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- / ISBN・EAN: 9784022596864
感想・レビュー・書評
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これはかなりの良書と言える。カウンセリングとコンサルティング(=相談)の違いやら、カウンセリングと心理療法の違いといったそういう基礎的な部分について丁寧に述べられている。とはいえ、最後の方は少々駆け足となってしまっているということと、こうした概論本では各流派ごとのアプローチがどうにも薄くなってしまうことが難点なのだろうか?結局のところ大雑把な特徴しかつかめなくなってしまう。とはいえ、アプローチについて述べられている本は完全に専門書の領域に達してしまうし、とすると古本でめぐり合うことは中々難しかったりする。専門書ってことは実際に仕事で使っている人が読むわけだから売らないものね。それに出回っている数自体も少ないわけだしさ。ちなみにカウンセリングとは非指示なんて言葉が使われていたこともあるくらいで、指示をしないというところが一つの特徴である。とはいえそれは消極的な接触なのではなくて、積極的にクライエントの考えていることを理解する、そして共感する、といったものであり、カウンセラーはクライエントの鏡となって、自己理解や自己成長を助ける働きを担うと言える。他方で、コンサルティングはある程度の状況を把握して、こうするべきだ、こうした方がいいといった指示を下すというところに両者の差異がある。とはいえ、これはあくまで理論なのであって実践になった場合に両者にどれくらいの差が生じるのかと言えばそれは実施者と場合によるのだろう。ただ、カウンセリング系の書物を読むと、もはや未知の内容自体は少なくなりつつある。なぜなら、基本的にはロジャースの考え方が基本姿勢となっており、その基本姿勢を満たしながらそれぞれの流派のアプローチによるカウンセリングを行っていくということになる以上、今まで述べてきたことを踏まえれば自然と内容は既知のものばかりとなってしまう。結局のところ、カウンセラーとしての才能は最終的には資質によってしまうのだろう。どれだけ理論を知っていようが、どれだけ経験を積んでいようが、相手の心を開かせられない人はカウンセラーとしては未熟だし、逆に自然と相手の心を開かせてしまう人もいる。自然と相手の心を開かせて、後は相手が考えていることをどんどん引き出してやる。そこに理解する、共感(=empacy)する、しかし、同感(=sympacy)はしない。たださ、カウンセリングってかなり実利志向が強いのだけれどさ、この共感なるものを実利志向が強い人ができるものなのかね。少なくとも、実利志向が嫌いな人にはそうしたカウンセラーは通用しないんじゃないか?って思ってしまうんだけれどね、さて、どうなのでしょう?
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カウンセリングの教科書的な内容。これを読んだからカウンセリングが上手になる、というものではない。
著者は、ミネソタ論争で有名なミネソタ大で、ウイリアムソンに師事したらしい。
マイクロカウンセリングとか折衷派というと、きこえはいいが。どれも中途半端な、ジプシーカウンセラーになりそうで怖い。 -
基本中の基本が書かれています。が、学ぶ前にはよくわからずに読んでいたものが、数年経った今になって読むと頭にスーッと入ってきました。基本に忠実でありたいと改めて感じました。
この本が出版されて20~30年経っていますが、カウンセラーにたどり着くまでの期間はさほど変わっていない気がしていて、ここを何とかしたいとずっと思っています。思うだけじゃどうしようもないんだよな、、 -
ただ聴くだけの先にあるもの。
共感の仕方、言葉の選び方 -
カウンセリングの流れが0から10まで書かれている 少し堅苦しいので飽きるが勉強になる
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めっちゃ丁寧に書いてあってわかりやすかった。いい入門書
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レポートを書くために借りたので、必要部分しか読んでいないけど、いつかちゃんと読みたい。
(H23.5 図 -
【出版社による内容紹介】
大きな刑事事件が起きるたびに、話題になり、現代人が強い関心を持つカウンセリング。しかし、その実際は、意外に、よくは知られていない。第一人者が、実践の現場から、カウンセリングについて報告・解説する。 -
とてもわかりやすく、丁寧に書かれているので、手元に置いておきたい1冊。産業カウンセラー養成講座で学んだことを思い起こしながら納得して、かみしめて読めた。