それでも自転車に乗り続ける7つの理由

著者 : 疋田智
  • 朝日新聞社 (2007年8月7日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022579959

それでも自転車に乗り続ける7つの理由の感想・レビュー・書評

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  • Sun, 08 Feb 2009

    「自転車ツーキニスト」の紹介を過去にもしたが,
    その疋田さんの2007年のエッセイ.

    ツーキニストの時よりは,ずいぶん社会的に自転車通勤,自転車利用の語り手として認知され社会的責任感も増した筆者の姿がある.
    様々なネタをいったりきたりするが,
    どれも読みやすく,自転車そのもの及び,自転車の歴史,自転車の走行環境,法律についての知識に明るくなる.・・・そして,日本の交通発展途上国プリに憤怒の念も・・・!

    ところで,自転車は実に自動車より新しいテクノロジーなんですよね.
    自転車は初めて,人間が得た,「人間の力しか使わないのに」人間の足で走るより速いという,魔法のようなアイテムなのである.ペトロを燃焼させて強引に鉄のかたまりを動かす某乗り物とはちがう.


    また,2輪という常識で考えれば不安定であり,有史以来ほとんどだれも作らなかった構造物が,じつはジャイロの力で直立しうるという,高度な三次元剛体の力学によるものであり,最初っから四輪で安定するトリビアルな某乗り物とは違うのです.
    (最近,某乗り物に対する攻撃が苛烈になってるなぁ,わし・・・.いや,乗ってない訳じゃないんですけどね.自己嫌悪を感じながらのってます.)


    さて,自転車用語の解説や一世を風靡したジュニアスポーツ車についての熱い歴史などハッピーなお話もあるのだが,かなり多くのページが自転車街角セッションでも問題にしてきた交通行政,走行環境の問題(しかもかなり網羅)に割かれていて,頷くことしきり.
    後半では警視庁が「自転車は基本歩道通行」という方針転換を行おうとした暴挙にたいして,メーリングリストや自転車活用推進研究会での活動を通して展開した反対運動(どうかんがえても正論)についてのスベテが書かれている.

    弱者優先の道路利用は全世界の真っ当な国なら当たり前で,

    歩行者>自転車>バス>トラック>自家用車

    というのが秩序.

    日本は道交法で自転車は車道を走るように規定されているのに,自動車がハバをきかせて,泣く泣く自転車が歩道に押し上げられるように道交法改悪.そして,自転車が歩行者をけがさせざるを得ない状況がうまれ,
    「迷惑自転車・暴走自転車」という汚名を塗りつけられる形へとハメられた.

    得するのはただただ元々重量もあり,空間効率も悪いく,環境負荷も大きい,金はかかってる自動車のみ.そして,その裏には道路族.

    先進国の中ではこのような問題で後進気味であったイギリスとアメリカさえ,既に舵は切られている.自動車優先の道作りは,クルマが珍しい後進国だけしかやっていないことなのだ.日本は後進国なのか.

    というわけで,歩行者と自転車の走行空間を分離する「歩輪分離」は常識とする以外に道はなし.


    さてさて,もう一点.
    地公体の迷走「フリーバイク(共有自転車)」もしくは「都市型レンタサイクル」についても本書は,ほんとに「ヤレヤレ」といった形でツッコんでいる.


    p.45より引用
    各地の自治体が「放置自転車対策のための最終手段」と称して,常に持ち出すのが,この「共有自転車」なるものだ.
    街のあちこちに「自転車ステーション」のようなものを作って,ステーションからステーションまで,だれでも自由につかっていいよ,というシステム.(中略)一言で申し上げて,このフリーバイクほど,我々の社会がいかに「自転車というもの」を理解していないかを象徴するものはない.

    そう,某KCTPのT代表もおっしゃっていたが,自治体の行う共有自転車は悉く失敗してきているのだ.

    筆者は「パリのレンタサイクルも遠からず失敗するだろう」という.
    ある節のタイトルが「たのむから共有自転車はもうあきらめてくれ」だったりするあたりは切実さがにじむ.

    ちなみにこういう施策を押す人は「自転車にのらず,自動車にのってる」人だったりするらしい.
    結局,まったく放置自転車対策にもならないし,フリー故にモラルハザードも起こしやすいんですよね.

    京都の歩くまち京都の審議会の部会「未来の公共交通まちづくり検討部会」資料の中でレンタサイクル(多分,上記のニュアンスを大きく含む)が骨子案に入っていて,「んん?」と思ったのだが,それの疑問をマイナス方向の確信に近いものにしてくれた.


    すごーく,簡単な文体でフランクに書かれながら,現在の自転車を取り巻く誤解と不備を理解出来る本なので,
    自転車・交通政策に関わる人には一読願いたいものである.

    ちなみに,僕らの街角セッションにも足繁く来てくださっていたFさんの作られている自転車大好きマップの事にもふれられてたり,昨日,交通秩序の事について教えてもらうために電話をさせていただいた自転車活用推進研究会K様の事なども言及されていた.


    研究の上でも自分がなぜ,自転車を軸に都市問題に関わっているのかを明確にしつつ,貢献する研究成果をあげていかねばならないなと,思う昨今です.2009年度の目標の一つかな.


    ちなみに7つの理由がなんなのかはよく分かりませんでした.

  • 自転車は必需品、毎日乗ってる。

  • ちょっと刊行日が古いことので情報が古いことはありましたが5年以上自転車を取り巻く環境は驚くほど変わっていなかったのだなぁと逆に驚かされる内容でした。

  • 以前からロードバイクに乗りたいと思っていましたが、この本を読んで、凄く自転車に乗りたくなった一冊。
    輪行やりたい。


    ・排出ガスをよりドラスティックに減らす方法は、極端に言うと「歩き」か「自転車」しかない。
    ・自転車だけはスタンドアローンでその機能を活かすことができ、なおかつ歩きよりは確実に早い移動が可能だ。そのものだけがあればいい。ここが「道具」の「道具」たる強みだ。

  • 自転車+ipod=最強

  • 自転車通勤を始めることにしました!快適通勤を!

  • 自転車のいいところと、現在の道路交通法における自転車の不当な扱いについて語った本。
    前半の自転車のいいところについての話、
    また、現在の道路交通法がいかに問題点の多い法律になっているかの話は、
    非常に関心を持って読み進めることができた。
    ただ、終盤の道路交通法の改正反対運動の詳細は正直読みにくかった。
    もちろん筆者のおかげで改悪が防がれたのであろうし、その点は非常に感謝している。ただし、それはこの本の主軸からはあまりに離れているように見受けられた。
    いずれにせよ、全体として非常に興味深い、また考えなければならないテーマを深く掘り下げているので、読んで損はないと思う。

  • 技術的な知識を少々、社会的な知識をかなり、自転車乗りとして初心者の私にはとても勉強になりました。shigez0さんありがとう。

  • ごぞんじ自転車ツーキニストが道路交通法の改正に断固たちむかって、なんと180度法案をひるがえさせた事件を克明に記録しています。あ〜自転車が歩道に上げさせられずによかったよかった!

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