世界のことば (朝日選書)

制作 : 朝日ジャーナル 
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 25
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022595362

作品紹介・あらすじ

こんな言葉を知っていますか?地球の上の114の言語。人間のいるところ、必ず「ことば」がある。人・歴史・風土の多様性を示す言語宇宙への招待。

感想・レビュー・書評

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  • 1991年10月に出版された本なので、それぞれの言語の置かれた状況も今とは違うと思いますが、いろんな発見がある1冊でした。

  • 10位
    休刊直前の「朝日ジャーナル」が残した置土産。古本の功徳でございます。
    文字通りの内容ですが、こういうのはマイナーな言語が面白いんだ! 引用しましょう、いくつかね。

    マケドニア語(旧ユーゴの南端、ギリシャのすぐ北で使用)について。
    「午後三時には帰宅し、家族みんなで昼食を済ませてくつろいでいるお宅を訪ねよう。(略)主婦が出て来て「ゴハン食べたか?」。「ハイ」と答えても必ず「本当か?」と念を押され、あいまいな顔をしていると「ウソでしょ」となって徹底的に食べさせられる」
    なんだかのってきますねえ。執筆は中島由美さん。

    スワヒリ語(これはあまりマイナーじゃないね)について
    「言語の面でのその著しい特色は夥しいアラビア語の流入である。めしや=食堂=レストランに見る日本語の語彙構成、和=漢=洋の層に対して、スワヒリ語のそれはバントゥー語=アラビア語=洋語となる」
    和漢洋にたとえる卓抜な紹介。執筆は守野庸雄さん。

    オーストラリア原住民諸語について
    「私が西オーストラリア州北部で調べたジャル語は一九七〇年代の中頃で、話し手は二〇〇人いた。クイーンズランド州北部で調べたワルング語は、最後の話し手の老人がその後、他界した。したがって、この言語を話せる人は生存しない(私を除いては)。」
    くーっ! 最後の一句がしびれるじゃありませんか。執筆は角田太作さん。

    ウルドゥー語(パキスタンの共通語)について
    「インドの国語ヒンディー語とは文法構造と日常語彙が同じであり、意思の疎通になんら困難を感じないのだ。しかし、文章語になった途端に、両者は別々の道を歩むがごとく、異なった語彙と文字を使用し、相互理解を困難もしくは不可能にさせてしまうという、私たち外国人の目から見れば、なんともやっかいな問題を含んでいる」
    な、なんてややこしいんだ……。執筆は麻田豊さん。

    見開き2ページごとについている分布図が楽しくて楽しくて!
    使用範囲が大変にせまいフリジア語やロマンシュ語の地図はかなりのアップなのに、
    アラビア語やフランス語になるといきなり世界地図になるこの落差。
    アイルランド語の小ささには胸を突かれます……。まさかこんなに衰えていたなんて。
    「世界で国語という地位にあるのは、何千とある言語のうち、せいぜい数パーセントにすぎない」(梶茂樹さん執筆、アフリカ言語圏について)という冷厳な事実が痛い。

    執筆者は多岐に渡っています。ポーランド語は沼野充義さん、ウェールズ語はC・W・ニコルさん、アゼルバイジャン語というマイナーな言語は山内昌之さん、ドイツ語は、おお、池内紀さんじゃありませんか。

    欲を言うなら、日本語も客観的に、外国人(いやいや、他言語話者)にも分かるように解説してほしかったかな。
    でもこれはだれが執筆するかが問題だ。

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