父パードレ・パドローネ ある羊飼いの教育 (朝日選書 528)

  • 朝日新聞社 (1995年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784022596284

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  • BSで見た映画で叙事詩(アエネイス?オデュッセイア?)を軍隊の演習中で戦車に乗りながら朗読するシーンに感動し図書館本。

    映画は色調が暗く、主人公はほぼ喋らない現代の社会では適応できない人のように描かれているが本の中では自然と呼応しあっているし、本文最後の父親との葛藤あるいは親への憎しみとは裏腹に案外著者はわかろうとしない父親の息子への愛情も感じられほっこりもする。

    わずか5歳で羊飼いになるべく父により退学させられ、本書を書くまでになる著者の半生は運命の導きと本人の壮絶な努力の成果なのか。

    翻訳が素晴らしいのだろうが、おそらくイタリア語の文章が読めればとても美しい、細部にまで気を配った繊細かつ流れるような文章をたのしめるのだろうな。人間の可能性は計り知れない。

    最後の訳者の解説も単なる感動だけにとどまらず大変参考になった。本を書く人が皆、良い人なわけではない、ってカンジで。
    今は80歳に近い著者がその後、どんな人生を送ったか知りたいところ。絶版で残念。

  • 著者の自伝的小説。
    羊飼いの父親から教育を受ける権利を奪われ、20歳になるまで読み書きもままならぬまで羊飼いとして育った少年・レッダ。お喋りをする友人も居ず、広大な土地、そして容赦ない自然の猛威の中を、絶対的存在である父(=主人)からの教えで生き抜く。
    20歳になった年に陸軍に入隊。その時点で小学校卒業の資格しか持っていなかったにも関わらず、手違いで中学校卒業の有資格者が受講できる特別のラジオコース、しかも速修のコースに入れられる。しかしレッダは勉学の喜びに目覚めていた。学友に自らの事情を包み隠さず話し、協力を乞い、それまでは暗号文にしか思えなかった授業内容を驚くべきスピードで吸収。
    結果、レッダはコースから落第することなくコースを終える。
    その後除隊。実家に戻るも、レッダの父親はレッダが進もうとする道に理解を示さなかった……。

    ハイライトは終盤、レッダと父親の対峙。どちらの心情も判るが、何か筋が通っていないもやもやとしたモノが残る。それはレッダという存在が真っ当な道を進んでこなかった後遺症なのかもしれない。

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