緑の世界史〈上〉 (朝日選書)

制作 : Clive Ponting  石 弘之  京都大学環境史研究会 
  • 朝日新聞
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022596031

作品紹介・あらすじ

英雄も政治家も登場しない、環境の視点から書かれた自然と人間の世界史。

感想・レビュー・書評

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  • 1994年(原本1991年)刊。著者は英スウォンジー大学名誉研究員。

     内容に既視感があるのは、ブライアン・フェイガンやジャレド・ダイヤモンドの著作を既読済みだからだろう(とはいえ本書の刊行の方が古い)。
     イースター島や中南米アステカ・インカ文明、あるいは古代メソポタミア文明の崩壊、さらにかつてのギリシアやシリアは森林豊富な地域であった指摘などは、彼の書の内容にかなり被る。森林の重要性や灌漑農業の負の面も同様だ。

     ただし、本上巻では①貿易・交易関係の指摘。②人為的収奪の一例としての植民地支配(欧米)の内実。③環境破壊という現状=環境保全に意を払わない人類を生み出した思想(例えば、自然界での人間の独自性・優越性の強調という西洋的人間観)、あるいは経済学の限界(古典派は勿論、マル経にも批判的)に言及があって、多少視点が違う印象もある。

     ジャガイモ・トウモロコシやトマトなど種々の交易品の伝播の世界史的意義は勿論、イスラム交易圏、すなわち東南アジアから西南アジア・地中海東部へのサトウキビ交易の意義(砂糖生産の拡大)については注目を要するか。

  • 一人の英雄も事件も出てこない「世界史」。イースター島の教訓から人類が環境や生態に与え続けてきた破壊の数々、そして「豊かさ」の限界まで。圧巻。
    経済や政治ではなく、環境という視点を通して「世界史」にアプローチするという、これまでの人類史の盲点を鋭くついた一冊。「銃・病原菌・鉄」よりはるかにいい。

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