人生は意図を超えて―ノーベル化学賞への道 (朝日選書)

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  • 朝日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022597977

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    http://opac.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB50060519&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 名大関係のノーベル賞受賞者の著書特集。

    理図書 289.1||N97 11405375

  • 野依さんの業績、なんとなく分かった。

  • (2011.04.04読了)(2007.02.03購入)
    根岸英一さんや鈴木章さんの本を読んだついでなので、積読中の野依良治さんの本を読んでしまうことにしました。いずれも、ノーベル化学賞を受賞した方々です。
    野依良治さんは、2001年のノーベル化学賞受賞者です。もうそんなにたったのかなあとびっくりします。受賞の対象となったのは、「不斉合成反応」の研究です。

    ●右手形と左手形(22頁)
    炭素原子には四本の手があり、そのそれぞれに異なった原子が結びついたものを「不斉炭素」といいます。不斉炭素には「右手形」と「左手形」の二つの型があります。多くの分子は、左右の違いがある二つの形で存在します。右手形と左手形は、お互いに重ね合わせることができませんが、鏡に映すと同じになります。
    生物の世界ではほとんどのタンパク質が左手形のアミノ酸だけからできています。右手形の物質は、生物の身体の中には存在しません。酵素の働きによって、必要な片方だけが作られているのです。
    右手形と左手形の構造の違いは小さなものですが、こうした分子が生物現象や生命現象にかかわるときには、たいへん大きな違いとして現れます。分子の左右の違いによって、違う味がしたり違う匂いがしたりするのです。
    医薬品に使われる物質の性質に現れた場合、大きな問題に発展することがあります。
    サリドマイドの右手形は、すぐれた鎮痛剤・睡眠誘導剤です。しかし右手形には、胎児に奇形の発生を促す性質があるのです。
    サリドマイド事件というのは、鎮痛剤もしくは睡眠導入剤のつもりで、市販のサリドマイドを服用した妊婦から、手足に障害のある赤ちゃんが生まれたことを言うのです。
    サリドマイドに限らず人工的に合成された医薬のほとんどは、右手形と左手形が50対50で混ざり合った「ラセミ体」だったのです。
    ●不斉合成(28頁)
    わたしたちは、1960年代以来、右なら右、あるいは左なら左の分子を選択的に作り分ける「不斉合成」に取り組んできました。
    我々が特別に工夫した「BINAP」という物質を含む「分子触媒」の助けを借りると、右でも左でもどちらか必要な方をほとんど100%近い確率で、つくりわけることができるのです。
    ●灘高(44頁)
    灘中・灘高は、講道館の創立者加納治五郎と同じ加納家が中心になってつくった学校で、校是も講道館と同じ「精力善用・自他共栄」です。
    ●有機化学(46頁)
    有機化学というのは、主に炭素を含む化合物の化学です。歴史的には、生物が作る天然物、アミノ酸や糖などの研究から始まりましたが、メタンやポリエチレンのような石油化学にかかわる物質も扱います。現在では、千五百万種類以上のさまざまな化合物が、有機化合物として登録されています。
    ●不斉カルベン反応(51頁)
    1966年、私は「不斉カルベン反応」を発見しました。これが、今回の受賞につながる一連の研究の出発点です。
    「不斉カルベン反応」は、「キラル(右手形と左手形がある化合物)な有機化合物と金属が結びついた分子が触媒として働き、不斉合成反応を起こす」という原理を、初めて示したものでした。後に一般性と実用性を持つ技術にまで、大きく発展したのです。
    ●自分で知識を(103頁)
    知識は誰かに習って身につけるものだと考えている人が、多いのではないでしょうか。教えてくれる人がいないから、自分で本を読み、あるいは考えて、自分で知識を身につけてきた我々からすると、あまりにも教わりすぎているように感じられる。
    ●豊かに幸福に(139頁)
    わたしは常日ごろ、理科を学ぶのは、人生80年を豊かに幸福に生きるためだ、と主張しています。また、幸福に生きるとは、自らの力で生きることだ、とも主張しています。

    ☆関連図書(既読)
    「化学に魅せられて」白川英樹著、岩波新書、2001.01.19
    「田中耕一という生き方」黒田龍彦著、大和書房、2003.01.25
    「生涯最高の失敗」田中耕一著、朝日選書、2003.09.25
    「クラゲの光に魅せられて」下村脩著、朝日選書、2009.06.25
    「光るクラゲ」ヴィンセント・ピエリボン著、デヴィッド・F.グルーバー著、青土社、2010.05.31
    「化学者たちの感動の瞬間」有機合成化学協会編、化学同人、2006.12.25
    「鈴木章ノーベル化学賞への道」北海道大学CoSTEP著、北海道大学出版会、2011.01.25
    「夢を持ち続けよう!」根岸英一著、共同通信社、2010.12.10
    (2011年6月22日・記)

  • 普段疎遠な科学の世界がのぞけます。科学者っていっても人と人との係わり合いやコミュニケーションが大事なんですね。
    あと僕実家が近いんですよね。

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