債務ブーメラン―第三世界債務は地球を脅かす (朝日選書)

制作 : Susan George  佐々木 建  毛利 良一 
  • 朝日新聞社
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022596390

感想・レビュー・書評

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  • 「我々は99%だ」という格差社会の構造や原因を教えてくれる。
    現代世界理解のための必読書。

    【鹿児島大学】ペンネーム:汎 佳草
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    鹿大図書館に所蔵がある本です。
    〔所蔵情報〕⇒ http://kusv2.lib.kagoshima-u.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?fword=21199125506
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  • 「債務危機は終わった」というこの言葉に代表されるように、先進国において債務がもたらす危機は終わった。しかしながら、それは先進国においての話でしかあり得ず、途上国においてはまだまだ続いている。だが、果たして先進国において本当に「債務危機は終わった」のだろうか?この本を読んで、私はむしろ先進国においても債務危機はまだまだ続いていると考えた。それはこの本の題名にもあるように、ブーメランとして環境問題や麻薬問題、移民問題などさまざまな現象が先進国に返ってきているからである。その原因も本書にあるように、一見第三世界を支援しているように見えるIMFによる融資が、所詮は先進国、特にこの場合はアメリカの利益でしかない(本書によれば、むしろ先進国の利益にもなっていない)政策となっていることにある。この、自己利益を求めるがゆえに生じたともいえる先進国の自業自得は、もはや他人事でなくなっている。それなのに、先進国にいる多くの人々はそのことに気づいていないし、また、たとえ気づいたとしても、実際にきちんと何らかの形でそれを認めないでいる人々もいるだろう。債務ブーメランの一つの重要問題がここにあるように思う。
    だが、ここでは敢えてこのことではなく、累積債務を実際どうしているのかという、もう一つの重要問題を見てみたい。つまり、債務ブーメランの原因である累積債務について、どのような収拾方法が行われているのかということである。このことに関しては、「ジュビリー2000」債務帳消し運動(※)がもっとも有名だと言えよう。この運動は最貧国の債務帳消しを求め、G7首脳に訴えているものである。
    だが、帳消しにも問題がある。つまり、債権国にとって見れば、貸したものを返すのは当然のことであり、一方的に貸すのでは贈与と同じで債権国は見返りを望めないし、債務帳消しキャンペーン・ホームページにもあるように、債務は一種の支配力にもなるからである。しかし、今回の課題図書でも述べられていた通り、累積債務は形を変えて先進国(債権国)に社会的混乱や危機をもたらしている。そうであるならば、債務を帳消しすることは、この社会的混乱や危機をできるだけ回避させることにもつながるのではないかと考える。出費としては痛いが、自らが招いた結果でもあることから、債務帳消しを進めることには意義があるといえる。
    では、債務危機をどうしたら本当の意味で終わらせることができるのだろうか?それには2つの方法があるように考える。一つ目は前述したような債務帳消し運動である。この運動によって現在ある累積債務をどうにかしていくこと(累積債務の現状改善)である。そしてこれからも累積債務が出てこないようにすること(累積債務の再出予防)から、IMFに頼らない、なるべく低金利の代替融資機関をNGOなどで組織することや、融資によらない方法で途上国の低開発状況を改善する手段を考えるのも一つの方法であろう。だが、新しいものをつくればいいという訳にはいかない。そこでは、IMFが先進国の利益ばかりを求めたことから生じた債務ブーメランを再びつくり出さないために、IMFでの失敗を踏まえることが重要で、さらに言えば、もしもIMFが低金利融資を導入するのであれば、新しい代替機関を作る必要もないだろう。
    いずれにせよ、債務ブーメランはなぜ発生したのか、このことを考えた上で、現在ある債務ブーメランを少しでも減らし、あるいはブーメランとなる可能性を減らすためには、累積債務の現状改善と再出予防が何よりも大事だといえる。

  • 僕たちいわゆる「北」の国が「南」の国にたくさんの援助をしているのはみんな知っての通りだと思う。ただ、そのほとんどは無償ではなく借金という形の援助。貧しい国は借金を返すことが出来ずさらに苦しくなっている。その第三世界の債務がブーメランとなって私たちの生活に返ってくるということを6のブーメランに例えている。環境、麻薬、銀行、雇用、移民、戦争。債務は人ごとではなく、私たちの問題でもあると気づく。

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