対談 笑いの世界 (朝日選書 735)

  • 朝日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022598356

作品紹介・あらすじ

片や落語界の重鎮、片や日本を代表するSF作家。ともに「笑い」を追究してきた二人が、漫才や映画、歌舞伎にまで話題を広げ、蘊蓄を披露しあう様は、さながら競演会だ。

感想・レビュー・書評

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  • お互いの楽しむ雰囲気が伝わってくる対談だった。
    p.74桂小文治の踊り、かっぽれを見てみたいと思った。
    モンティパイソンのシリーウォークと通じるところがあるのか?

  • 桂米朝のことはほとんど全く知らなかったが、滅びかけていた上方落語を復活させた偉大な噺家さんとのこと。筒井康隆の作品は何冊か読んで、毎作趣向が凝らされていてシニカルな人間観察が冴えているところがすごいとは思ってきたが、SFをほとんど読まないので熱心な読者ではない。なのに何故この二人の対談集を読もうと思ったかというと、新聞の書評欄で町田康が紹介していたから。

    二人とも落語はもちろん昔の喜劇映画や演芸にとても詳しく、最近読んだ江藤淳と蓮實重彦の対談集とは別な方面でやはり造詣が深い(偶然だが対談中、江藤の名前が出てくる)。ただ、残念ながらこの本で語られる分野にあまり興味が持てなかった。

    筒井康隆は常に自分の仕事に自信があって謙遜はせず、どのくらい評価されているのかわからない役者業についても得意気に語っている。それを受ける米朝はさすがの名人で、聞き上手でもあると思った。

  • 面白かった。
    知らないことが多くてもっと勉強しなくちゃってことがいっぱい。上方の笑いの世界、もっと深く沈みたいなぁ

  • 桂米朝・筒井康隆。
    この二人が喋ってるというだけでもうなんだか嬉しい。

  • 落語界の重鎮 桂 米朝と、日本を代表するSF作家 筒井 康隆。
    ともに「笑い」を追及してきた二人が、漫才や映画、歌舞伎にまで話題を広げ、
    薀蓄を披露しあう様は、さながら競演会だ。―巻末「内容紹介」より。

    桂 米朝は、1925年兵庫で生まれ、現代上方落語の創始者の一人であり、
    人間国宝であり文化功労者。必聴作「地獄八景亡者戯」。
    筒井 康隆は、1934年大坂で生まれ、星新一らとSFジャンルを切り開き育て、
    マスコミの用語自主規制に抗議して断筆宣言したことがある紫綬褒章受賞者。

    普段聴かない上方落語の重鎮の「笑い」へのスタンスに興味があって、
    手に取りましたが、博学の筒井康隆氏との昔話がメインとなり、
    少々期待外れでした。ま、私の勝手な期待だったんですが。

    米朝師匠は、元々演芸好きのサラリーマンで、正岡容先生の勧めで
    上方落語会を復興させるために落語家になったそうで、
    少々親近感を覚えます。これまた勝手な親近感ですが。

    真面目な印象の米朝師匠ですが、若かりし頃は下ネタもおやりになったそうで、
    また地獄八景亡者戯のような荒唐無稽な演目は自ら考案されたそうで。
    やはりまだまだ、まだまだ奥が深そうです。

    この二人も和洋の喜劇映画を観て育った。当時の映画は本当、盛んだったんですね。

    お互いに喋り、聞き、喋っている二人とも面白いと思ったので本にした座談会。

  • とても深い内容です

  • 無学の私には登場する映画や劇、歌舞伎、落語の話はよく分からんところも多々あったのだが、昔のエピソードでゲラゲラ笑えたり、合間に飛び出す含蓄ある言葉に感銘したりで凄く楽しめた。
    「笑いとは」について真正面から答えているわけではないけどそれが良い味出している気がする。
    ゲラゲラ笑ったところは多いのだが、9代目鈴々舎馬風のエピソードと俄(にわか)の話は特に笑った。”昔の俄はこんなに粋な、風流なもん”。俄に俄然興味を持った。

  • SF作家にして笑いも常に求める筒井康隆と上方落語の大看板・桂米朝師の、笑いや落語、SFや芸事についての対談集。本当は対談集を出すつもりは無かったのだけど、お互い話がやめられなくて、場所を改めて対談!となったらしい。米朝師のあとがきにも「多分こんな風に誰かと長く喋ることは今後もうないだろう」と書いてあるほど。二人の持つべき何かが合致したんかな…と思いますね。

    内容は喜劇映画のことから落語、SFについては勿論のこと、歌舞伎や浄瑠璃、江戸時代の洒落本や黄表紙についても及んでとても読み応えがありました。といっても歌舞伎や浄瑠璃についてはあんまりよくわかったなかったけど……まあこれはいつものことやね。チャップリンの映画とか、やっぱり見てみたいと思ったし、まだまだ筒井の小説は読んでないも同然なので、いろいろ探っていきたいですねー

  • 前書きに自信満々で「面白い対談だった!」と書いてあったので、
    期待して読んだのですが、
    私に学が足りないせいか、十二分に楽しめませんでした。
    なんだか、お勉強になります。
    知らない笑いの世界を案内してくれます。

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著者プロフィール

桂 米朝(かつら・べいちょう)落語家。本名・中川清。1925(大正14)年11月6日、満州大連生まれ、兵庫県姫路市育ち。1943(昭和18)年、作家・寄席文化研究家の正岡容に師事。1947(昭和22)年、四代目桂米団治に入門、三代目桂米朝を名乗る。戦後、衰退の一途にあった上方落語の復興に尽力。途絶えていた数多くの噺を再構成して復活させ、多数の弟子を育て、サンケイホールをはじめ全国各地での独演会を成功・定着させた。上方落語四天王の一人にして中興の祖。文化勲章、重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化功労者、紫綬褒章など受章・顕彰多数。著書『米朝上方落語選(正・続)』(立風書房)、『上方落語ノート(1~4集)』(青蛙房)、『桂米朝集成(1~4巻)』(岩波書店)など。

「2013年 『米朝落語全集 増補改訂版 第一巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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