大人の友情

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  • 朝日新聞社
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レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022579911

感想・レビュー・書評

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  • 臨床心理学者としての河合先生の言葉、見解というよりは、1人の大人(分別、善悪をよくわきまえた)として、思い、考えを述べているような文章が、とても読み易く、共感出来る部分が多いですね。

    結局、友情には決まったカタチがない、というニュアンスがところどころに散りばめられていて、河合隼雄先生という人間味がとても良く現されてる作品だと思います。

    また、何度も読み返したいですね。

  • 心理学やばかりでなく文学の勉強にもなって良い。せわしない生活を送る中、こういう本をのんびり読むのは心の療養。

  • 前半はやや堅いスタンスで始めた連載が、徐々にこなれた、くつろいだ雰囲気に変化してゆくのが面白い。この本が出た2年後に他界なさったかと思うと、病魔など感じさせない明朗さが、読んでいて切なかったりする。

  • この間読んだ小川洋子さんとの対談がとてもよかったので、こちらの本も読んでみました。
    きっと先生のお人柄なのでしょうが、とても温かい気持ちが伝わってくるような本です。友情、という一見ほのぼのとしたテーマですが、内容は深く、ときに無意識の暗闇といったような重い話があったり、互いを傷つけずにはいられない関係性というような難しい話もありました。
    でも全体としてはとても分かりやすい言葉で書かれていて読みやすかったです。
    心と心の深いつながり、「たましい」という言葉も出てきます。激しさや強さではなく、より深く相手と繋がる関係。。。先生は夫婦の間にも「友情」が大切だと書かれています。確かにそうだなぁと思います。私も夫との間に、これからまだまだ長い年月をかけて、深い友情をつくっていけたら素敵だなぁと思いました。
    それから、心に残ったことば、「死すべき者の自覚」。
    「何のかのと言っても、彼も死ぬし自分も死ぬ。互いに死すべき者と感じるとき、善悪とか貧富とか長短とか、この世のいろいろな評価を超えて、束の間のこの世の生を共にしている者に対する、やさしさが生まれてくる。」
    こういうことを私も心にとどめて、周りの人たちと接していきたいなと思いました。
    夫と子供を大切にしよう、とか、地元の友達にゆっくり会いたいな、とか思いました。

  • 河合隼雄さんのエッセイは「○○ともいえるし、△△ともいえる」とふんわり帰着することが多いので「なんだ、結局何も言ってくれないのか」と拍子抜けしてしまう人も多いかもしれないですね。だけどひとつのことに悩みすぎ視野が狭くなっているときに読むとかえって救われる気持ちになるんですよね。暗い部屋で悶々としているときにそっとカーテンを開けてくれるような感じ。

    今回は『裏切り』の章を特に興味深く読んだけど、数年後また全部読みなおしたいです。

    それと『男女間に友情は成立するか』『茶飲み友だち』の章を読んで「バベットの晩餐会」という映画のことを思い出し、また観たくなった。

  • 幼い子ども間でも日常的に無意識に在る、友情の尊さと脆さと複雑さ。
    小学1年生くらいまでは、感情むき出し、思ったことをそのまま口にしていたため、人の気持ちや友情も目に見えなくもなかったのだが、これが大人の友情となると、ごくありふれたことなのに、言葉にしてわかりよく説明することができない。
    河合さんは、”友情とは何ぞやと訊かれると、今でもはっきりとは答えられない感じがする”と最後に書いている。きっとこの本を書き始めたときから、友情を噛み砕いていっても、はっきりとは答えられない感じ、(感じというところがまた大切な気がする。)というところにたどり着くことはわかっていて、書いてくれたのだろう。

    河合さんはあらゆるエピソードに、肯定も否定もせず、どちらの立場や考えにも理解を示してくれる。友情にはふたり以上の人間が必要で、ふたつ以上の在り方があるからかな。それか他人の友情を第三者の視点や、自分の体験を’振り返って’書き綴っているから、どちらでもなく、どちらでもあるからかな。(作者だから公平でないとだめ、は抜きとして。)友情はリアルタイムの本人では、冷静に見つめることが難しいものなのかもしれない。
    だって普段の生活の中で、もし裏切られたとしたら、相手の裏切る心理を分析する以前に激高する気がする!(そこで激高しないことが友情!?冒頭、トランクに死体があっても黙って話に乗ってくれる人=友人からすると。)

    贈りものの話はすべて興味深かったし、心温まった。
    贈りものの多義性は、私にも経験があり、海外の友人と話していると、贈りもの以外の風習でも、お国柄の違いが出てくる。
    友人は日本語が達者で、その辺りも詳しく教えてくれるし、私も、日本だと不満や疑問に思うようなことでも、お国柄かも知れないと思えるようになった。友情などと改めて語ることもしてこなかったが、これは深い友情と呼べるだろうと思えて嬉しくなった。

    シンプルに大人の友情についてのみ、書かれた本だった!
    美しい友情、荒んだ友情、誰と誰の友情とか、(その誰と誰の性格にもよるのではないか!?)そういったことではなく、人間の話だった。(そうだ、河合さんは心理学者なのだから、そのアプローチは当たり前だった。)多種多様、ひとつも同じ友情はない。
    人々が友情を描いた物語を読むのは、誰しも身近にあるものであり、その物語からどう感じ取るか、影響を受けるか、人それぞれであり、友情という答えのないテーマに無限のドラマがあるからかもしれない。

  • 2015.3月読了。

    いつも難しいことをとてもわかりやすく話してくれる河合隼雄さん。厳しいけどちゃんと優しい。直接会って話を聞いてみたかった。

    友情は複雑。でも一心同体になれないことはちゃんと理解しておきたい。友だちなんてそんな簡単にできるもんじゃない。長年かけて関係を少しづつ作っていけばいい。離れてしまったらもうそれはそれでしょうがないと思う。許せるかどうかが大事なのかもしれないなあ。 「夫婦関係も友情のようになってくる」。そうか。それでいいんだな。

  • うなずける所と、そうでもない所とある。でも後半は面白い。

  • 大人の人生論的な感じの本。
    いまいちピンとこなかったので、もう少し大人になってから再読しようと思う。

  • ちょっと抽象的な表現が多すぎていまいち印象には残らなかった。
    人間関係って難しいね。

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著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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