性の進化、ヒトの進化―類人猿ボノボの観察から (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022597380

作品紹介・あらすじ

性のあり方を大胆に変革したメスによって、オスは父親にされ、ヒトは「家族」をつくるようになった。森から進出したサバンナで、この大改革を成功させたことが、ヒトを誕生させた。ヒトを進化させたのは、エロスの力だった。熱帯雨林で平和に生きるボノボの性行動と社会から、ヒトの誕生の謎を探る。

感想・レビュー・書評

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  • インターネットでたまたま著者の講演の記事をみつけ、
    面白そうだったので読んだ。

    内容も抜群に面白いし、
    肩に力の入っていない軽妙な語り口でとても面白かった。
    最後にヒトの話まで行きつく過程は、すがすがしさまで感じる。

    豊かな熱帯雨林の中から、サバンナまじりの地に出ざるをえなくなってしまったヒトは、
    オスを育児に巻き込むことによって、男女共同の食物獲得、子供を置いていけるキャンプにより、多産多保護の戦略をとる。
    食物をキャンプに持ち帰る必要性が、二足歩行を産み出し、
    その後のヒトの進化の礎となった。

    このように、ボノボとも、チンパンジーとも異なる生殖戦略の賭けに出て、
    確かにヒトは大勝利を収めた。

    もしも、ボノボとチンパンジーの共通祖先からヒトが分かれた時点から観察を始めた研究者がいたとしたら、
    約49日後にホモ・サピエンスの誕生を、
    翌日の夜9時半頃に農耕のはじまりを、
    11時57分頃に産業革命を見ることになる。

    しかし、その戦略の結果であるヒトの「性」は、
    現代社会においても
    未だに混乱と争いと殺しを巻き起こし続けているかと思うと、
    感慨深い。

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