異文化受容のパラドックス (朝日選書 564)

  • 朝日新聞社 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784022596642

みんなの感想まとめ

異文化受容に関するテーマを深く掘り下げた本書は、特に日本人が抱く白人への美的憧れに焦点を当てています。一般的な傾向として、白人の特徴が美しさの基準とされる理由を、社会心理学的な視点から解明し、アンケー...

感想・レビュー・書評

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  • タイトルは気難しい感じだが、読むと先ず「何故、日本人は白人を美しいと思うのか」というテーマが取り上げられていて興味津々。見た目に対する、白人への憧れは何なのか。白人みたいと評されると嬉しかったり、金髪カラコン。色白、足が長い、鼻が高い、目が大きいというのが美人とされがちだ。一方で、我々は黒人に対してどう感じているのか。

    勿論例外はある。ここでいうのは一般的な傾向の話だ。本書はアンケートなども参考にしながら話を進めていく。この生理的とも言える受容の態度や異文化への心の距離感こそ、日本人性を示しているというのだ。

    映画やコマーシャルで美化され、戦勝国であることや科学技術などの先進的なイメージが後天的に「白人=美しい」の印象を形成した可能性があるらしい。だが、私はこうした理由は大きくは関係ないと思っている。生まれたばかりの赤子でも、人種や見た目により反応は変わるため、先天的な好悪や美しさの基準はあるように思うのだ。

    本書の話ではないが、幾つか、読んできた本にヒントがあった。色の黒い人には悪いが「暗闇に溶け込む性質」は恐ろしい。また、「白目の大きさは、人が感情を示し合うために他の霊長類とは異なる特徴である」。これらを考えると自ずと日本人ではなくとも、また、戦後の文化的印象がなくとも白人に憧れる理由は備わっていたという気がする。

    それが本能なら仕方ないではないか。だからといって見た目で卑屈になる必要はない。ルッキズムの本質はこの前提を踏まえる事にあるような気がした。

  • 著者はフランスの大学に勤務する社会心理学者。

    著者にはこれ以外の本でもとても影響を受けたかも。


    この本で述べられている、

    <閉ざされた社会>であるからこその<開かれた文化>

    というような主張をした人はおそらく他にもいるだろうが、

    著者のそこに至るまでの論理には非常に説得力があって良い。


    社会心理学の知識がなければ読めないということもないし、

    できるだけたくさんの人に読まれて欲しい。

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著者プロフィール

小坂井 敏晶(こざかい・としあき):1956年愛知県生まれ。1994年フランス国立社会科学高等研究院修了。元・パリ第八大学心理学部准教授。著書に『増補 民族という虚構』『増補 責任という虚構』(ともに、ちくま学芸文庫)、『社会心理学講義』(筑摩選書)、『格差という虚構』(ちくま新書)、『異文化受容のパラドックス』(朝日選書)、『神の亡霊』(東京大学出版会)、『答えのない世界を生きる』『矛盾と創造』(ともに、祥伝社)など。

「2026年 『支配の位相幾何学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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