が変わるたびに時間が少し飛び
    時間を引き返す手法で
    先が気になって飛ばして読むこと数回…笑



    田舎の人々が実に暖かく
    最後に変わろうとした翔人に対する優しさに
    じんと来ました


    しゃぼん玉は翔人自身を指す言葉で
    田舎にきて変わっていく様が気持ちが良かったです
    しゃぼん玉じゃなくなった翔人が
    どんな風になるのか楽しみですね

  • 親に見捨てられ、ひったくりや強盗を繰り返してきた青年・伊豆見翔人。

    犯罪を繰り返し、宮崎の山村まで流れ着いた翔人が、老婆・スマを助けたことから、その家に居候する。

    山村の人たちと交わり、今まで嫌なことから逃げ、卑屈になっていた性根から、人間らしさを取り戻していく。

    村人達の気さくな人柄が心に沁みる作品。

  • いつ以来かは覚えていなかったけど、再読でした。
    年寄りの話を素直に聞くことができて、年寄りの手伝いを最後まですることができる
    「ぼうはいい子。」ばぁちゃんの優しさがしみる。

  • 2016.9.26読了
    ありそうなストーリーにありそうな結末で、綺麗にまとまった感は否めないけど、人を更生させるのはやっぱり人なんだよな。祖母のことを思い出して、もっともっとたくさん話をしたかったなぁ、と淋しくなった。(図書館)

  • 平家の落人の山奥の村、そこにたどり着いた切れやすいひったくり犯とばあちゃんの心の触れ合い。人との関係は難しいが、このように丸ごと信じて受け入れることで、人間は更生できることを描いた小説。翔人の駄目さかげんは親の責任もあるかもしれないが、読みながら私には到底受け入れられない人格だった。

  • おばあちゃんと村の人の温かさにほろり。ラストがハッピーエンドだったので、とっても読後感良し!

  • 書店の「泣ける本、感動する本」コーナーで発見。
    書店員によるポップも大絶賛。
    ネットで見ても評判が凄く良かったけれど
    私はそれほどのめりこめなかった。残念!

  • 最後がハッピーエンド。途中はハラハラしたけど。

  • どうしようもない青年が九州の片田舎の人々とのふれあいによって改心していく様子がゆっくりしっかり描かれています。激しく揺さぶられることはないけれど退屈なわけでもなく、なんと言いますか、安心して読めました。

  • ひったくり事件を起こすところから物語は始まる。
    金がなければ、人から奪えばいい。
    そんな短絡的な考えを、いとも簡単にやりすごす翔人。
    普通の浪人した大学生。

    傷つけるつもりは、なかったけれど
    持っていたナイフに、肉がささった感触が残り、
    バイクで夢中で逃げる
    逃げる
    逃げる。。。。

    いきついた場所で、なんとお婆さんが傷だらけでぶっ倒れているのの遭遇。。。
    「運べ!」と、ほぼ命令口調で言われ婆さんを助け
    婆さんの家まで運び、
    いつのまにやら、婆さんの家に住み着いて
    気がつけば、そこは宮崎の山の中。。

    朝は早くから陽が入るとともに起き、朝ごはんを食べる
    日が沈むと暗くなり、寒くなり、寝る。
    これまで、見たこともなかった食べ物を食べる。
    ご飯の美味しさを知る、
    小さな村では、スマ婆を助けた「孫」ということになって、たちまち翔人のウワサは広まり
    誰もが翔人を知っている。
    誰もが、声をかけてくる。
    近所のシゲ爺と始めた、祭りの準備の収穫、山仕事。
    祭りの手伝い。
    土や、緑や、太陽や、おにぎり。
    普通に、いつも、すぐそこにある物に接していくうちに
    翔人は、人間らしさを取り戻していく。

    何でも揃うはずの都会。
    実は、そんな都会には欠けていくもの、「自然」と「人とのふれあい」
    それが本当は一番大切で、それがあれば、人間は、もっともっと真っ当に
    生きていけるはずなのに・・・・と
    難しくなく、単純なことだったのに。と気づかせてくれる1冊。


    人の腹黒さばかりを疑って生きてる人間より
    信じることの大切さを、あらためて感じた。かな〜

著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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