美学入門 (朝日選書 (32))

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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022591326

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!ただ具体的言語が少し息苦しく何か刺さる。少し有機性が足りないというか、彼が言うところの「人間的でないもの」に少し近づいている感じがする。苦しさを突破したあとの楽しさ、系では決してなく苦しいままである。

  • 高校生のときにぱらぱらと読んで挫折していたものを通読

    「ヨーロッパの美学をアカデミーの講壇に移植するということでは、日本美学史は、もっとさかのぼる。しかし美によって世界を観るという点では、日本美学史は中井正一からはじまる、といっていい」(山田宗睦あとがき)とのこと。

    中井正一は1952年5月17日に52歳をもって没し、『美学入門』はその直前1951年7月、『日本の美』は死後三ヶ月の1952年8月に出版された。

    『美学入門』は素人にはやや難しいものの、『日本の美』はNHK教育講座が元であるらしく、話しかけるような上品な語り口で一般向けに分かり易く書かれている。

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    (目次)

    『美学入門』
    第一部ーー美学とは
    1 美とは何であるか
    2 芸術とは何であるか
    3 芸術のすがた
    4 生きていることと芸術
    5 描くということ
    6 映画の時間
    7 映画の空間

    第二部ーー美学の歴史
    1 古い芸術観と新しい芸術観
    2 知・情・意の三分説の歴史
    3 感情のもつ役割り
    4 時間論の中に解体された感情
    5 射影としての意識
    6 芸術的存在
    7 機械時代にのぞんで

    『日本の美』
    1 西洋の美と日本の美
    2 中国と日本の美
    3 日本のこころと日本の美
    4 文学ーーさやけさ・もののあわれ
    5 文学ーー幽玄・わび
    6 文学ーー軽み・いき
    7 美術1
    8 美術2
    9 美術3
    10 音楽
    11 舞台
    12 世界における日本の美の位置
    13 日本の美を貫くもの

    中井正一とその美学ーー山田宗睦

  • 美学と名のつく本は幾つか読みましたが、こちらの本は中でも「日本の」美学について詳しく書かれていました。それがとても新鮮で、かつ勉強になりました。


    構成は「美学入門」と「日本の美」の2部構成になっていて、そのどちらもが興味深い内容でした。

    まずは「美学入門」。これは美学概論と美学の歴史を著者中井正一さんの視点から書いています。
    まず印象的だったのは、3種類の美について。
    言葉足らずながら私なりの書き方をすると、
    「自然の一部だと感じたとき、自然に溶け込んだとき」
    「自然と一致したように技術を用いたとき」
    「技術を自由に用いたとき」
    の3つです。この分類はものすごく腑に落ちて、「美」に対する考えがすっきりしました。

    あと印象に残ったのは映像についての記述。視覚を機械へと外部化したこと、その映像に時間軸を導入したこと、さらにそれを再現可能にしたことなど。
    これらの意味するところを改めて考えさせられました。映画を観ている人が体験しているのはどんな時間・空間なんだろう。
    さらにここでは、感情が事実と本能を結ぶという考え方を力学として考えているのも面白いです。

    2つ目の「日本の美」は今ものすごく気になる内容でした。
    中井さんが言うには、日本の美は
    「流動してやまざるもの、変化し清新なる清く新しいもの、あくまで滞ることを嫌い、重さを嫌う軽いもの」。
    現実に当てはめて考えるとこの考え方は非常に納得。これを踏まえると、SANNAの建築や漫画、徒然草まで1つの大きな物語として捉えられました。すごい!!

    さらに、これを読むとクールジャパンの一連のシンポジウムの内容
    http://www.ustream.tv/recorded/10590267
    がすごくよくわかる。


    この本を読んで、なんだかすっきりした気分になりました。図書館で借りて読んだけど、買おうかな。

  • ・・・・・書きかけ・・・・・

    中井正一は、58年前の1952年5月18日に52歳で亡くなった評論家・社会運動家。中井正一といえばなんといっても「土曜日」や「世界文化」

  •   準備中

  • 未読

  •  世界がこんなに美しく、世の中がこんなに面白いものかと驚嘆するときがある。
    そしていつか、それと全く反対に、人間がこんなに愚劣であったのか、また自分も、こんなに下らないものだったのかと驚嘆し、驚き果てるときがある。
     中国のあの平原を前にして、数十尺の姿をして微笑んでいる大同の石仏を、幾万の人間が数十年かかって、あの巨大なものを彫らねばならなかったのは、おそらく彼らにとって、現実の愚劣さもまた巨大であったからかもしれない。
     菩薩の心奥には七転八倒の苦悩があり、言うに言われぬ思いがあり、どうにも致し方が無くて、あたかも波紋のように浮かべてみたのが微笑なのかもしれない。

    仏像とは、変化しえぬ戒めの対象を人間が欲したことから始まったような気がする。
    反省するために存在するそれを神にして、やがてその神に近づくことで救われる。

  • 読んでると眠くなるので、通読は数えるほどなのですが、意地悪な視点でなく書かれているので、読んでいて気分が良くなります。さすが入門というだけあって、変に学問的でなく、気軽に取り組めます。

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